
全英オープンSSプレミア準決勝、男子ダブルスの早川賢一・遠藤大由組が、2月のインドネシアスーパーリーガで対戦しファイナルゲームの末に勝っていたタイの新しいペアを再び下し、この種目、日本選手で初めて決勝進出を決めた。日本勢はここ数年、2010年に男子シングルスの田児賢一選手、2011年に女子シングルスの廣瀬栄理子選手と女子ダブルスの藤井瑞希・垣岩令佳組が大会最終日、全英オープン会場であるバーミンガムのナショナルインドアアリーナ(NIA)のセンターコートに立ち、スポットライトを浴びた。ただ、いずれも敗れ準優勝に終わっている
第1~3シードの優勝候補が次々に敗れ姿を消していく中、第4シードの早川・遠藤組は1回戦から準々決勝までの3試合すべて、ファイナルゲームまでもつれる接戦を勝ち抜いてきた。準決勝の相手は、ロンドン五輪代表のマニーポン・ジョンジット選手が新たなパートナー、ニピトポン・プアンプアペク選手と組んだばかりのペアながら、第2シードのクー・ケンケット/タン・ブンヒョン組(マレーシア)を倒すなどトップクラスの実力があり、第1ゲームは一進一退の攻防から12-16とリードされる。いったんは逆転に成功するも再逆転を許し18-20とゲームポイントを握られる。しかし、ここから4連続得点でこのゲームを先取する。第2ゲームは勢いに乗った早川・遠藤組がペースをつかみ、前半を11-4の大量リードで折り返す。後半に入るとタイペアの反撃に遭い14-12と2点差まで迫られるが、再び突き放して21-15で勝利。ファイナリストの座をつかんだ
女子ダブルスの末綱聡子・前田美順組は、今大会の前に出場した昨年11月チャイナオープンSSプレミアの決勝と同じく、中国ユー・ヤン/ワン・シャオリ組と対戦した。第1ゲームは開始から1度もリードを奪えぬまま11-21と完敗。第2ゲームに入ると6-6まで競り合うが、その後は点差を広げられて16-21で敗れ、決勝進出を逃した

この日、最も注目を集めた試合は、女子シングルスのティネ・バウン選手(デンマーク)対ソン・ジヒョン選手(韓国)。33歳のバウン選手は今大会を最後に引退する意向を表明しているが、元世界ランク1位の実力は健在で、ここまで勝ち上がってきた。準決勝は第1ゲーム、15-20と5つのゲームポイントを握られた状況から大逆転で勝利。第2ゲームは19-17とリードするも相手に4連続得点を許し敗れる。ファイナルゲームは競り合いから終盤、1点リードしては追いつかれる展開で19-19まで進む。しかしここから連続得点を決め、ひと回り年下の21歳ソン選手との1時間を越える熱戦に終止符を打った。バウン選手はデンマーク代表として臨む最後の舞台となる決勝で、タイの18歳、ラッチャノク・インタノン選手を相手に3度目の全英オープンタイトル獲得を目指す
男子シングルスは大会前からの予想通り、第1シードのリー・チョンウェイ選手(マレーシア)と第2シードのチェン・ロン選手(中国)がそれぞれ順当に準決勝を勝ち抜き、決勝で激突する
各種目準決勝の結果
【男子シングルス】
リー・チョンウェイ(マレーシア、世界1位)〈22-20,21-8〉タノンサク・サエンソンプーンサック(タイ、世界37位)
チェン・ロン(中国、世界2位)〈21-19,22-20〉ヤン・ヨルゲンセン(デンマーク、世界13位)
【女子シングルス】
ソン・ジヒョン(韓国、世界5位)〈22-24,21-19,19-21〉ティネ・バウン(デンマーク、世界7位)
サイナ・ネワル(インド、世界3位)〈15-21,19-21〉ラッチャノク・インタノン(タイ、世界8位)
【男子ダブルス】
リュウ・シャオロン/チュウ・ツィハン(中国、世界12位)〈21-12,13-21,21-17〉ヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン(インドネシア、世界39位)
早川賢一・遠藤大由(世界4位)〈22-20,21-15〉マニーポン・ジョンジット/ニピトポン・プアンプアペク(タイ)
【女子ダブルス】
ユー・ヤン/ワン・シャオリ(中国、世界2位)〈21-11,21-16〉末綱聡子・前田美順(世界8位)
マー・ジン/タン・ジンフア(中国、世界15位)〈18-21,7-21〉ツァオ・ユンレイ/チェン・シュウ(中国、世界95位)
【混合ダブルス】
ツァン・ナン/ツァオ・ユンレイ(中国、世界5位)〈21-17,21-16〉ムハンマド・リジャル/デビー・スサント(インドネシア、世界8位)
タントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル(インドネシア、世界2位)〈18-21,21-15,21-19〉マルキス・キド/ピア・ゼバディア・ベルナデス(インドネシア、世界12位)
決勝の対戦カード
【男子シングルス】 リー・チョンウェイ(マレーシア、世界1位)対チェン・ロン(中国、世界2位)
【女子シングルス】 ティネ・バウン(デンマーク、世界7位)対ラッチャノク・インタノン(タイ、世界8位)
【男子ダブルス】 早川賢一・遠藤大由(世界4位)対リュウ・シャオロン/チュウ・ツィハン(中国、世界12位)
【女子ダブルス】 ユー・ヤン/ワン・シャオリ(中国、世界2位)対ツァオ・ユンレイ/チェン・シュウ(中国、世界95位)
【混合ダブルス】 タントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル(インドネシア、世界2位)対ツァン・ナン/ツァオ・ユンレイ(中国、世界5位)