Ayako/Yukiko keeps no-loss record outside Japan in 2018

Yukiko TAKAHATA / Ayako SAKURAMOTO ~photo courtesy of Joseph YEUNG

カナダオープン(SUPER100)決勝、日本勢は3種目で優勝を狙ったが、勝ったのは今シーズン海外で負けなしの櫻本絢子・髙畑祐紀子組のみ。安定した強さで、スイス、ニュージーランド、オーストラリアに続く、4つ目の国際タイトルを手にした

前日の準決勝で日本10番手の志田千陽・松山奈未組に競り勝ち、日本ペア同士の決勝を阻止したドイツのイザベル・ヘルトリッヒ/カーラ・ネルテ組だが、この日は同6番手、櫻本・髙畑組の前に沈黙。2月の初対戦時はファイナルゲームまでもつれたが、2度目の今回は、櫻本・髙畑組が危なげなくストレートで仕留めた

櫻本・髙畑組は今大会の優勝で、今シーズンこれまでに参戦した5つの国際大会で消化した全試合の通算成績を21勝1敗とした。唯一の黒星を喫したのは、所属の同じ福万尚子・與猶くるみ組に決勝で敗れた自国開催の大阪インターナショナルチャレンジ。海外で行った試合は18連勝で、負けなしを続けている

Yukiko TAKAHATA / Ayako SAKURAMOTO ~photo courtesy of Joseph YEUNG

SUPER300(=グランプリゴールド同等)以下の大会では続けて安定した強さを証明し、世界ランクも現在の24位から20位内にアップする2人。それでもB代表のため、日本の独自規定により、SUPER500(=スーパーシリーズ同等)以上の大会には原則、エントリーできない

ただ、日本バドミントン協会が認めた、26日開幕のマレーシアオープンからスタートする上位大会アジア4連戦の最後に位置する7月の「シンガポールオープン(SUPER500)」。そして、今大会期間中の22日に独自規定が見直され、世界ランク上位にいるB代表の出場が可能となった9月の「ジャパンオープン(SUPER750)」が、現在の力を世界のトップペア相手に試す当面の舞台となる

一方、男女シングルスの決勝に進んだ2人、古賀穂と高橋沙也加はともに中国選手に敗れ、頂点には立てなかった

LI Xuerui and Sayaka TAKAHASHI ~photo courtesy of Joseph YEUNG

このうち高橋(沙)は、ロンドン五輪(2012年)金メダルのリ・シュエリと激突。第1ゲーム、リオデジャネイロ五輪(16年)準決勝で負ったケガから回復し、徐々に調子を取り戻してきている元世界1位を追いかける展開となる。終盤、17-20と追い詰められながら、3つのゲームポイントを回避して20-20で追いつく粘りをみせる。しかし振り切られ、ここで勝ち切れなかったことが、結果的にこの試合の明暗を分けた

第2ゲームは、逆に17-10と大量リードしながら2点差まで追い上げられるが、突き放して取る。迎えたファイナルゲーム、一進一退の攻防から16-13とリードを3点に広げるが、直後に4点を奪われ逆転を許す。いったんは17-17に追いつくも、最後は再び4連億得点を決められ万事休す。国際舞台に戻ってきて間もなく世界ランクが低位なため予選出場組の1人ながら、実質的には今大会最強の敵に、スイス、ニュージーランドに続く今シーズン3つ目の国際タイトル奪取を阻まれた

優勝したリ・シュエリはこの大会、予選から合わせて7人を勝ち抜いた。この中には第1シード、カナダのミッシェル・リのほか、第2シードの高橋(沙)を筆頭に、髙橋明日香、林樂、鈴木ゆうきと、日本選手4人が含まれる

また、国際大会復帰を果たした4月の陵水マスターズ(SUPER100)以降、出場した3大会(個人戦)連続優勝で、世界ランクは50位前後に浮上する。まだケガをする前のプレー水準には達していないが、今後、大会毎に調子と順位を上げ、ジャパンオープンを含む「SUPER750」以上の大会への出場を確実にする32位内に入ってくるのは、そう遠くないとみられる

Minoru KOGA ~photo courtesy of Joseph YEUNG

リ・シュエリと同じく予選から決勝まで勝ち上がったのが、男子シングルスの世界ランクで日本15番手につける古賀。国際大会初優勝を目指し、中国7番手のルー・グアンズに挑んだ

試合は序盤より古賀のリードで進む。ところが13-9から一気に形勢逆転。11連続失点を喫し、オープニングゲームを落とすと、続く第2ゲームもペースを取り戻すことができないまま、敗戦となった

ただ、優勝こそ逃したものの、この大会での古賀の活躍は顕著だった。予選から8試合を戦い、とりわけ3回戦と準々決勝では続けて実力者相手にフルゲームとなるも、勝ち切る精神面の強さを見せ、今後の成長に期待がかかる

一方、ルー・グアンズは、オーストラリアンオープン(SUPER300)に次いで今シーズン2勝目。世界ランクは66位から50位前後となり、シー・ユーチ、チェン・ロン、リン・ダン、チャオ・ビン、ホワン・ユーシアンの後、中国6番手に浮上してくる。国際的な知名度は低いが、昨年9月、中国の五輪と称される総合競技会「全運動会(ナショナルゲームス)」でチェン・ロンを破るなど、実力は折り紙つき。この先、順調に国際舞台での経験と実績を積めば、警戒すべき存在となる可能性を秘めている

このほかの2種目、男子ダブルスと混合ダブルスは、いずれも第1シードのイングランドペアが第2シードのドイツペアを破って優勝。リオデジャネイロ五輪男子ダブルス銅メダルのマーカス・エリスが2冠を達成した

決勝の結果

【男子シングルス】ルー・グアンズ(中国)<21-15,21-10>古賀穂(※予選勝ち上がり)

【女子シングルス】高橋沙也加(第2シード)<20-22,21-15,17-21>リ・シュエリ(中国※予選勝ち上がり)

【男子ダブルス】クリス・ラングリッジ/マーカス・エリス(イングランド、第1シード)<19-21,21-18,22-20>マーク・ラムスフス/マルビン・エミル・シーデル(ドイツ、第2シード)

【女子ダブルス】櫻本絢子・髙畑祐紀子(第1シード)<21-13,21-15>イザベル・ヘルトリッヒ/カーラ・ネルテ(ドイツ)

【混合ダブルス】マーカス・エリス/ローレン・スミス(イングランド、第1シード)<21-13,21-4>マーク・ラムスフス/イザベル・ヘルトリッヒ(ドイツ、第2シード)

備考 : 昨年に続き、今大会で活躍した日本選手の写真を BadPaL に提供してくれたのは、カナダの Joseph YEUNG 氏。白血病の一種と診断された親しい友人の妹にできることはないか自ら調べた過程で、正常な血液を作り出すのが難しくなる疾病者に移植する造血幹細胞の提供者(ドナー)の必要性が、十分周知されていない事実に気づき、自らの写真を通じて広く知ってもらい、それぞれの国・地域でドナー登録を呼びかける活動「Badminton Photography for Stem Cell Donor Awareness」 を行っている

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