
インドネシアスーパーリーガの一次リーグ4日目、初参戦の岐阜トリッキーパンダースが、台湾の合作金庫銀行に3対2で勝ち、初勝利を挙げた。プレッシャーの大きい第1シングルスの山本紗椰選手が口火を切ると、江藤理恵・下﨑彩組が、日本リーグではチームメイトのチェン・ウェンシン選手のペアを振り切り、最後は若い山口ソヨカ・松田蒼組が締めた

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重責のかかる第1シングルスで勝ちチームを勢いづけた山本選手は試合後、BadPaL の取材に応じ、「チームの中で一番最初に出るのは緊張した。今大会は1勝でもしたいと思っていたので良かった」と述べ、安どの表情を見せた。また第2ダブルスの山口・松田組は、「思い切りできて次につながる勝ちになった」(山口)。「2対2で回ってきて、勝とうねとは話していたが、プレッシャーはなかった。この調子で乗っていきたい」(松田)と初勝利の感想を語った
◆岐阜トリッキーパンダース(1勝2敗)3-2合作金庫銀行(台湾、4敗)
【第1シングルス】 山本紗椰〈21-17,18-21,21-16〉スー・ヤチン(台湾)
【第2シングルス】 松田蒼〈18-21,17-21〉パイ・ユーポ(台湾)
【第2ダブルス】 江藤理恵・下﨑彩〈21-13,19-21,21-16〉チェン・ウェンシン/スー・ヤチン(台湾)
【第3シングルス】 橋詰有紗〈14-21,12-21〉チアン・メイフイ(台湾)
【第1ダブルス】 山口ソヨカ・松田蒼〈21-11,21-18〉ワン・ペイロン/シエ・ペイチェン(台湾)

前日まで3連勝でグループ首位に立った日本ユニシス女子は、一次リーグ最後の相手、USMスマランと対戦。ダブルスのエース、高橋礼華・松友美佐紀組を温存して臨んだが、代わりに投入した木村百花・星千智組を含む5種目すべてで勝利し、狙い通り、負けなしで一次リーグ1位突破を果たした
◆日本ユニシス(4勝)5-0USMスマラン(インドネシア、4敗)
【第1シングルス】 高橋沙也加〈21-19,21-8〉アリンダ・サリ・シナガ(インドネシア)
【第1ダブルス】 木村百花・星千智〈21-14,22-20〉リリン・アメリア/ウスワトゥン・カサナ(インドネシア)
【第2シングルス】 打田しづか〈22-20,17-21,21-18〉ティエク・アリエダニングラム(インドネシア)
【第2ダブルス】 栗原文音・篠谷菜留〈21-14,21-18〉デラ・アウグストヤ・スルヤ/ケトゥト・マハデウィ(インドネシア)
【第3シングルス】 奥原希望〈21-9,21-11〉アイダ・アルム・アマナ(インドネシア)

日本ユニシス男子は、一次リーグ最大の山場、昨年覇者のムシカチャンピオン戦に挑んだ。トップバッターの上田拓馬選手の相手は、昨年に続いてムシカが招へいした世界ランク1位、マレーシアのリー・チョンウェイ選手。第1ゲームは20-22と競り合うが、第2ゲームに入ると地力の差を見せつけられ完敗した。第1ダブルスの早川賢一・遠藤大由組は立ち上がり苦しみ第1ゲームを先取される。しかし第2ゲーム以降、世界3位の実力を見せ貫禄の逆転勝ち。そして、これに続いたのが第2シングルスの坂井一将選手。世界ランク上位のドイツ、マーク・ツイブラー選手に先制されるも、徐々に攻守で圧倒していき、第2、第3ゲームを奪い返して勝利を収めた

坂井選手は試合後、BadPaL に対し、「ツイブラー選手とは、2011年カナダオープンと13年ドイツオープンで対戦している。カナダではまったく歯が立たなかったが、ドイツではあと少しのところだったので、今回は食ってやろうと思っていた」と明かした。今年1年の目標の1つに「世界ランク10位前後の選手を倒していくこと」を掲げており、ランキングポイントに関係しないスーパーリーガにおいても、現在世界11位のツイブラー選手との対戦には高いモチベーションをもって臨んでいた
ムシカが誇るシングルス3本柱の一角を崩して2対1と王手をかけたことで、ユニシスの勝機は拡大し、第2ダブルスの数野健太・井上拓斗組に対する期待が膨らんだ。1ゲームずつを取り合い迎えたファイナルゲーム、ギリギリの競り合いを終盤まで続けるが、ミスによる失点で崩れ、わずかに届かず敗れた。第3シングルスは、前日に続いて起用された小野寺裕輔選手が、実力、実績ともに格上のシモン・サントソ選手にぶつかっていったが跳ね返され、ユニシスは一次リーグ初黒星を喫した
◆日本ユニシス男子(2勝1敗)2-3ムシカチャンピオン(3勝)
【第1シングルス】 上田拓馬〈20-22,11-21〉リー・チョンウェイ(マレーシア)
【第1ダブルス】 早川賢一・遠藤大由〈15-21,21-19,21-17〉ライアン・アグン・サプトラ/リッキー・カランダ(インドネシア)
【第2シングルス】 坂井一将〈14-21,21-14,21-8〉マーク・ツィブラー(ドイツ)
【第2ダブルス】 数野健太・井上拓斗〈12-21,21-15,18-21〉ワヒュ・ナヤカ/ハルディヤント(インドネシア)
【第3シングルス】 小野寺裕輔〈6-21,12-21〉シモン・サントソ(インドネシア)
岐阜トリッキーパンダースは、朝の部に続いて夜の部にも登場。ルネサスとの一次リーグ最終戦に臨んだが、0対5で完敗。通算成績1勝3敗で、5チームから成るグループXの4位で一次リーグ敗退となった。一方、3勝1敗のルネサスは同グループ2位で2年連続の準決勝進出を決めた
◆ルネサス(3勝1敗)5-0岐阜トリッキーパンダース(1勝3敗)
【第1シングルス】 伊東可奈〈21-9,21-17〉山本紗椰
【第2シングルス】 峰歩美〈21-17,21-12〉松田蒼
【第2ダブルス】 福万尚子・廣田彩花〈21-15,17-21,21-17〉江藤理恵・下﨑彩
【第3シングルス】 福島由紀〈21-11,21-9〉橋詰有紗
【第1ダブルス】 宮内唯・久後あさみ〈21-11,21-10〉山口ソヨカ・松田蒼

この日は、インドネシアのジャヤラヤ・ジャカルタに外国人助っ人として加入する三谷美菜津選手がジャルム・クドスのフェビー・アングニ選手に、田児賢一選手がマレーシアタイガーのチョン・イーハン選手に勝ち、それぞれ4連勝と3連勝を達成した
4日目終了時点の各グループ内順位(男子は暫定)は以下の通り。女子はこの日で一次リーグの全日程を終え、各グループ上位2チームによる準決勝の組み合わせは、◆日本ユニシス(グループY1位)対ルネサス(グループX2位)◆ジャヤラヤ・ジャカルタ(グループX1位)対ムティアラカーディナル・バンドン(グループY2位)――となった
◆男子グループA
【1位】ジャヤラヤ・ジャカルタ(インドネシア、3勝)【2位】合作金庫銀行(台湾、2勝1敗)【3位】HI-QUAウィマ・スラバヤ(インドネシア、2勝1敗)【4位】マレーシアタイガース(マレーシア、1勝2敗)【5位】SCG(タイ、4敗)
◆男子グループB
【1位】ムシカチャンピオン(インドネシア、3勝)【2位】ジャルム・クドス(インドネシア、2勝1敗)【3位】日本ユニシス(2勝1敗)【4位】許兄弟集団(シンガポール、1勝2敗)【5位】グナダールマ・バンドン(インドネシア、4敗)
◆女子グループX
【1位】ジャヤラヤ・ジャカルタ(4勝)【2位】ルネサス(3勝1敗)【3位】ジャルム・クドス(2勝2敗)【4位】岐阜トリッキーパンダース(1勝3敗)【5位】合作金庫銀行(4敗)
◆女子グループY
【1位】日本ユニシス(4勝)【2位】ムティアラカーディナル・バンドン(3勝1敗)【3位】SCG(タイ、2勝2敗)【4位】許兄弟集団(シンガポール、1勝3敗)【5位】USMスマラン(インドネシア、4敗)