中国オープン(SUPER1000)2回戦、男女シングルスの3番手、常山幹太と高橋沙也加がノーシードからベスト8に食い込んだ。一方、女子ダブルス世界チャンピオンの永原和可那・松本麻佑は届かず、姿を消した
男子シングルスの常山は、昨年の世界選手権でメダル獲得を阻まれたベテラン、ダレン・リュー(マレーシア)に対し第1ゲーム、序盤から圧倒し一度も主導権を譲らず21-12で取る

第2ゲームも出だしから優位に試合を進め、中盤6点差(13-7)をつけリードする。しかしここから追い上げられ逆転(16-18)を許す。それでも、そのまま押し切られるのではなく、もう一度きり返して、21-19で勝利した
ファイナルゲーム20-22で惜敗した2018年8月世界選手権準々決勝の借りは、同年10月のデンマークオープンで返していたが、その時もファイナルゲームまでもつれ22-20と僅差の勝利。今回、初めてストレート勝ちを収めたことで、また一歩、前進した。さらに、ここでの1勝は、先に敗れた2番手西本拳太との差を詰めていくのに大事な意味を持つ
準々決勝では、初日のリン・ダン(中国、35)戦に続いて、この日もトミー・スギアルト(インドネシア、31)相手に危なげない勝利を収めた、日本のみならず世界の1番手である桃田賢斗と対戦する
日本1、2番手が初戦で消え、3、4番手のみ2回戦に挑んだ女子シングルでは、高橋沙が、1回戦で山口茜を破り上がってきたエフゲニヤ・コセツカヤ(ロシア)をストレートで降し、ベスト8の1枠に割り入った。高橋はこれまで、年3大会しかない上位大会「SUPER1000」(賞金総額100万ドル以上)で、◆2018年中国オープン:ベスト16◆19年全英オープン:ベスト16◆19年インドネシアオープン:ベスト16――とすべて2回戦負けに終わっていたため、今回、1つ壁を越えた
これに対し大堀彩は、第2シードのタイ・ツーイン(台湾)相手に、第1ゲーム19-20まで詰めたものの届かず、ストレート負け。ここで姿を消した
女子シングルスではこの日、世界チャンピオンのプサルラ・ヴェンカタ・シンドゥ(インド)が敗退した。止めたのは、タイ2番手のポーンパウィー・チョチュウォン。ファイナルゲーム15-19から6連続得点を決めての逆転劇<12-21,21-13,21-19>だった。タイ勢はこれに、1番手ラッチャノク・インタノンと3番手ブサナン・ウンバンルンパンを加えた3人がベスト8に残った
一方、韓国期待の17歳アン・セヨンが中国の21歳エース、チェン・ユーフェイに挑んだ試合は。アンが第1ゲームを18-20から逆転し22-20で取って先行するが、続く2ゲームを落として敗れ<22-20,17-21,15-21>、番狂わせは起きなかった
女子ダブルスでは、第1~3シードに入る日本の3ペアがそろってベスト8入りを狙った。しかし、世界選手権2連覇を遂げた次の大会で、永原和可那・松本麻佑が、29歳チャン・イエナと24歳キム・ヘリンが組む戦略的な韓国ペアにストレート負けし、脱落。勝ち残りは、第2シード高橋礼華・松友美佐紀と第3シード福島由紀・廣田彩花の2ペアとなった

男子ダブルスは、1、2番手の園田啓悟・嘉村健士と遠藤大由・渡辺勇大が、ともにストレート勝ちで2回戦を突破。4番手の金子祐樹・井上拓斗は、世界チャンピオンのヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン(インドネシア)に敗れ、準々決勝には進めなかった
この種目では、8月の世界選手権で波乱が起きた、世界ランク1位のマルクス・フェルナルディ・ギデオン/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョ(インドネシア)と勢いのある韓国ペア、チェ・ソルギュ/ソ・スンジェの再戦が行われた。試合は前回同様、ファイナルゲーム21-21までもつれるが、最後は23-21で世界1位が雪辱を果たした。ギデオン/スカムルジョは試合後、ファイナルゲームのスコアが敗れた世界選手権の時と逆になったことに、今回は自分たちの方がラッキーだったとし、この韓国ペアの強さを率直に認めた
混合ダブルスは、第3シードの渡辺勇大・東野有紗が、途中棄権を含め2連敗中だった中国3番手、ホー・ジティン/ドゥ・ユエを序盤から圧倒し、付け入るすきを与えずストレート勝ち。インドペア、サトウィクサイラジ・ランキレディ/アシュウィニ・ポンナッパに競り勝った金子祐樹・松友美佐紀とともに、準々決勝に駒を進めた
日本ペア以外では、世界ランク上位のプラビーン・ジョーダン/メラティ・ダエバ・オクタビアンティ(世界7位)、ハフィズ・ファイザル/グロリア・エマヌエル・ウィジャジャ(世界10位)がともに初戦敗退。インドネシアの期待を担う形になったタントウィ・アーマド/ウィニー・オクタビナ・カンドウ(世界18位)が、第5シードのチャン・ペンスーン/ゴー・リュウイン(マレーシア)を破り、さらに上へ進んだ
日本選手2回戦の結果
【男子シングルス】
桃田賢斗(第1シード)<21-10,21-11>(インドネシア)トミー・スギアルト
常山幹太<21-12,21-19>(マレーシア※リザーブ繰り上がり)ダレン・リュー
【女子シングルス】
高橋沙也加<21-17,21-15>(ロシア)エフゲニヤ・コセツカヤ
タイ・ツーイン(台湾、第2シード)<21-19,21-14>大堀彩
【男子ダブルス】
園田啓悟・嘉村健士(第4シード)<21-19,21-8>(インド)シラグ・シェッティ/サトウィクサイラジ・ランキレディ
遠藤大由・渡辺勇大(第5シード)<21-11,21-11>(台湾)リー・ヤン/ワン・チリン
ヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン(インドネシア、第2シード)<18-21,21-17,21-16>金子祐樹・井上拓斗
【女子ダブルス】
(第1シード)<21-23,17-21>チャン・イエナ/キム・ヘリン(韓国)永原和可那・松本麻佑
高橋礼華・松友美佐紀(第2シード)<21-12,21-17>(インド)アシュウィニ・ポンナッパ/ネラクリヒ・シキ・レディ
福島由紀・廣田彩花(第3シード)<21-7,21-8>(オランダ)セリーナ・ピーク/シェリル・セイネン
【混合ダブルス】
渡辺勇大・東野有紗(第3シード)<21-12,21-10>(中国)ホー・ジティン/ドゥ・ユエ
金子祐樹・松友美佐紀<21-11,16-21,21-12>(インド)サトウィクサイラジ・ランキレディ/アシュウィニ・ポンナッパ
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準々決勝の対戦カード
【男子シングルス】
桃田賢斗(第1シード)対常山幹太
チェン・ロン(中国、第6シード)対ウン・カロン(香港)
アンソニー・シニスカ・ギンティン(インドネシア、第7シード)対バーミディパティ・サイ・プラニース(インド)
チョウ・ティエンチェン(台湾、第2シード)対アナース・アントンセン(デンマーク、第8シード)
【女子シングルス】
ラッチャノク・インタノン(タイ、第6シード)対高橋沙也加
ホー・ビンジャオ(中国、第7シード)対カロリナ・マリン(スペイン)
チェン・ユーフェイ(中国、第3シード)対ポーンパウィー・チョチュウォン(タイ)
タイ・ツーイン(台湾、第2シード)対ブサナン・ウンバンルンパン(タイ)
【男子ダブルス】
マルクス・フェルナルディ・ギデオン/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョ(インドネシア、第1シード)対ゴー・ウェイシェム/タン・ウィーキョン(マレーシア)
園田啓悟・嘉村健士(第4シード)対ムハンマド・リアン・アルディアント/ファジャル・アルフィアン(インドネシア、第7シード)
リュウ・ユーチェン/リ・ジュンフェイ(中国、第3シード)対テオ・イーイ/オン・ユーシン(マレーシア)
ヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン(インドネシア、第2シード)対遠藤大由・渡辺勇大(第5シード)
【女子ダブルス】
キム・ソヨン/コン・ヒヨン(韓国)対チャン・イエナ/キム・ヘリン(韓国)
チェン・チンチェン/ジア・イーファン(中国、第4シード)対リ・インフェイ/ドゥ・ユエ(中国、第7シード)
福島由紀・廣田彩花(第3シード)対シン・スンチャン/イ・ソヒ(韓国、第6シード)
高橋礼華・松友美佐紀(第2シード)対グレイシア・ポリー/アプリヤニ・ラハユ(インドネシア、第5シード)
【混合ダブルス】
ツェン・シウェイ/ホワン・ヤチオン(中国、第1シード)対金子祐樹・松友美佐紀
渡辺勇大・東野有紗(第3シード)対ソ・スンジェ/チェ・ユジョン(韓国、第7シード)
デチャポン・プアバラヌクロー/サプシリー・テラッタナチャイ(タイ、第4シード)対ゴー・スーンフアト/シェボン・ジェミー・ライ(マレーシア)
ワン・イーリュ/ホワン・ドンピン(中国、第2シード)対タントウィ・アーマド/ウィニー・オクタビナ・カンドウ(インドネシア)