
アジア選手権準決勝、男子ダブルスの早川賢一・遠藤大由組が決勝進出を決め、昨年の平田典靖・橋本博且組に続いて、日本選手が2年連続でファイナリストとなった
対戦相手は、前日の準々決勝で平田・橋本組をストレートで退けた中国シェン・イエ/ホン・ウェイ組。早川・遠藤組は過去2勝1敗で勝ち越している。第1ゲームは攻撃のリズム良く、動きにも表情にも余裕が感じられる試合運びで、次々に得点を重ね21-12で完勝する。第2ゲームに入ると、早川選手が試合後、「相手がうまかった」と語ったように、守りに入る場面が増え、中盤、追い上げにあう。しかしリードを譲ることはなく21-17で振り切った
早川・遠藤組は BadPaL に対し、ベスト4を突破できたことが素直にうれしいと述べた。勝因は、早川、遠藤両選手ともに「開き直り」と口をそろえた。厳しい試合となった前日の準々決勝を乗り切ったことで、無意識のうちに緊張がとけいい動きができたのだという。3月のスイスオープングランプリ(GP)ゴールドでの前回対戦時は、ファイナルゲームの17-20と追いつめられた場面から、ギリギリのところで逆転勝利を収めていた。早川選手は前回と今回の戦い方の違いについて、「前回は最初から守りに入ったが、今回はドライブやスマッシュから攻撃できる機会が多かった」と述べた
決勝に向けては、遠藤選手が「昨日より今日、今日より明日で、今大会のベストパフォーマンスの試合を」。早川選手は「昨年10月のインドネシアオープンGPゴールド決勝のように会場の雰囲気に飲まれることなく、プレーしたい」と抱負を語った
一方、オリンピックレースに関しては、「正直、厳しいと思っていて、次に向けて進んでいきたい」(早川)とした。当面の具体的な目標は「世界ランク8位以内」(遠藤)という

女子ダブルスの松尾・内藤組はこれまで、昨年のジャパンオープンを含め4戦全敗中の中国バオ・イーシン/ツォン・チエンシン組が相手。いずれも接戦の末の悔やまれる負けが続いており、このあたりで一矢を報いたいところだった。第1、第2ゲームともに競り合いから中盤リードを奪うが、そこから引き離され、16-21,19-21のストレート負け。同一カード5連敗を喫するとともに、オリンピックレースを勝ち抜くため是が非でもほしかった優勝の道を断たれた

松尾・内藤組は 試合を終えた直後の感想として「どうしても勝ちたい試合だったのにもったいない」(松尾)、「くやしい。せっかくのチャンスを逃してしまった」(内藤)と、目にうっすら涙を浮かべながら、言葉を絞り出した
松尾選手は敗因について、「(連敗中のバオ/ツォン組に対する)苦手意識はなかった」とした上で、「ラリーはできるが、点数が取れなかった」と悔しさをにじませた

中国4選手が勝ち上がった男子シングルスでは、世界ランク4位に上がり中国にとって3つ目の五輪出場枠獲得を狙うチェン・ジン選手(世界5位)が、既に五輪切符を確保しているリン・ダン選手(世界2位)の棄権により、労せず決勝に進んだ。もう1つの山からは、同じく五輪出場確定のチェン・ロン選手(世界3位)ではなく、格下のドゥ・ペンユ選手(世界11位)が勝ち上がったことで、チェン・ジン選手優勝の可能性が高まった
各種目準決勝の結果
【男子シングルス】 リン・ダン(中国、世界2位)〈不戦勝〉チェン・ジン(中国、世界5位)、チェン・ロン(中国、世界3位)〈21-17,16-21,12-21〉ドゥ・ペンユ(中国、世界11位)
【女子シングルス】 ワン・イーハン(中国、世界1位)〈21-19,21-12〉ワン・シーシャン(中国、世界3位)、リ・シュエリ(中国、世界4位)〈21-15,22-20〉チェン・シャオジア(中国、世界40位)
【男子ダブルス】 グオ・ツェンドン/チャイ・ビアオ(中国、世界5位)〈17-21,9-21〉キム・ギジョン/キム・サラン(韓国、世界29位)、シェン・イエ/ホン・ウェイ(中国、世界13位)〈12-21,16-21〉早川賢一・遠藤大由(世界14位)
【女子ダブルス】 ツァオ・ユンレイ/ティエン・チン(中国、世界2位)〈不戦勝〉パン・パン/チェン・シュー(中国、世界23位)、松尾静香・内藤真実(世界7位)〈16-21,19-21〉バオ・イーシン/ツォン・チエンシン(中国、世界15位)
【混合ダブルス】 ツァン・ナン/ツァオ・ユンレイ(中国、世界1位)〈21-13,12-21,21-13〉キム・サラン/チェ・ヘイン(韓国、世界174位)、シュー・チェン/マー・ジン(中国、世界2位)〈21-14,21-12〉カン・ジウック/オム・ヘウォン(韓国)
決勝の組み合わせは以下の通り。中国が男子ダブルスを除く4種目で勝利を確定させたが、昨年に次ぐ5種目完全制覇は逃した
【男子シングルス】 チェン・ジン(中国、世界5位)対ドゥ・ペンユ(中国、世界11位)
【女子シングルス】 ワン・イーハン(中国、世界1位)対リ・シュエリ(中国、世界4位)
【男子ダブルス】 早川賢一・遠藤大由(世界14位)対キム・ギジョン/キム・サラン(韓国、世界29位)
【女子ダブルス】 ツァオ・ユンレイ/ティエン・チン(中国、世界2位)対バオ・イーシン/ツォン・チエンシン(中国、世界15位)
【混合ダブルス】 ツァン・ナン/ツァオ・ユンレイ(中国、世界1位)対シュー・チェン/マー・ジン(中国、世界2位)