Akane, Yugo/Takuro stand at summit in Huelva

世界選手権・ウエルバ大会は19日、最終日を迎え、山口茜と小林優吾・保木卓朗が自身初の世界タイトルを獲得して、3カ月間続いた今回の連戦、ひいては2021年のシーズンを締めくくった

初めての世界選手権決勝の舞台で、2年5カ月ぶりに世界ランク1位タイ・ツーインとの一戦に臨んだ山口は、第1、第2ゲームともに前半はもみ合いになるが後半突き放して、終わってみれば快勝。2017年から4度目の挑戦で、この種目では同年優勝の奥原希望に次ぐ日本2人目の世界チャンピオンになった

山口は優勝インタビューで、「とてもうれしい」「(相手が強いので)いつ追い上げられるかなという気持ちで最後までプレーしていたところもあってほっとした」「今年1年がやっと終わったな」という幾つかの気持ちが、勝利直後には混在していたことを明かした

一方で、バブル内での3連戦が組まれたインドネシアバドミントンフェスティバルの会場、バリ島で話してくれた変化の少ない連戦の難しさ、とりわけ体や動きの調子は悪くないが気持ちの部分が上がってこないという点について、場所をスペインに移して行われた今大会ではどうだったのか。BadPaL が直接聞いたところ、「アン・セヨンとやるまでは今年最後だからがんばろう、と自分で何とか盛り上げようという感じだった」と回答。大会前に「自分の心は大事」<https://badpal.net/2021/12/05/not-once-but-twice-3-time-to-reach-final-in-bali/>と指摘していた山口は依然、内なる惑いを抱えていたもよう。ただそこ(準々決勝)を乗り越えた後は、「準決勝は初めての対戦、決勝は久々の対戦で、自然と前向きな気持ちで試合に臨めたと思う」という

Akane ~photo courtesy of BWF/BadmintonPhoto

山口同様、初めて決勝に進みながら敗れたタイ・ツーインは試合後、ゲームの展開が速くうまくコントロールできなかった、と自らのパフォーマンスが勝つには十分でなかったことを認めた。ただし、東京とウエルバでともに銀メダルと、五輪と世界選手権に限ってはこれまで出すことができなかった明確な結果を残してみせた

最後に、ソーシャルネットワーク上で一部広まっている、近く引退するのではとの話の真偽を心配するヨーロッパのメディアに対し、「真実ではない」と笑顔で答えた

TzuYing ~photo courtesy of BWF/BadmintonPhoto

男子ダブルスでは、小林・保木が圧巻の強さを見せ優勝。ワールドツアーファイナルに続き世界選手権でも、これまで誰も成し得なかった日本男子ダブルス史上初の快挙を達成した。過去には、2018年園田啓悟・嘉村健士と19年自らが記録した準優勝が最高成績だった

対戦相手の中国ホー・ジティン/タン・チアンには昨年まで、5戦全敗と一度も勝てていなかった。しかし、意識と覚悟が変わったと話したサポートで入った東京五輪の後、最初の国際大会(個人戦)、デンマークオープンの1回戦でぶつかり初勝利。ここから快進撃が始まった

小林は試合後、世界選手権優勝の感想を聞かれ、「自分たちが一番を取るんだという気持ちで臨み、金メダルが取れたので非常にうれしい」と喜びを語った

保木は、日本男子ダブルス史上初の記録に関し、「試合前から少し意識していた」と認め、実際に勝って達成できうれしいとしながら、「簡単に負けてはいけないといった責任も出てくる。そのプレッシャーにも打ち勝てるような技術を来年の大会までに磨いておきたい」と、早くも次に視線を向けた

また、今シーズンの大会すべてを終えてやりたいことを聞かれ、家族と時間を過ごしたい意向を答えた。2人にワールドツアーファイナル優勝の後、BadPaL が、9月から続く今回の長期遠征中の厳しい点を尋ねると、連戦と移動による心身の疲労とは別に家族と会えないこと、とりわけ、ともにまだ小さい我が子の貴重な成長過程に寄り添えないことを挙げていた

全日本総合選手権出場は回避されるが、複数回の乗り継ぎを含むヨーロッパ~アジア間の長時間・長距離移動、さらに帰国後数日間の指定施設待機を課されるため、もうしばらく辛抱の時間は続く

Takuro / Yugo ~photo courtesy of BWF/BadmintonPhoto

混合ダブルスの渡辺勇大・東野有紗は、インドネシアオープン、ワールドツアーファイナルに次ぎ3大会連続でデチャポン・プアバラヌクロー/サプシリー・テラッタナチャイと優勝を争った。しかし、3カ月続いた遠征で心身ともに疲労蓄積は明白で、好調の世界ランク1位を止めることはかなわず、初優勝は次回以降に持ち越しとなった

それでも、前回2019年の銅メダルから銀メダルへ一歩前進。日本混合ダブルス史上初の記録をここでも塗り替えた

Arisa / Yuta ~photo courtesy of BWF/BadmintonPhoto

一方、世界選手権初優勝を飾ったデチャポン/サプシリーは渡辺・東野に対し、7月東京五輪準々決勝<21-15,16-21,14-21>、10月のデンマークオープン決勝<18-21,9-21>とフレンチオープン準決勝<18-21,20-22>で3連敗した後の3連勝

国際大会での優勝も、◆ハイロオープン(SUPER500※渡辺・東野は出場せず)◆インドネシアマスターズ(SUPER750)◆インドネシアオープン(SUPER1000)◆ワールドツアーファイナル◆世界選手権――と5大会連続に伸ばす圧倒的な成績で、今シーズンを終える形になった

2013年のラッチャノク・インタノンに次いで、全種目を通じタイ選手として2つ目の世界タイトルを獲得したデチャポン/サプシリーは今年、東京五輪と世界選手権を主たるターゲットに据えていたと説明。果たせなかった五輪は過去のことと気持ちを切り替え、今大会にベストを尽くした、と述べた。2人は毎大会、準決勝進出を最低限の目標にしているという

Sapsiree / Dechapol ~photo courtesy of BWF/BadmintonPhoto

男子シングルスでは、シンガポールの24歳ロー・キーンユーが初優勝。出場枠64で争われるこの種目で、ノーシードから世界ランク1位と3位を含む6人を勝ち抜いて頂点に立ち、全種目を通じて初めて、自国に世界タイトルをもたらした

優勝を決めた後には、大会期間中抑えてきた気持ちを解き放ち、満面の笑顔で「ようやくうれしいと言える」と素直に喜びを口にした

一方、敗れたインドの28歳キダンビ・スリカンスも、自身にとって最高成績を収めただけでなく、1983年プラカシュ・パドゥコネと2019年B.サイ・プラニースの銅メダルを上回り、インド男子シングルス陣初の銀メダリストとして、その名を刻んだ

KeanYew ~photo courtesy of BWF/BadmintonPhoto

女子ダブルス決勝は、第1シードのチェン・チンチェン/ジア・イーファンが第2シードの韓国シン・スンチャン/イ・ソヒと対戦。「あれから経験を積み重ねてきたので、初優勝した4年前以上のパフォーマンスを見せたい」と話していた中国ペアが、ストレート勝ちで2度目の優勝を遂げた

同時に、永原和可那・松本麻佑に奪われたタイトルを、3大会ぶりに中国へ取り戻した。この種目で中国がタイトルを逃したのは、1977年から2021年までの全26大会中5回しかない

ともに24歳の中国エースペアは全試合ストレート勝ちで終えた今大会について、結果は銀メダルに終わったが東京五輪のために積み重ねてきた準備の成果と思う、と述べた

QingChen / YiFan ~photo courtesy of BWF/BadmintonPhoto

決勝の結果

【男子シングルス】キダンビ・スリカンス(インド、第12シード)<15-21,20-22>ロー・キーンユー(シンガポール)

【女子シングルス】タイ・ツーイン(台湾、第1シード)<14-21,11-21>山口茜(第2シード)

【男子ダブルス】小林優吾・保木卓朗(第5シード)<21-12,21-18>ホー・ジティン/タン・チアン(中国、第16シード)

【女子ダブルス】チェン・チンチェン/ジア・イーファン(中国、第1シード)<21-16,21-17>シン・スンチャン/イ・ソヒ(韓国、第2シード)

【混合ダブルス】デチャポン・プアバラヌクロー/サプシリー・テラッタナチャイ(タイ、第2シード)<21-13,21-14>渡辺勇大・東野有紗(第3シード)

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各種目のメダリスト

【男子シングルス】

金メダル: ロー・キーンユー(シンガポール※初)

銀メダル: キダンビ・スリカンス(インド、第12シード)

銅メダル: アナース・アントンセン(デンマーク、第3シード※前回銀メダル)、ラクシャ・セン(インド)

Medalists in MS ~photo courtesy of BWF/BadmintonPhoto

【女子シングルス】

金メダル: 山口茜(第2シード※初、前々回銅メダル)

銀メダル: タイ・ツーイン(台湾、第1シード)

銅メダル: ホー・ビンジャオ(中国、第8シード※前々回銅メダル)、ツァン・イーマン(中国)

Medalists in WS ~photo courtesy of BWF/BadmintonPhoto

【男子ダブルス】

金メダル: 小林優吾・保木卓朗(第5シード※初、前回銀メダル)

銀メダル: ホー・ジティン/タン・チアン(中国、第16シード)

銅メダル: アナース・スカールプ・ラスムセン/キム・アストルプ(デンマーク、第7シード)、テオ・イーイ/オン・ユーシン(マレーシア、第10シード)

Medalists in MD ~photo courtesy of BWF/BadmintonPhoto

【女子ダブルス】

金メダル: チェン・チンチェン/ジア・イーファン(中国、第1シード※17年に次ぎ2度目)

銀メダル: シン・スンチャン/イ・ソヒ(韓国、第2シード※14年銅メダル)

銅メダル: キム・ソヨン/コン・ヒヨン(韓国、第3シード)、永原和可那・松本麻佑(第4シード※18年、19年金メダル)

Medalists in WD ~photo courtesy of BWF/BadmintonPhoto

【混合ダブルス】

金メダル: デチャポン・プアバラヌクロー/サプシリー・テラッタナチャイ(タイ、第2シード※初、前回銀メダル)

銀メダル: 渡辺勇大・東野有紗(第3シード※前回銅メダル)

銅メダル: タン・チュンマン/ツェ・インシュ―(香港、第5シード※前々回銅メダル)、 山下恭平・篠谷菜留

Medalists in XD ~photo courtesy of BWF/BadmintonPhoto

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