2012年最後に行われた日本リーグ最終戦は、男子がトナミ運輸の2連覇、女子がルネサスの初優勝で幕を閉じた。そうした中、今大会、台湾から初めて日本リーグ参戦を果たしたチェン・ウェンシン選手は、チームに1勝をもたらす戦力としてのみならず、世界トップで長く活躍するベテランとして、豊富な経験に裏打ちされた練習への取り組み方、選手としての心構え、試合に臨む姿勢などをすすんでシェアし、若いチームメイトにさまざまな好影響をもたらした
その一方で、アテネ、北京、ロンドンと3大会連続でオリンピックに出場した誰もが認める世界トップ選手ながら、いまだに新しいことを学びたいという意欲にあふれ、試合の合間を利用して筑波大学を訪問。阿部一佳名誉教授によるバドミントン指導理論の講義に参加するとともに、中学生を対象にした講習会を見学した。さらには、同大学で取り入れている独特な練習方法を自ら体験した
チェン選手は最終戦を終えた後、BadPaL に対し、「私はベテランだが、まだ学ぶべきことは多いし学びたいと思っている。日本リーグに参戦できたことに感謝している」と述べた
チェン選手が加わったクラブチーム、トリッキーパンダースには、アテネ五輪と北京五輪に出場したマレーシアのリー・ワンワー選手も在籍する。両選手に共通するのは、ともにオリンピアンという以外に、日本の若い選手に技術だけではない何かを伝えたいという気持ちを抱いていること。同時に、自らもここで学びたいという意識を強く持っている
国内トップの男女8チームづつが1年の締めくくりに雌雄を決する日本リーグでは、個人戦では決して目にすることのない団体戦ならではの試合を見ることができる。今回は、同じNTT東日本に所属する2012年日本代表の佐藤翔治選手と田児賢一選手が組んだダブルス。試合には敗れたものの、実力、人気ともに高い2人のコラボレーションとあって注目度は抜群。惜しむらくは、最終日前日のため、生で目にすることができたファンが少なかったこと
また、先ごろ発表された2013年の代表から外れた2012年日本代表の2ペア、松尾静香・内藤真実組と佐藤翔治・川前直樹組の公式戦最後となるかもしれない雄姿が見られた。なお、松尾・内藤組や廣瀬栄理子選手を含むパナソニックの所属選手10人にとっては、既に業績不振によるリストラの一環として解散が決まっていることもあり、今回がチームとして最後の大会。来年以降も現役を希望する選手は、それぞれ移籍先を探して競技を続けることになる
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