Japan’s historic win over China slips away by one point

国・地域別の男女混合団体戦スディルマン杯、準決勝に臨んだ日本代表は、大会史上まだ一度も勝ったことがない中国を相手に、チームとして今大会最も良い戦いを見せ、文字通り勝利目前まで迫った。しかしあと1点に泣く結果となり、歴史的勝利を逃した。決勝にも進めず、前回をひとつ下回る銅メダルで大会を終えた

タイに競り勝った前日準々決勝の流れに乗り、優勝候補筆頭の中国に挑んだ日本。最初の混合ダブルスに出場した山下恭平・篠谷菜留が2日連続でまた、周囲を驚かすパフォーマンスを見せた。個人戦では2連敗中のフォン・イェンジュ―/ホワン・ドンピンとの第1ゲーム、先行する相手にしっかりついていき、3度のゲームポイントを凌いで逆転で取る。第2ゲームを落とすが、ファイナルゲームは12-18とリードされたところから徐々に追い上げ、相手マッチポイント2つ(18-20)を凌いで追いつくと、そこからは主導権を奪い返して24-22で勝利。貴重な最初のポイントをチームに持ち帰る

次に登場の奈良岡功大は、これまで3戦して一度も勝ったことがないシー・ユーチからオープニングゲームを先取してみせる。団体戦に強い中国男子シングルスのエースに最終的には跳ね返されたが、疲れを見せながらも、ともに戦うチームメイトの前で力を振り絞る姿を示した

1対1となって迎えた日中女子シングルスエース同士の一戦。前日、タイ2番手のポーンパウィー・チョチュウォンに敗れ、チームに貢献できず意気消沈していたところからの切り替えが山口茜の課題だったが、プレッシャーもあってかミスの出るチェン・ユーフェイからきっちりストレート勝ちを収め、チームの勝利に王手をかけた

勝てば決勝進出、という大事な場面で出番を迎えた小林優吾・保木卓朗だが、委縮する様子は見えず、第1ゲーム、常に先行する形で試合を進め、終盤に4連続ポイントを決め先制する。第2ゲームは途中、負けたら終わりの中国ペアの反撃に遭い、2点差で落とす。それでもファイナルゲームに入ると再び、中盤以降、主導権を握り返して18-12とリード。そののち少し追い上げられるが、20-16とマッチポイントに到達する

ただ、これで決まったかと周囲が見る中、それでもなおリュウ・ユーチェン/オウ・シュアンイは集中力を切らさず、1点、また1点と積み上げていき、気が付けば20-20。さらに1点を加えて逆にマッチポイントを握り返すと、次のラリーで間髪入れずに攻め立て、後のない崖っぷち状態から怒涛の6連続得点を決め、「あと1点」がつかめなかった小林・保木から、一気に勝ちを奪い去った

Almost there,Yugo/Takuro couldn’t deliver ~photo courtesy of Joseph Yeung

会場全体が震撼した劇的な逆転勝利の余韻の残る中、始まった最終種目の女子ダブルスは、気持ちの入り方がまるで違うチェン・チンチェン/ジア・イーファンが序盤から圧倒。試合開始直後の10連続得点に象徴される一気呵成を福島由紀・廣田彩花は押し返すことができず、第1、第2ゲームともにほぼ一方的な展開で敗れた

ただ、勝利してからしばらく、床に突っ伏して立ち上がれなかったチェン・チンチェンは試合後、簡単な勝ちに映ったかもしれないが、実際は精神的にいっぱいいっぱい。コートに立つ前から張り詰めていて気持ちの面で疲労困憊したと話し、プレッシャーに押しつぶされそうになる自分自身を鼓舞し続けながら戦わなければならず、厳しい状況だったことを示唆した

1989年のスタートから隔年開催で今年、18回目を数えるスディルマン杯で、優勝12回、準優勝2回、3位3回と圧倒的な強さを誇る中国。日本は、上位チームの入る「グループ1」に昇格した2009年から今回まで合わせて7度対戦しているが、1度も勝ったことはない

Different mindset to win for YiFan/QingChen ~photo courtesy of Joseph Yeung

実は今回の対戦全体の流れ、6年前のゴールドコースト大会の時に酷似している。2017年、日本と中国は今回と同じく準決勝でぶつかり、第1種目、当時の混合ダブルス日本1番手だった数野健太・栗原文音に替えて起用した渡辺勇大・東野有紗が、それまで一度も勝てていなかったツェン・シウェイ/チェン・チンチェンを破る活躍を見せ、日本が先制する

続く男子シングルス(西本拳太)を落とした後、ここだけ順番が前後するが、男子ダブルス(園田啓悟・嘉村健士※相手に今回と同じリュウ・ユーチェン)敗北、女子シングルス(山口茜)勝利で、2ー2となり最終種目を迎える

勝敗を決する女子ダブルスでは、当時の世界ランク1位髙橋礼華・松友美佐紀に、中国コーチ陣の配慮もありノープレッシャーに近い状況で挑めたチェン・チンチェン/ジア・イーファンがストレート勝ちし、中国チームを決勝に押し上げた

チェン・チンチェン/ジア・イーファンにとって今回は、現世界1位という真逆の立場で期待とプレッシャーを一身に背負いこんで戦わなければならない状況だったが、その重圧に打ち勝ち、6年前に続いてストレート勝ちでチームの決勝進出を決めた

なお、6年前の決勝には今回と同じく中国と韓国が進み、韓国が3-2で勝って優勝している

決勝(21日)の対戦カード

①中国(A組1位)vs. 韓国(D組1位)

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◆準決勝(20日)の結果

中国(A組1位)3―2日本(D組2位)

【混合ダブルス】 フォン・イェンジュ―/ホワン・ドンピン(世界7位)<24-26,21-18,22-24>山下恭平・篠谷菜留(世界19位)

Kyohei and Naru did it again ~photo courtesy of Joseph Yeung

【男子シングルス】 シー・ユーチ(世界10位)<13-21,21-15,21-17>奈良岡功大(世界3位)

Kodai showed his spirit in front of team mates ~photo courtesy of Joseph Yeung

【女子シングルス】 チェン・ユーフェイ(世界4位)<14-21,15-21>山口茜(世界1位)

Akane was relieved after earning one point for team ~photo courtesy of Joseph Yeung

【男子ダブルス】 リュウ・ユーチェン/オウ・シュアンイ(世界5位)<17-21,21-19,22-20>小林優吾・保木卓朗(世界3位)

【女子ダブルス】 チェン・チンチェン/ジア・イーファン(世界1位)<21-11,21-6>福島由紀・廣田彩花(世界7位)

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韓国(D組1位)3―1マレーシア(C組1位)

【混合ダブルス】 ソ・スンジェ/チェ・ユジョン(世界5位)<11-21,21-13,21-7>チェン・タンジエ/トー・イーウェイ(世界22位)

※ソ・スンジェの起用法、今回は混合ダブルスで結果出す

Effective way to use SeungJae ~photo courtesy of BWF /BadmintonPhoto

【男子シングルス】 チョン・ヒョクチン(世界69位)<11-21,9-21>リー・ヅージア(世界8位)

【女子シングルス】 アン・セヨン(世界2位)<21-10,21-13>カルパセバン・レトシャナー(世界71位)

【男子ダブルス】 キム・ウォンホ/ナ・ソンスン(世界803位)<21-12,21-11>アーロン・チア/ソー・ウーイイク(世界2位)

【女子ダブルス】 イ・ソヒ/ペク・ハナ(世界5位)<打ち切り>ティナー・ムラリタラン/パーリー・タン(世界10位)

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