20日に終了したオーストラリアオープン(SUPER300)の結果を踏まえ、2022年のシーズンを締めくくる「ワールドツアーファイナル」の出場資格を自力で得た選手が出揃った。世界バドミントン連盟(BWF)はこの後、該当選手の意思確認のプロセスを経て、29日までに各種目の出場ラインナップを確定させる
「ファイナル」出場資格は、通常の世界ランキングとは異なり、SUPER100~1000のみの獲得ポイントの積み上げで決まる(※この方式は今年まで。来年から変更)ワールドツアーランキングで各種目、同じ国・地域から2人/ペアを上限として上位8番に入った選手のみ得られる。加えて、その年の世界選手権または五輪で優勝した選手が自動的に出場できる
日本選手では、8月の世界選手権・東京大会で女子シングルスを制した山口茜。そのほか、男子シングルスの奈良岡功大、男子ダブルスの小林優吾・保木卓朗、女子ダブルスの志田千陽・松山奈未、混合ダブルスの渡辺勇大・東野有紗と、各種目で1つずつ出場枠内に入った
5種目すべてで出場資格を得た国・地域は、日本以外では中国のみ
この大会は元々、中国・広州がホスト都市に決まっていた。しかし、中国当局による厳しいコロナ感染封じ込め政策が継続していたこともあり、少し早い段階で、昨年に続いてインドネシアが代替地として名乗りを挙げる準備を進めていた。ただ9月初め、ジャパンオープン開催期間中に広州側が開催意思を明言。メーンスポンサーであるHSBCの強い意向もありそのままいくと思われたが、そこから10月にかけて広州での感染者数増加が確認され、11月18~27日に予定されていた「広州国際モーターショー」の開催延期が決まったり、国際線の乗り入れが制限されるなど、再び暗雲が垂れ込める
世界連盟はいったん、中国当局の定めに従い、選手・関係者を開幕1週間前にタイ・バンコクに集め、隔離を伴うPCR検査を実施した上で、チャーター機を手配し揃って広州に入る計画を組んだ。しかし、事前の開催準備が非常に困難であることに変わりはなかったなどしたため、クンニン・パタマ・リーズワトラクン副会長が主導的立場で動き、11月2週目、世界連盟本部のあるマレーシア・クアラルンプールに理事を集めて行った話し合いの席で、開催地をバンコクに変更することを決定。翌週15日に正式発表した。この際、バンコクが無理だった場合の次の候補地にクアラルンプールを据える二段構えの体制で臨んでいたとされ、それぞれの国を代表する理事が本当に時間のない中、政治力を含む持てる力を駆使して、実現に向け国内の関係各所に働きかけを行っていた
2022年ワールドツアーランキングで各種目上位8番までと次点に入った選手(★は同年世界選手権優勝者)
【男子シングルス】
★1) ビクター・アクセルセン (Denmark) 72500 pts
2) チョウ・ティエンチェン (Taiwan) 67190 pts
3) H.S.プラノイ (India) 66730 pts
4) ジョナタン・クリスティ (Indonesia-1) 64960 pts
5) 奈良岡功大 (Japan) 63020 pts
6) ルー・グアンズ (China) 62260 pts
7) アンソニー・シニスカ・ギンティン (Indonesia-2) 62100 pts
8) ロー・キーンユー (Singapore) 60340 pts
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<次点>9) リー・ヅージア (Malaysia) 57680 pts
【女子シングルス】
1) チェン・ユーフェイ (China-1) 87820 pts
2) タイ・ツーイン (Taiwan) 78520 pts
3) ホー・ビンジャオ (China-2) 75260 pts
4) アン・セヨン (Korea) 71490 pts
【棄権】5) プサルラ・ヴェンカタ・シンドゥ (India) 69140 pts
6) ハン・ユエ (China-3) 66360 pts
7) ラッチャノク・インタノン (Thailand-1) 65970 pts
8) ブサナン・ウンバンルンパン (Thailand-2) 61600 pts
9) ワン・ジュ―イ (China-4) 61250 pts
★10) 山口茜 (Japan-1) 58840 pts
11) スパニダ・カテトン (Thailand-3) 53440 pts
12) ポーンパウィー・チョチュウォン (Thailand-4) 49780 pts
13) グレゴリア・マリスカ・トゥンジュン (Indonesia) 47600 pts
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<次点>14) 奥原希望 (Japan-2) 45280 pts
【男子ダブルス】
1) ムハンマド・リアン・アルディアント/ファジャル・アルフィアン (Indonesia-1) 91870 pts
2) ヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン (Indonesia-2) 69300 pts
3) テオ・イーイ/オン・ユーシン (Malaysia-1) 66380 pts
4) リュウ・ユーチェン/オウ・シュエンイ (China) 62430 pts
5) バガス・マウラナ/ムハンマド・ショヒブル・フィクリ (Indonesia-3) 59680 pts
6) アナース・スカールプ・ラスムセン/キム・アストルプ (Denmark) 58220 pts
7) 小林優吾・保木卓朗 (Japan) 57510 pts
8) チェ・ソルギュ/キム・ウォンホ (Korea) 54480 pts
★9) アーロン・チア/ソー・ウーイイク (Malaysai-2) 54040 pts
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10) ヌル・イズディン/ゴー・ジーフェイ (Malaysia-3) 52190 pts
<次点>11) ヤン・ポハン/ルー・チンヤオ (Taiwan) 51040 pts
【女子ダブルス】
1) キム・ヘジョン/チョン・ナウン (Korea) 76800 pts
2) ツェン・ユー/ツァン・シュウシエン (China-1) 76690 pts
3) ヌンタカーン・エイムサアード/ベニャパ・エイムサアード (Thailand-1) 71430 pts
★4) チェン・チンチェン/ジア・イーファン (China-2) 70840 pts
5) 志田千陽・松山奈未 (Japan) 67230 pts
6) ラウィンダ・プラジョンジャイ/ジョンコンパン・キッティハラクン (Thailand-2) 65160 pts
7) ビビアン・フー/リム・チューシエン (Malaysia-1) 57110 pts
8) ティナー・ムラリタラン/パーリー・タン (Malaysia-2) 56290 pts
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<次点>9) アプリヤニ・ラハユ/シティ・ファディア・シルバ・ラマダンティ (Indonesia) 54400 pts
【混合ダブルス】
★1) ツェン・シウェイ/ホワン・ヤチオン (China-1) 88700 pts
2) デチャポン・プアバラヌクロー/サプシリー・テラッタナチャイ (Thailand-1) 68550 pts
3) ワン・イーリュ/ホワン・ドンピン (China-2) 68050 pts
4) ゴー・スーンフアト/シェボン・ジェミー・ライ (Malaysia-1) 63010 pts
5) タン・キアンメン/ライ・ペイジン (Malaysia-2) 57430 pts
6) リノブ・リバルディ/ピサ・ハニングトヤス・メンタリ (Indonesia) 56600 pts
7) トム・ジケル/デルフィーヌ・ドルリュー (France) 56070 pts
8) 渡辺勇大・東野有紗 (Japan) 53390 pts
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<次点>9) スパク・ジョムコー/スピッサラ・ペウサムプラン (Thailand-2) 52830 pts