Hiroyuki/Yuta makes history, Yuki/Sayaka takes first major title

全英オープン(SUPER1000)決勝、最も伝統ある大会で、日本が唯一取れていなかった男子ダブルスのタイトルを、遠藤大由・渡辺勇大が世界ランク1位を破ってつかんだ。初のメジャータイトル獲得を遂げた福島由紀・廣田彩花とともに、110回目の記念大会にインパクトを残した

Yuta / Hiroyuki became the first ever Japanese duo to win MD title at All England ~photo courtesy of Badminton England (BadmintonPhoto)

ディフェンスが堅く、コート中央部から打ち込んでも返された、と試合後、対戦したマルクス・フェルナルディ・ギデオン/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョが語った通り、遠藤・渡辺はこの日、定評のある粘り強いディフェンスで、第1シードの攻撃をことごとく弾き返した

それに対し相手は、前に落とす球を織り交ぜ崩しにかかる。勝敗を決するファイナルゲーム後半、リードしては追いつかれるを繰り返し、14-9から15-15、さらに18-16から18-19と、最終盤はギリギリのせめぎ合いになるも、渡辺が積極的に前に詰めるなどして、受け一辺倒ではなく圧をかけ続け、最後は相手のロブミスを引き出し21-19で勝ち切った

1899年の創設から一世紀以上の歴史を有する全英オープンで日本勢はこれまで、◆女子シングルス(1969年:湯木博恵)◆女子ダブルス(71年:湯木博恵・高木紀子)◆混合ダブルス(2018年:渡辺勇大・東野有紗)◆男子シングルス(19年:桃田賢斗)――の順で、種目ごとに初優勝を飾ってきた。しかし唯一、男子ダブルスだけはこれまで勝てずにいた

現在33歳の遠藤は、同じ歳の早川賢一と組んだペアで、2013、14、16年と3度決勝に進んだが、いずれも準優勝に終わった。しかし今回、16年の早川引退後から組み始めた若い渡辺とのペアで、14年と16年の決勝で敗れた相手(ヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン、ウラジミール・イワノフ/イワン・ソゾノフ)、さらに世界1位を倒して、ついに栄冠を手にした

22 y/o Yuta is now double champion, XD in 2018 and MD in 2020 ~photo courtesy of Badminton England (BadmintonPhoto)

22歳の渡辺は18年、ひと足先に東野有紗と組む混合ダブルスで優勝し、全英チャンピオンとしてその名を歴史に刻んでいる。さらに翌19年も準優勝となり、全英決勝の舞台を2度経験していたこともプラスに働いた

全英オープンの混合ダブルスと男子ダブルス、2つのタイトルを獲った選手は、日本代表ヘッドコーチのパク・ジュボン(韓国)や、世界バドミントン連盟(BWF)事務局長トーマス・ルンド(デンマーク)など、複数いる。ただ、2000年以降で見ると、キム・ドンムン(韓国)に次いで、渡辺は2人目

女子ダブルスの福島・廣田はこれまで、◆2017年:世界選手権(スコットランド・グラスゴー)◆17年:スーパーシリーズファイナル(ドバイ※現在のワールドツアーファイナルに相当)◆18年:全英オープン◆18年:世界選手権(中国・南京)◆19年:世界選手権(スイス・バーゼル)――と、トップ選手が特に重視する傾向にある主要大会で複数回、決勝まで進みながら、一度も勝てずにいた

Finally, Sayaka and Yuki caught the big one ~photo courtesy of Badminton England (BadmintonPhoto)

しかし今年の全英オープンでは準々決勝以降、実力拮抗の韓国、日本、中国のシードペアにいずれもストレート勝ちする強さを見せ、2人にとって最初のメジャータイトルをしっかりつかみ取った

福島・廣田は今シーズン開幕直後の2大会、1月のマレーシアマスターズとインドネシアマスターズ(ともにSUPER500)で、いずれも2回戦負け。いいパフォーマンスを出せずにいた

しかし2月に出場したアジア団体戦、前回2018年の覇者として5月の女子国地域別対抗戦ウーバー杯の出場資格を自動的に得ていることから、その予選を兼ねるこの大会に臨むモチベーションを維持する難しさを認めつつ、試合をできることの重要性を指摘。準々決勝の対インドネシア戦で、同じく世界ランク1ケタのグレイシア・ポリー/アプリヤニ・ラハユと互いに高いレベルの攻防を展開。決勝の韓国戦ではシン・スンチャン/イ・ソヒに快勝するなど、シーズン最初の目標に据える3月の全英オープンに向け、調子を上げてきていた

Sayaka/ Yuki is the 6th Japanese Women’s pair to win All England title ~photo courtesy of Badminton England (BadmintonPhoto)

女子ダブルスではこのところ、◆2011年:藤井瑞希・垣岩令佳◆16年:高橋礼華・松友美佐紀◆18年:福島・廣田◆19年:永原和可那・松本麻佑◆20年:福島・廣田――と、日本ペアが最終日、バーミンガムのセンターコートに立つ機会が増えている。ただ優勝は、16年以来4年ぶり

福島・廣田はこの種目、①湯木博恵・高木紀子(1971年)②栂野尾(竹中)悦子・相沢マチ子(72、73、75年)③栂野尾・植野恵美子(77年)④徳田敦子・高田幹子(78年)高橋・松友(2016年)――に次ぐ、史上6番目の優勝ペアとなった

男子シングルスでも、ビクター・アクセルセンがチョウ・ティエンチェン(台湾)を破り、桃田賢斗に敗れた昨年に次ぐ2度目の挑戦(決勝)で、初めて全英制覇を遂げた。デンマーク勢がこの種目を制するのは、1999年のピーター・ゲード以来

女子シングルスは、4年連続で決勝に進んだタイ・ツーイン(台湾)が、昨年決勝で敗れたチェン・ユーフェイ(中国)にストレート勝ち。2017、18年に続く、通算3度目のタイトル獲得を成し遂げた。19年12月のワールドツアーファイナル決勝、20年1月のマレーシアマスターズ決勝と続いていた直近の連敗も止めた

なお、中国勢は女子ダブルスに次いで女子シングルスも敗れたことで、全英オープンでは1995年以来、四半世紀ぶりにタイトルなしに終わった

混合ダブルスは。上位陣に波乱が続いた今大会、トップ4で唯一、最終日まで残った世界3位デチャポン・プアバラヌクロー/サプシリー・テラッタナチャイ(タイ)に競り勝ったプラビーン・ジョーダン/メラティ・ダエバ・オクタビアンティ(インドネシア)が頂点に

ジョーダンは、既に引退したデビー・スサントとのペアで勝った2016年に次ぐ2度目の全英タイトルを、インドネシアにもたらした

 

決勝の結果

【男子シングルス】チョウ・ティエンチェン(台湾、第1シード)<13-21,14-21>ビクター・アクセルセン(デンマーク、第2シード)

【女子シングルス】チェン・ユーフェイ(中国、第1シード)<19-21,15-21>タイ・ツーイン(台湾、第2シード)

【男子ダブルス】マルクス・フェルナルディ・ギデオン/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョ(インドネシア、第1シード)<18-21,21-12,19-21>遠藤大由・渡辺勇大(第6シード)

【女子ダブルス】福島由紀・廣田彩花(第3シード)<21-13,21-15>リ・インフェイ/ドゥ・ユエ(中国、第6シード)

【混合ダブルス】デチャポン・プアバラヌクロー/サプシリー・テラッタナチャイ(タイ、第3シード)<15-21,21-17,8-21>プラビーン・ジョーダン/メラティ・ダエバ・オクタビアンティ(インドネシア、第5シード)

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