
中国オープンSSプレミア準々決勝、前日の逆転勝ちの流れに乗った女子ダブルスの米元小春・田中志穂組が、国際大会5度目の対戦で初めて世界ランク1位の高橋礼華・松友美佐紀組を破り、準決勝に進んだ。女子シングルスの山口茜選手は、今シーズンのSS11大会のうち7度目のベスト4入りと、ライバルが取りこぼしをする中、安定した強さを見せている
SSファイナル出場を争う日本女子ダブルス3ペアのうち、この日はまず福島由紀・廣田彩花組が、昨年1月のマレーシアマスターズグランプリ(GP)ゴールドで初めて顔を合わせストレート負けを喫した中国のリ・インフェイ(20)/ドゥ・ユエ(19)組に再び敗れ、姿を消した。この中国ペアは、2015年世界ジュニア選手権でチェン・チンチェン/ジア・イーファン組(中国)に次いで銀メダルを獲得。さらに、年下のドゥ・ユエ選手は翌16年の世界ジュニアでも、混合ダブルス金メダル、女子ダブルス銀メダルを手にしている隠れた実力者だ
次に、同国対決となった高橋・松友対米元・田中。6月オーストラリアンオープンと9月ジャパンオープン(ともに準決勝)でぶつかった今シーズン2度の対戦では、ファイナルゲームまでもつれたものの、高橋・松友組が勝ち、そのまま優勝していた。しかし今回は、ほぼ敗戦確定だった前日の試合を潜り抜けてきたことで米元・田中組に気持ちの余裕が生まれていたか、初めて高橋・松友組からオープニングゲームを奪う。するとこれがプレッシャーとなり高橋・松友組のミスを誘発して、第2ゲームも続けて取ってストレート勝ちした
SSランク暫定1位の米元・田中組は、この日の勝利で今大会、同2位高橋・松友組、3位福島・廣田組を上回る結果を残すことが確定し、日本から2ペアしか出場できない来月のSSファイナルに向け、大きく前進した
女子シングルスSSランク暫定1位で、SSファイナル出場枠を確保している山口選手は、韓国のエース、ソン・ジヒョン選手を破って上がってきた中国の19歳ジー・シュティン選手に出だしから攻勢をかけ、前半を11-0と圧倒。第1ゲームは21-11で取る。第2ゲームに入ると前半リードを許すが、中盤追いつき、後半競り勝つ堅実な強さを示し、予選勝ち上がりの中国若手の勢いをきっちり止めた
準々決勝の別の試合では、ディフェンディングチャンピオンのプサルラ・ヴェンカタ・シンドゥ選手(インド)が集中を欠き、同じく予選から勝ち上がってきた中国の19歳ガオ・ファンジエ選手に不覚を取った
ディフェンディングチャンピオンではこのほか、混合ダブルスのタントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル組(インドネシア)が、今大会、パートナーのカミラ・リタ・ユール選手負傷により女子ダブルスを棄権したクリスティナ・ペダーセン選手が、マシアス・クリスチャンセン選手と組むデンマークペアに敗れた
混合ダブルスで日本から勝ち残っていた小林優吾・松友美佐紀組は、世界ランク1位と2位の組み替えペア、ツェン・シウェイ/ホワン・ヤチオン組(中国)に第1、第2ゲームともに11点に抑え込まれ、ストレート負け。ベスト8どまりとなった
小林選手は、保木卓朗選手と組む男子ダブルスでも、世界選手権銀メダルの強豪モハンマド・アーサン/ライアン・アグン・サプトロ組(インドネシア)にストレートで敗れ、準決勝進出を逃した。ただ、SSファイナル出場権獲得に向けた結果は残し、今シーズンのSS最終戦、香港オープンに希望をつないだ
一方、男子シングルスでは前日、ブリス・レベルデス選手(フランス)に快勝し、世界選手権初戦敗退の雪辱を果たしてみせたリー・チョンウェイ選手が、ウン・カロン選手(香港)に初黒星を喫し、ベスト4に届かず大会を終えた
リー・チョンウェイ選手は昨年後半辺りから、◆デンマークオープン(2016年10月)と世界選手権(17年8月)でブリス・レベルデス選手(フランス)◆SSファイナル(16年12月)とジャパンオープン(17年9月)でビクター・アクセルセン選手(デンマーク)◆インドネシアオープン(17年6月)とデンマークオープン(17年10月)でプラノイ・ハシーナ・スニルクマール選手(インド)◆フレンチオープン(17年10月)で西本拳太選手――と、負けたことがない相手に白星を献上する試合が続いており、結果として、対戦相手に「自分にもできる」といったモチベーションを与えている
準々決勝の結果
【男子シングルス】
ビクター・アクセルセン(デンマーク、世界1位)<21-17,21-14>チョウ・ティエンチェン(台湾、世界6位)
リー・チョンウェイ(マレーシア、世界7位)<12-21,21-15,19-21>ウン・カロン(香港、世界9位)
チェン・ロン(中国、世界5位)<21-13,16-21,21-14>シー・ユーチ(中国、世界8位)
ソン・ワンホ(韓国、世界3位)<21-14,12-21,21-18>リー・チュクイウ(香港、世界50位)
【女子シングルス】
タイ・ツーイン(台湾、世界1位)<21-10,9-21,20-22>ラッチャノク・インタノン(タイ、世界6位)
山口茜(世界4位)<21-11,21-19>ジー・シュティン(中国、世界201位※予選勝ち上がり)
カロリナ・マリン(スペイン、世界5位)<21-15,22-24,22-20>ホー・ビンジャオ(中国、世界10位)
プサルラ・ヴェンカタ・シンドゥ(インド、世界2位)<11-21,10-21>ガオ・ファンジエ(中国、世界89位※予選勝ち上がり)
【男子ダブルス】
マルクス・フェルナルディ・ギデオン/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョ(インドネシア、世界1位)<21-19,21-13>ウラジミール・イワノフ/イワン・ソゾノフ(ロシア、世界14位)
ツァン・ナン/リュウ・チェン(中国、世界4位)<21-17,12-21,19-21>リュウ・ユーチェン/リ・ジュンフェイ(中国、世界5位)
モハンマド・アーサン/ライアン・アグン・サプトロ(インドネシア、世界18位)<21-11,22-20>小林優吾・保木卓朗(世界19位)
マシアス・ボー/カールステン・モゲンセン(デンマーク、世界2位)<21-23,23-21,21-19>マッズ・コンラド・ペターセン/マッズ・ピーラー・コルディング(デンマーク、世界6位)
【女子ダブルス】
高橋礼華・松友美佐紀(世界1位)<16-21,16-21>米元小春・田中志穂(世界6位)
グローニャ・サマービル/セトヤナ・マパサ(オーストラリア、世界46位)<21-18,12-21,16-21>イ・ソヒ/キム・ヘリン(韓国、世界328位)
福島由紀・廣田彩花(世界5位)<18-21,12-21>リ・インフェイ/ドゥ・ユエ(中国、世界ランクなし)
チェン・チンチェン/ジア・イーファン(中国、世界4位)<22-20,21-15>チャン・イエナ/チョン・ギョンウン(韓国、世界89位)
【混合ダブルス】
タン・チュンマン/ツェ・インシュー(香港、世界11位)<14 –21,21-15,22-20>ツァン・ナン/リュウ・シュエンシュエン(中国、世界ランクなし)
小林優吾・松友美佐紀(世界44位)<11-21,11-21>ツェン・シウェイ/ホワン・ヤチオン(中国、世界160位)
ワン・イーリュ/ホワン・ドンピン(中国、世界7位)<21-19,21-17>ソ・スンジェ/キム・ハナ(韓国、世界15位)
タントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル(インドネシア、世界3位)<21-15,8-21,16-21>マシアス・クリスチャンセン/クリスティナ・ペダーセン(デンマーク、世界118位)
準決勝の対戦カード
【男子シングルス】
ビクター・アクセルセン(デンマーク、世界1位)対ウン・カロン(香港、世界9位)
ソン・ワンホ(韓国、世界3位)対チェン・ロン(中国、世界5位)
【女子シングルス】
山口茜(世界4位)対ラッチャノク・インタノン(タイ、世界6位)
カロリナ・マリン(スペイン、世界5位)対ガオ・ファンジエ(中国、世界89位※予選勝ち上がり)
【男子ダブルス】
マルクス・フェルナルディ・ギデオン/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョ(インドネシア、世界1位)対リュウ・ユーチェン/リ・ジュンフェイ(中国、世界5位)
マシアス・ボー/カールステン・モゲンセン(デンマーク、世界2位)対モハンマド・アーサン/ライアン・アグン・サプトロ(インドネシア、世界18位)
【女子ダブルス】
米元小春・田中志穂(世界6位)対イ・ソヒ/キム・ヘリン(韓国、世界328位)
チェン・チンチェン/ジア・イーファン(中国、世界4位)対リ・インフェイ/ドゥ・ユエ(中国、世界ランクなし)
【混合ダブルス】
タン・チュンマン/ツェ・インシュー(香港、世界11位)対ツェン・シウェイ/ホワン・ヤチオン(中国、世界160位)
ワン・イーリュ/ホワン・ドンピン(中国、世界7位)対マシアス・クリスチャンセン/クリスティナ・ペダーセン(デンマーク、世界118位)