Japanese shuttlers surprise and surprised in 2nd round

マレーシアオープン(SUPER750)2回戦、永原和可那・松本麻佑組らがシードを倒す番狂わせを演じる一方、世界ランク1ケタの福島由紀・廣田彩花組らが、下位の相手に不覚を取るなど、荒れた展開となった

男子シングルスは、日本から唯一初戦を突破した桃田賢斗が、この日も安定感のあるプレーで、第2シードのソン・ワンホ(韓国)を第1ゲーム、圧倒する。第2ゲームに入り最初の1点を奪ったところで、相手がふくらはぎの痛みを訴え棄権。難なく準々決勝に進んだ

桃田選手は試合後、BadPaL の取材に応じ、会場内を舞う風の感覚に慣れるのに少しとまどっていることを認めながらも、「調子は悪くはない」と語った

今大会の目標としては、「もちろん優勝したいが、それよりもまず悔いの残らない試合をしたい」と強調した。試合中に良く足を動かすといったコート内のことだけではなく、直前のウォーミングアップや食事、試合までの時間の過ごし方を含めて気を配っていると説明した

女子シングルス2回戦には、山口茜奥原希望が臨んだが、勝ったのは、昨年のこの大会から5月の女子国・地域別対抗戦ユーバー杯まで、5連勝中のサイナ・ネワル(インド)を抑え込んだ山口のみ

山口選手に今大会ここまでの調子を尋ねると、「良くもなく悪くもなく」と回答。オープニングゲームを落とした1回戦は、気持ちの面で試合に入り切れていなかった、と述べた

直近では、何をモチベーションに国際大会に臨んでいるか聞くと、「今は世界ランクも気にしていないし、正直これといったものがない」と認め、「考え中」と率直に答えた。ただ、「そんな中でも、ある程度のもの(結果)は残していきたい」と述べた

奥原は、初戦で第5シード、中国の若きエース、チェン・ユーフェイを破った良い流れそのままに、タイの20歳ポーンパウィー・チョチュウォンから第1ゲームを難なく取る。ところが第2ゲーム後半、相手がシャトルによくくらいついてきたこともあり、11-9から連続得点を決められ突き放されて、このゲームを落とす。気持ちを切り替えて入ったファイナルゲーム、前半は11-9で折り返すが、13-13で並ばれ、その後は相手の術中にすっぽりはまりこんでしまったかのように何もできなくなり、最後は8連続得点を決められ敗戦となった

奥原選手は試合直後、BadPaL の取材に応じ、悔し涙を浮かべながら、「風が変わり、分からなくなった」と敗因に触れる一方で、「相手のパフォーマンスが良かった」と率直に認めた。その上で、「(試合)感覚はいい」「この試合で久々に得た悔しいと思う気持ちは大事」と指摘し、次週のインドネシアオープンに気持ちを切り替えて臨む覚悟を示した

勝ったチョチュウォン選手は BadPaL に対し、「相手は世界チャンピオン。この勝利は自分にとってすごく大きい意味を持つ。うれしい、自信になる」と笑顔で答えた

3ペアが勝ち上がった男子ダブルスでは、まず、今大会第6シードに入った園田啓悟・嘉村健士組が、厳しい戦いとなることも予想された元世界チャンピオン、ヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン組にストレート勝ちした

嘉村選手は試合後、実績あるベテランのインドネシアペアに勝利できたということより、「やってきたことがやれている」ことに手応えを感じている、と話した。「これまでは、自分の中で勝ちを意識しすぎていた。今はできること、次につながる試合を意識している」という。園田選手に、今大会を含むアジア3連戦から始まるシーズン後半に向けた意気込みを聞くと、「前半は苦しんだが、後半挽回できる」と自信を示した

第7シードの金子祐樹・井上拓斗組も、実績あるベテラン2人、韓国のユ・ヨンソンとマレーシアのタン・ブンヒョンが組む国際ペアと対戦。オープニングゲームを15-21で先取され、巻き返しを図った第2ゲームは17-12とリードするが、追いつかれ、その後の競り合いから抜け出されて、21-23で敗れた

3つ目のペア、遠藤大由・渡辺勇大組の相手は、世界ランクは同位ながら、初戦で第2シード、デンマークのマシアス・ボー/カール・ステンモゲンセン組を破り勢いに乗る開催国マレーシアのテオ・イーイ/オン・ユーシン組。第1ゲームはいい流れで取るが、第2ゲーム中盤の連続失点で逆転され、ファイナルゲームに突入する。地元観客の声援も大きくなり嫌な流れになるかと危惧されたが、ここは遠藤・渡辺組がしっかり持ち直して、勝利を収めた

遠藤選手は試合後、「追い上げられても、これまでのように崩れなかったこと」をこの試合の評価点として挙げた。また、「矛盾があり(パートナーを)迷わせている部分もあると思う」と認めながらも、声掛けをしながら、トライアンドエラーでペアとしての形を探っているところと説明。「その形も見えつつある」とした。これに呼応する形で渡辺選手は、「全て理解していないと思うが、言ってもらった方が気づきがある」とし、試行錯誤の過程に前向きな姿勢をみせた

女子ダブルスはこの日、4ペアがコートに立ち、そのうち2ペアが勝ってベスト8に残った。高橋礼華・松友美佐紀組は1回戦に続いてマレーシアのペアと対戦。「似たようなタイプだった」(松友)こともアドバンテージとなり、危なげなく快勝した

2人にこの大会から3週続くアジア3連戦で目標とするところを聞くと、「世界のペアと数多く試合をやりたい、というのが正直な所」と簡潔に答えた

もうひとつの勝ち上がりペア、永原・松本組は第3シード、デンマークのカミラ・リタ・ユール/クリスティナ・ペダーセン組をストレートで打ち破った

ただ内容的には初めて経験する難しさもあったようで、初対戦した全英オープンで「びっくりして引いてしまった」という速い球による相手の攻撃を想定していたが、今回は数えるほどしかなく、ゆったりした展開への対応に戸惑った部分があった、と試合後に明かした

準々決勝では、日本の2ペアがベスト4入りをかけて直接対戦する

一方、この大会に入る前、初めて世界ランク1位の座に着いた福島由紀・廣田彩花組は、過去2戦負けなしのホワン・ドンピン/リ・ウェンメイ(中国)に敗れた

第2シードに入り1回戦不戦勝でこの日が最初の試合になったことが影響したか、「風への対応が相手よりも遅れた」というように、若い中国ペアに攻め込まれ、らしくないミスも続いて、ストレート負けに終わった

試合を終えた直後の2人に BadPaL が、「世界1位」、「ディフェンディングチャンピオン」といったことがプレッシャーになった部分はあるか、聞くと、「自分たちは一戦一戦、一大会一大会を大事に戦っていて、変わらない」(福島)と強調し、影響を否定した。その上で、「マレーシアは負けてしまったが、次へと続くので切り替えていきたい」(廣田)と述べ、視線を前へ向けた

福島・廣田組と同じく、この日が初戦となった第4シードの米元小春・田中志穂組も、ノーシードのコン・ヒヨン/キム・ヘリン組(韓国)に苦戦。1ゲームずつ取り合い迎えたファイナルゲーム、前半を11-5で折り返し、中盤16-12までリードを保つが、ここから4連続得点を決められ並ばれると、その後は一進一退の攻防に。20-19と先にマッチポイントをつかんだが、微妙な判定に泣かされる場面もあり、最後は21-23。悔しい敗戦となった

混合ダブルスにも日本ペアは勝ち残った。2回戦に進んだ2ペアのうち、渡辺勇大・東野有紗組が、世界17位のインドネシアペア、ハフィズ・ファイザル/グロリア・エマヌエル・ウィジャジャ組をストレートで抑え込んだ

渡辺・東野組は試合後、「第1ゲームはよかったが、第2ゲームの後半焦ってしまいプレーが小さくなった」(東野)と試合を振り返った。それでも終盤、コートマット整備のためにとられた小休止を利用して、気持ちを切り替えることができた、と勝因を語った

2人にとって、混合ダブルスでの国際試合の間隔が、4月のアジア選手権から空いてしまったことの影響を聞くと、「問題ない。優勝した全英オープン時の調子を維持できている」(渡辺)と言い切った

全英覇者として大会に臨むことでプレッシャーを感じる部分はあるか、の問いには、「まったく重荷とは思っていない」と2人口をそろえた上で、「自分たちはこれからが勝負。次をまた獲ろうという気持ちでいる」(東野)と明確に答えた

この種目、初戦を突破していたもうひとペア、小林優吾・松友美佐紀組は、第2シードのワン・イーリュ/ホワン・ドンピン組(中国)にストレートで敗れ、敗退した

日本選手以外ではこの日、男子シングルスのディフェンディングチャンピオン、リン・ダンが、同じ中国のシー・ユーチに敗れ、早々に姿を消した

一方、昨年、決勝でリン・ダンに敗れて準優勝に終わった開催国マレーシアのリー・チョンウェイは、韓国のベテラン、イ・ヒョンイルを21-7,21-7と、文字通り一蹴してみせた

地元マレーシア勢はほかに、男子ダブルスのゴー・ウェイシェム/タン・ウィーキョン組、女子シングルスのゴー・ジンウェイが観客の期待に応えて、それぞれツァン・ナン/リュウチェン組(中国、第3シード)、ソン・ジヒョン(韓国、第7シード)と、世界ランク1ケタのシード選手を倒し、ベスト8に入った

日本選手2回戦(28日)の結果

【男子シングルス】

ソン・ワンホ(韓国、第2シード)<11-21,0-1棄権>桃田賢斗

【女子シングルス】

山口茜(第2シード)<21-15,21-13>サイナ・ネワル(インド)

奥原希望<21-13,13-21,14-21>ポーンパウィー・チョチュウォン(タイ)

【男子ダブルス】

園田啓悟・嘉村健士(第6シード)<21-14,21-16>ヘンドラ・セティワン/モハンマド・アーサン(インドネシア)

金子祐樹・井上拓斗(第7シード)<15-21,21-23>ユ・ヨンソン/タン・ブンヒョン(韓国/マレーシア※リザーブ繰り上がり)

遠藤大由・渡辺勇大<21-15,17-21,21-16>テオ・イーイ/オン・ユーシン(マレーシア)

【女子ダブルス】

福島由紀・廣田彩花(第2シード)<16-21,14-21>ホワン・ドンピン/リ・ウェンメイ(中国)

米元小春・田中志穂(第4シード)<19-21,21-18,21-23>コン・ヒヨン/キム・ヘリン(韓国)

高橋礼華・松友美佐紀(第5シード)<21-14,21-9>ビビアン・フー/スーン・フィエチョ(マレーシア)

カミラ・リタ・ユール/クリスティナ・ペダーセン(デンマーク、第3シード)<16-21,15-21>永原和可那・松本麻佑

【混合ダブルス】

ハフィズ・ファイザル/グロリア・エマヌエル・ウィジャジャ(インドネシア)<15-21,19-21>渡辺勇大・東野有紗

ワン・イーリュ/ホワン・ドンピン(中国、第2シード)<21-10,21-14>小林優吾・松友美佐紀

準々決勝(29日)の対戦カード

【男子シングルス】

ビクター・アクセルセン(デンマーク、第1シード)対リー・チョンウェイ(マレーシア、第7シード)

シー・ユーチ(中国、第3シード)対トミー・スギアルト(インドネシア)

キダンビ・スリカンス(インド、第4シード)対ブリス・レベルデス(フランス)

チョウ・ティエンチェン(台湾、第6シード)対桃田賢斗

【女子シングルス】

タイ・ツーイン(台湾、第1シード)対ゴー・ジンウェイ(マレーシア)

プサルラ・ヴェンカタ・シンドゥ(インド、第3シード)対カロリナ・マリン(スペイン、第6シード)

ラッチャノク・インタノン(タイ、第4シード)対ポーンパウィー・チョチュウォン(タイ)

山口茜(第2シード)対ホー・ビンジャオ(中国、第8シード)

【男子ダブルス】

マルクス・フェルナルディ・ギデオン/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョ(インドネシア、第1シード)対ホー・ジティン/タン・チアン(中国)

園田啓悟・嘉村健士(第6シード)対ゴー・ウェイシェム/タン・ウィーキョン(マレーシア)

リュウ・ユーチェン/リ・ジュンフェイ(中国、第4シード)対ユ・ヨンソン/タン・ブンヒョン(韓国/マレーシア※リザーブ繰り上がり)

アナース・スカールプ・ラスムセン/キム・アストルプ・ソレンセン(デンマーク)対遠藤大由・渡辺勇大

【女子ダブルス】

チェン・チンチェン/ジア・イーファン(中国、第1シード)対ラウィンダ・プラジョンジャイ/ジョンコンパン・キッティハラクン(タイ、第7シード)

リ・インフェイ/ドゥ・ユエ(中国)対コン・ヒヨン/キム・ヘリン(韓国)

高橋礼華・松友美佐紀(第5シード)対永原和可那・松本麻佑

リズキ・アメリア・プラディプタ/デラ・デスティアラ・ハリス(インドネシア、第8シード)対ホワン・ドンピン/リ・ウェンメイ(中国)

【混合ダブルス】

タントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル(インドネシア、第1シード)対 クリス・アドコック/ガブリエル・アドコック(イングランド)

ツェン・シウェイ/ホワン・ヤチオン(中国、第4シード)対ホー・ジティン/ドゥ・ユエ(中国、第8シード)

タン・チュンマン/ツェ・インシュー(香港、第3シード)対渡辺勇大・東野有紗

ワン・イーリュ/ホワン・ドンピン(中国、第2シード)対デチャポン・プアバラヌクロー/サプシリー・テラッタナチャイ(タイ)

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