世界バドミントン連盟(BWF)に続いて、日本バドミントン協会 (NBA) でも近く理事改選が行われる。国際オリンピック委員会(IOC)やスポーツ庁が主導する形で、社会の中では依然、閉鎖性が強いと指摘される競技団体の透明性向上へ、理事の人材多様化や新陳代謝推進などの動きが国内外問わず進む中、 NBAはこの時流にどう適応してくるか
NBAが定款に明文化する「理事」の総数は15~20人(監査2~3人は含まず)。内訳は、代表理事1~4人(会長1人、副会長3人以内)、残りが理事でそのうちの1人が専務理事の任に就く
現在は、代表理事3人と理事17人の計20人(上限人数)で構成されている
スポーツ庁が、2年前に策定した「スポーツ団体ガバナンスコード」でNBAを含む各中央競技団体(NF)に求めている主な変革点は、◆女性理事の目標割合(40%以上)◆外部理事の目標割合(25%以上)◆理事の在任期間原則10年まで(再任回数の上限設定)◆アスリート委員会の設置――など
これに照らすと、NBAの現状は、女性理事が民谷千寿子氏、小国久美氏の2人で、理事全体の10%
外部理事について協会側は、「専門性から判断する外部理事」が40%(8人)に達しガバナンスコードの目標値(25%)をクリアしていると説明している。ただ、 リストから客観的に判断できる範囲では、福田達夫氏(現副会長)、丹藤勇一氏、小柳尚久氏の3人。 例えば、NFではないが、25日に新体制を発表したハンドボールリーグ機構のような誰の目にも明白な「外部」の線引きは示されていない
ちなみにハンドボールリーグは、理事全体の40%を占める外部理事枠4つを、①アスリート②グローバル③ビジネス④ガバナンス、と役割ごとに明確に区分。それぞれ、◆フェンシング協会会長(※元フェンシング選手)◆スポーツマーケティングコンサルティング会社トランスインサイト代表(※元大学アメリカンフットボール選手)◆空間創造ビジネス乃村工藝社執行役員(※東京2020オリンピック・ パラリンピック推進室長)◆公認会計士(※元Jリーグ常務理事・ガバナンス担当)――という専門性とバイタリティを併せ持つ4人を、いずれもハンドボール関係者の「外」から招き入れている
理事在任期間については、先ごろ実施されたBWFの理事改選で開示が義務付けられる候補者プロファイルによれば、銭谷欽治氏はNBA理事在任が14年間に達している。スポーツ庁の指針に沿うなら、今回、後継者への交代を模索することもあり得る(=続投が決まったBWF理事職は変わらず遂行できる)
もうひとつ、 NBA理事改選に向け重視されるべきは、現任者が担当した2年間の評価。議論対象となり得る幾つかの点として挙げられるのは、
1)想定を超えた会員登録者数減への対策
2)緊急連絡網の欠如
3)海外遠征時保険の不備
4)協会に属する個人やチームに対する懲罰含む処分等決定プロセスの透明性・公平性保証(※この点は、スポーツ庁のガバナンスコードにも含まれる)
これらに対する評価作業を踏まえ、 評議員会が今回、どういった選任決議を下すのか。改選の日時は明示されていないが、通常6月に実施される
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◆日本バドミントン協会理事の現行メンバー(20人※名誉会長1人、監事3人は別枠)
<代表理事>(3人)
【会長】関根義雄
【副会長】福田達夫(※政治家)、山田順一郎(愛知県協会・副会長※元BWF理事)
<理事>(17人:専務理事1人含む)
【専務理事】銭谷欽治(大阪府協会・理事長※BWF理事)
【北海道】河崎正紀(北海道協会・理事長)
【東北】原田利雄(秋田県協会・理事長)
【北陸】京田和男(富山県協会・理事長)
【関東】笹林義春(東京都協会・理事長)
【関東】遠井努(栃木県協会・副理事長※BWF公認審判)
【東海】朝倉康善(愛知県協会・理事長)
【東海】民谷千寿子(岐阜県協会・副理事長)
【中国】山䕃栄(島根県協会・理事長)
【四国】岡野佳浩(香川県協会・理事長)
【九州】佐竹養一(福岡県協会・理事長)
【競技組織】小国久美(日本レディース連盟・理事長)
【競技組織】田部井秀郎(全国高校体育連盟バドミントン専門部・部長)
【競技組織】高橋英夫(日本教職員連盟・会長)
【競技組織】帰山好和(日本教職員連盟・理事長)
【その他】丹藤勇一(※元実業団選手)
【その他】小柳尚久(※元大学選手)