中国オープン(SUPER1000)準々決勝、高橋沙也加が、前回の五輪レース中のケガから復帰した2016年以降、なかなか果たせなかった「トップ10斬り」に成功し、準決勝進出を決めた

2年前のタイオープン以来となる第6シード、ラッチャノク・インタノン(タイ)との試合、第1ゲームをラッチャノク、第2ゲームを高橋が互いに取り合う。ただ、ファイナルゲームに入ると、地力に勝るラッチャノクが一気に抜けだし、中盤で8点差(12-4)をつけ、勝敗は決したかにみえた
しかしここから高橋が連続得点で差を詰め、13-13で追いつくと、その後は主導権を掌握し、20-18とマッチポイントをつかむ。ここは集中力を発揮したラッチャノクに凌がれ、20-20と並び返されるが、相手のショットのミスを見極めた高橋が次の2点を連続で奪い、逆転勝利を収めた
現在、世界ランク16位。山口茜、奥原希望に次ぐ日本3番手につける高橋だが、リオデジャネイロ五輪レースを戦っていた2015年10月、デンマークオープンでヒザを故障し戦線離脱を余儀なくされる。リオ五輪直後のジャパンオープンで復帰を果たすが、以降、世界のトップ10に入る上位陣を倒すのが困難になり、決して悪くはないが、世界15位近辺で立ち位置がこう着している
そんな中、光明が差したのは7月のタイオープン(SUPER500)。2回戦でシードのサイナ・ネワル(インド)から初白星を挙げ、明るい表情を見せていた
8月の世界選手権では2回戦で世界ランク上位のハン・ユエ(中国)に敗れたが、今回、山口と奥原が早々に姿を消す中、「SUPER1000」ベスト16の壁を初めて突破し、準々決勝では世界6位のラッチャノクを5年5カ月ぶりに倒してみせた
準決勝では、同じくヒザのケガから今月復帰したばかりながら、快進撃を見せているカロリナ・マリン(スペイン)と、昨年のこの大会以来1年ぶりに対戦する
一方、女子シングルス準決勝残り2枠には、今大会躍進したタイの2、3番手に勝利した、第3シードのチェン・ユーフェイ(中国)と第2シードのタイ・ツーイン(台湾)が入った
男子シングルスでは、第1シードの桃田賢斗が盤石の強さを見せ、常山幹太の挑戦をあっさり退けた。準々決勝残り3試合は、シード選手3人のうち、チェン・ロン(中国)とアンソニー・シニスカ・ギンティン(インドネシア)が勝ち上がったが、チョウ・ティエンチェン(台湾)は、この種目唯一のヨーロッパ勢勝ち残り、アナース・アントンセン(デンマーク)にストレートで敗れた

日本のシード2ペアが臨んだ女子ダブルス準々決勝は、福島由紀・廣田彩花が過去3勝0敗の韓国1番手シン・スンチャン/イ・ソヒ、高橋礼華・松友美佐紀が過去9勝2敗のインドネシア1番手グレイシア・ポリー/アプリヤニ・ラハユにそろって勝利。準決勝で、今シーズン3度目の直接対決となることが確定した
このうち高橋・松友は、第1ゲームを21-19で競り勝った後、第2ゲームは12-18の劣勢を挽回し19-19で追いつく。しかし、勝ち切れずにファイナルゲームへ突入。精神的な影響も懸念されたが、最後は14-14から抜けだし、しっかり勝利をつかみとった
中国と韓国の同国対決となった準々決勝残り2試合は、中国からエースペアのチェン・チンチェン/ジア・イーファン。一方、韓国からは、世界ランク上位のキム・ソヨン/コン・ヒヨンではなく、世界チャンピオン永原和可那・松本麻佑を2回戦敗退に追いやったチャン・イエナ/キム・ヘリンが勝ち上がった
男子ダブルスの園田啓悟・嘉村健士と遠藤大由・渡辺勇大は、それぞれインドネシアの3番手、2番手にストレート負け。ベスト4に残れなかった。準決勝は、中国のリュウ・ユーチェン/リ・ジュンフェイがインドネシアの包囲網突破に挑む構図となる
混合ダブルスでも同じく日本2ペア(渡辺勇大・東野有紗、金子祐樹・松友美佐紀)が準決勝進出を目指したが、果たせず姿を消した。インドネシア勢として唯一残っていたタントウィ・アーマド/ウィニー・オクタビナ・カンドウも、ここで止められた
準決勝は、韓国のソ・スンジェ/チェ・ユジョンとタイのデチャポン・プアバラヌクロー/サプシリー・テラッタナチャイが、中国ペアによる表彰台独占を防げるかが注目点となる
準々決勝の結果
【男子シングルス】
桃田賢斗(第1シード)<21-11,21-8>常山幹太
チェン・ロン(中国、第6シード)<21-13,21-13>(香港)ウン・カロン
アンソニー・シニスカ・ギンティン(インドネシア、第7シード)<16-21,21-6,21-16>(インド)バーミディパティ・サイ・プラニース
(台湾、第2シード)<17-21,11-21>アナース・アントンセン(デンマーク、第8シード)チョウ・ティエンチェン
【女子シングルス】
(タイ、第6シード)<21-14,14-21,20-22>高橋沙也加ラッチャノク・インタノン
(中国、第7シード)<21-11,14-21,15-21>カロリナ・マリン(スペイン)ホー・ビンジャオ
チェン・ユーフェイ(中国、第3シード)<22-20,21-13>(タイ)ポーンパウィー・チョチュウォン
タイ・ツーイン(台湾、第2シード)<21-17,21-10>(タイ)ブサナン・ウンバンルンパン
【男子ダブルス】
マルクス・フェルナルディ・ギデオン/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョ(インドネシア、第1シード)<21-15,21-17>(マレーシア)ゴー・ウェイシェム/タン・ウィーキョン
(第4シード)<21-23,20-22>ムハンマド・リアン・アルディアント/ファジャル・アルフィアン(インドネシア、第7シード)園田啓悟・嘉村健士
リュウ・ユーチェン/リ・ジュンフェイ(中国、第3シード)<16-21,22-20,22-20>(マレーシア)テオ・イーイ/オン・ユーシン
ヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン(インドネシア、第2シード)<21-15,21-12>(第5シード)遠藤大由・渡辺勇大
【女子ダブルス】
(韓国)<14-21,21-7,22-24>チャン・イエナ/キム・ヘリン(韓国)キム・ソヨン/コン・ヒヨン
チェン・チンチェン/ジア・イーファン(中国、第4シード)<21-19,21-11>(中国、第7シード)リ・インフェイ/ドゥ・ユエ
福島由紀・廣田彩花(第3シード)<21-12,21-16>(韓国、第6シード)シン・スンチャン/イ・ソヒ
高橋礼華・松友美佐紀(第2シード)<21-19,19-21,21-16>(インドネシア、第5シード)グレイシア・ポリー/アプリヤニ・ラハユ
【混合ダブルス】
ツェン・シウェイ/ホワン・ヤチオン(中国、第1シード)<21-15,21-15>金子祐樹・松友美佐紀
(第3シード)<17-21,13-21>ソ・スンジェ/チェ・ユジョン(韓国、第7シード)渡辺勇大・東野有紗
デチャポン・プアバラヌクロー/サプシリー・テラッタナチャイ(タイ、第4シード)<21-17,21-16>(マレーシア)ゴー・スーンフアト/シェボン・ジェミー・ライ
ワン・イーリュ/ホワン・ドンピン(中国、第2シード)<24-22,21-17>(インドネシア)タントウィ・アーマド/ウィニー・オクタビナ・カンドウ
------------------------------------
準決勝の対戦カード
【男子シングルス】
桃田賢斗(第1シード)対チェン・ロン(中国、第6シード)
アンソニー・シニスカ・ギンティン(インドネシア、第7シード)対アナース・アントンセン(デンマーク、第8シード)
【女子シングルス】
高橋沙也加対カロリナ・マリン(スペイン)
タイ・ツーイン(台湾、第2シード)対チェン・ユーフェイ(中国、第3シード)
【男子ダブルス】
マルクス・フェルナルディ・ギデオン/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョ(インドネシア、第1シード)対ムハンマド・リアン・アルディアント/ファジャル・アルフィアン(インドネシア、第7シード)
ヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン(インドネシア、第2シード)対リュウ・ユーチェン/リ・ジュンフェイ(中国、第3シード)
【女子ダブルス】
チェン・チンチェン/ジア・イーファン(中国、第4シード)対チャン・イエナ/キム・ヘリン(韓国)
高橋礼華・松友美佐紀(第2シード)対福島由紀・廣田彩花(第3シード)
【混合ダブルス】
ツェン・シウェイ/ホワン・ヤチオン(中国、第1シード)対ソ・スンジェ/チェ・ユジョン(韓国、第7シード)
ワン・イーリュ/ホワン・ドンピン(中国、第2シード)対デチャポン・プアバラヌクロー/サプシリー・テラッタナチャイ(タイ、第4シード)