
中国オープンSSプレミア準決勝、山口茜選手は、前月デンマークオープンSSプレミア決勝で敗れたラッチャノク・インタノン選手(タイ)を降し、オーストラリア、デンマーク、フランスに続く、今シーズン4度目のSS決勝進出を果たした
ともに世界ジュニア選手権を連破した実績を持つ山口選手(2013-14年)とインタノン選手(09-11年)、今シーズンの対戦成績は2勝2敗の五分だが、直近のデンマークオープンでは、決勝で山口選手が逆転負け(21-14,15-21,19-21)を喫していた
この日は、山口選手が序盤よりリードし、第1ゲーム前半を11-7で終える。後半、インタノン選手に点差を詰められるが並ばせず、21-14で先取する。第2ゲームは前半を最少得点差(11-10)で折り返し、後半追いつかれる。それでも逆転は許さず、21-18でストレート勝ちした
山口選手は、17歳で準優勝した2014年以来3年ぶり2度目の中国オープン決勝進出。一方、今シーズン、SSでファイナリストとなるのはこれで3大会連続、通算4度目だが、6月オーストラリアンオープンでは奥原希望選手、10月デンマークオープンではラッチャノク・インタノン選手、同月フレンチオープンではタイ・ツーイン選手に敗れ、ここまでいずれも準優勝に甘んじている
女子シングルス準決勝もうひと試合は、第4シードのカロリナ・マリン選手(スペイン)が、予選勝ち上がりの中国の若手ガオ・ファンジエ選手に先行を許す。後半追いつき19-19まで競り合うが、ガオ選手に抜け出されて、19-21で第1ゲームを失う。第2ゲームも同様の展開で、リードするガオ選手に後半マリン選手が17-17で追いつき、いったんは逆転に成功するも再度ひっくり返され、19-21で敗戦となった

1998年9月生まれのガオ・ファンジエ選手は、2016年のアジアジュニア選手権で銅メダルを手にした中国期待の若手の1人。ただ、この年のアジアジュニアと世界ジュニアを制する活躍を見せ、さらにシニアに上がった今年、8月の世界選手権で銅メダルを獲得した同じ中国の19歳チェン・ユーフェイ選手の陰に隠れる形で、これまで目立った活躍はなかった
しかし今大会では、予選からの出場ながら、1回戦開始直後に棄権した奥原希望選手を含めると、プサルラ・ヴェンカタ・シンドゥ選手、カロリナ・マリン選手と、リオデジャネイロ五輪メダリスト3人を連破し、初めて注目が集めるSS(プレミア)決勝への切符をつかんだ
山口選手は、自国開催の上位大会で潜在力を開花させた年下のガオ選手と、今シーズンのSS初優勝をかけ、決勝を戦う
女子ダブルスで、世界1位の高橋礼華・松友美佐紀組を初めて倒して勝ち上がった米元小春・田中志穂組は、昨年のこの大会、27歳チャン・イエナ選手と組み優勝した23歳イ・ソヒ選手が、新たに前週のマカオオープングランプリ(GP)ゴールドから組み始めた22歳キム・ヘリン選手とのペアと対戦した。第1ゲームを奪われた後、第2ゲームを取り返してみせたが、ファイナルゲーム11-21で敗退。2回戦の起死回生の逆転勝ちで得た好機を活かし、デンマークオープンに次ぐSSプレミア2大会連続の決勝進出、さらにはSSプレミア初優勝を狙ったが、果たせなかった
ただ、今大会でライバルである高橋・松友、福島由紀・廣田彩花の2ペアの結果(ともにベスト8)を上回ったことで、年間チャンピオンを決める来月のSSファイナル出場には近づいた。決勝の結果にかかわらず、今シーズン第11戦、中国オープン終了時点のSSランキングのトップ3は、【1位】米元・田中組(66,640点)【2位】高橋・松友組(62,710点)【3位】福島・廣田組(62,150点)――で変わらず。米元・田中組は、21日から始まる最終戦、香港オープンに、約4,000点のアドバンテージを持って臨むことになる。SSファイナルに1つの国・地域から出場できるのは、各種目2人/2ペアまで
準決勝もうひと試合は、2015年世界ジュニア決勝以来の中国勢同士の対戦で、今大会、福万尚子・與猶くるみ組、福島・廣田組を破るなど勢いのあったリ・インフェイ/ドゥ・ユエ組が勝利をつかみかけたが、最後は、世界ジュニアならびに世界選手権のタイトルを保持するチェン・チンチェン/ジア・イーファン組が1時間20分に及んだ接戦を制し、決勝進出を決めた
男子シングルスは、世界選手権チャンピオンのビクター・アクセルセン選手(デンマーク)がリー・チョンウェイ選手を破ったウン・カロン選手(香港)を、五輪チャンピオンのチェン・ロン選手(中国)が元世界1位のソン・ワンホ選手(韓国)をそれぞれ降し、決勝で激突する
男子ダブルスは、連破を狙うディフェンディングチャンピオン、マルクス・フェルナルディ・ギデオン/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョ組(インドネシア)と、2011、12年優勝のベテラン、マシアス・ボー/カールステン・モゲンセン組(デンマーク)が決勝に進んだ
混合ダブルスでもデンマーク勢、マシアス・クリスチャンセン/クリスティナ・ペダーセン組がジャパンオープン優勝のワン・イーリュ/ホワン・ドンピン組(中国)を破って勝ち残り、最終日、世界1位と2位の組み替えペア、ツェン・シウェイ/ホワン・ヤチオン組(中国)に挑む
準決勝の結果
【男子シングルス】
ビクター・アクセルセン(デンマーク、世界1位)<21-12,21-17>ウン・カロン(香港、世界9位)
ソン・ワンホ(韓国、世界3位)<17-21,21-10,7-21>チェン・ロン(中国、世界5位)
【女子シングルス】
山口茜(世界4位)<21-14,21-18>ラッチャノク・インタノン(タイ、世界6位)
カロリナ・マリン(スペイン、世界5位)<19-21,19-21>ガオ・ファンジエ(中国、世界89位※予選勝ち上がり)
【男子ダブルス】
マルクス・フェルナルディ・ギデオン/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョ(インドネシア、世界1位)<21-14,21-18>リュウ・ユーチェン/リ・ジュンフェイ(中国、世界5位)
マシアス・ボー/カールステン・モゲンセン(デンマーク、世界2位)<22-20,21-12>モハンマド・アーサン/ライアン・アグン・サプトロ(インドネシア、世界18位)
【女子ダブルス】
米元小春・田中志穂(世界6位)<18-21,21-13,11-21>イ・ソヒ/キム・ヘリン(韓国、世界328位)
チェン・チンチェン/ジア・イーファン(中国、世界4位)<13-21,27-25,21-15>リ・インフェイ/ドゥ・ユエ(中国、世界ランクなし)
【混合ダブルス】
タン・チュンマン/ツェ・インシュー(香港、世界11位)<13-21,21-18,15-21>ツェン・シウェイ/ホワン・ヤチオン(中国、世界160位)
ワン・イーリュ/ホワン・ドンピン(中国、世界7位)<16-21,22-24>マシアス・クリスチャンセン/クリスティナ・ペダーセン(デンマーク、世界118位)
決勝の対戦カード
【男子シングルス】 ビクター・アクセルセン(デンマーク、世界1位)対チェン・ロン(中国、世界5位)
【女子シングルス】 山口茜(世界4位)対ガオ・ファンジエ(中国、世界89位※予選勝ち上がり)
【男子ダブルス】 マルクス・フェルナルディ・ギデオン/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョ(インドネシア、世界1位)対マシアス・ボー/カールステン・モゲンセン(デンマーク、世界2位)
【女子ダブルス】 チェン・チンチェン/ジア・イーファン(中国、世界4位)対イ・ソヒ/キム・ヘリン(韓国、世界328位)
【混合ダブルス】 マシアス・クリスチャンセン/クリスティナ・ペダーセン(デンマーク、世界118位)対ツェン・シウェイ/ホワン・ヤチオン(中国、世界160位)