Day 6 in Glasgow : Yuki/Sayaka and Nozomi make finals by beating former finalists

世界選手権6日目、今大会第7シードの奥原希望選手と第9シードの福島由紀・廣田彩花組が、ともに前回大会の銀メダリストを破って決勝進出を果たした。一方、第1シードの高橋礼華・松友美佐紀組と第4シードの園田啓悟・嘉村健士組は敗れ、銅メダルとなった

準決勝まで残った日本勢の中で、最もシード順の低い福島・廣田組が大仕事を成し遂げた。3回戦で第6シード、準々決勝で第3シードを破って勝ち上がった24歳福島、23歳廣田の2人はこの日、前回ジャカルタ大会の銀メダリストで今回第2シードに入ったデンマークのベテラン、33歳カミラ・リタ・ユール選手と31歳クリスティナ・ペダーセン選手に挑んだ。過去4度対戦し一度も勝てていない相手だが、直近のオーストラリアンオープンSSでは敗れはしたものの、初めてファイナルゲーム(18-21)まで持ち込み、その差をわずかに詰めていた

第1ゲームを10-14の劣勢から逆転で取ると、第2ゲームは序盤から得点を重ねて14-7と大きくリード。徐々に点差を詰められながらも18-14と勝利まであと3点に迫る。ところがここから4連続失点で追いつかれると、土壇場で逆転も許してしまい、試合はふりだしに。流れは地力に勝るデンマークペアに傾くかに見えたが、ファイナルゲーム、4連続得点で幸先のいいスタートを切り、点差の詰まった6-5から一気に抜け出し14-5。その後も追撃を許さず、21-14で快勝。前回大会ならびにリオデジャネイロ五輪の銀メダリストから5戦目にして初白星を挙げると同時に、世界選手権初出場で見事、決勝進出を決めた

福島・廣田組は試合後、記者会見に臨み、第2ゲームの勝ち急ぎを反省点としながらも、「素直にうれしい」と笑顔で語り、決勝に進んだ喜びを表現した。同時に、もう1試合(決勝)への意気込みも忘れず、「自分たちらしいプレーをしていきたい」と締めた

日本シングルス陣史上初のファイナリストまであと一勝の奥原選手の相手は、世界選手権2大会連続の決勝進出を目指す、インドのサイナ・ネワル選手。まさかの一次リーグ敗退に終わったリオデジャネイロ五輪直後、ひざの手術に踏み切り、この大会に合わせて調子を戻してきた点は、右肩痛から回復してきた奥原選手と状況が似ている。また、前日の準々決勝で1時間を越えるフルゲームを戦ってきたのも同じ。ただ、回復具合が勝敗を分けた

第1ゲームは、これまで7度の対戦で1回しか負けていないネワル選手が奥原選手を12点に抑えて先取する。しかし奥原選手は徐々にペースをつかみ、長いラリーの応酬となった第2ゲームを奪い返すと、ファイナルゲーム、動きの落ちたネワル選手を21-10で振り切った

敗れたネワル選手は試合後、あくまで、「奥原選手も条件は同じ」と断った上で、「前日、夜の部で試合をした後、きょう、午前の部に試合を組まれ、十分回復できなかった」と話した。また、第2ゲーム以降、タフなプレーヤーと認める奥原選手に長いラリーを制されること多くなっていったといい、とりわけ第3ゲームは、「奥原はコート上のあらゆる場所にいて、どこに打っても打ち返してくる。どうしていいか分からなくなった」と認めた。それでも、「準決勝で負けたことは悔しいが、今大会のパフォーマンスには満足している」と語った

一方、奥原選手は、第1ゲームの反省を活かし、第2ゲーム以降、ショットのスピードと高さを変えていったことが奏功した、と試合を振り返った。決勝で対戦を予想する相手については、「ここまで勝ち上がってきている2人、どちらがきても厳しい戦いになる」とコメントしながら、1年前、リオデジャネイロ五輪準決勝で敗れたインドのプサルラ・ヴェンカタ・シンドゥ選手との再戦への期待を隠せなかった

それから数時間後、夜の部に行われた準決勝もうひと試合で、プサルラ・ヴェンカタ・シンドゥ選手が、今大会ここまで山口茜、ラッチャノク・インタノン両選手を破る活躍を見せた中国の19歳チェン・ユーフェイ選手をストレートで下し、奥原選手の決勝の相手に決まった

一方、女子ダブルス第1シードの高橋礼華・松友美佐紀組は、第4シードの中国チェン・チンチェン/ジア・イーファン組と対決。通算対戦成績は日本ペアの2勝3敗とほぼ互角ながら、リオ五輪後は高橋・松友組が3連敗。世界選手権前最後の上位大会オーストラリアンオープンSSでようやく一矢報いた格好になっていた

この日は試合開始から中国ペアに先行を許すも、中盤逆転に成功し15-10とリードする。しかし16点で追いつかれると、続けて5失点し、オープニングゲームを落とす。続く第2ゲームは再び先行されると、一度も追いつくことが叶わぬまま押し切られ、15-21で敗戦となった

高橋選手は試合後の会見で、体の不調を認め、出し切れなかったと淡々と語った。松友選手は、まだまだ足りない部分があると指摘。さらなる努力の必要性を説いた。ただ、リオ五輪という大きな山を越えて1年、モチベーションを高く維持するのが難しい中、過去4回失敗が続いた「メダル取り」を、今回果たせたことは評価できる

一方、勝ったジア・イーファン選手に BadPaL が、SSファイナル、スディルマン杯、世界選手権と、いずれも大きな大会で高橋・松友組に続けて勝っているのは自信の表れか聞いたところ、「自分たちはまだ若いので、日本ペアの方にプレッシャーがかかっているのでは」と返した。その上で、「高橋・松友組は本当に強い相手。学んでいる部分が多い」と述べた

男子ダブルスで決勝進出を狙った園田啓悟・嘉村健士組は、インドネシアのモハンマド・アーサン/ライアン・アグン・サプトロ組に自分たちのプレーをさせてもらえず、第1ゲームは一度のリードも奪えず、第2ゲームも10-8から逆転され、そのままストレート負け。この種目での日本勢のファイナリスト誕生は、次回以降に先送りとなった

嘉村選手は試合直後、日本からの報道陣らを前に、目標としてきたメダルを持ち帰ることができるのは評価できる、と話した。しかし、国際大会で常々、「勝つのが仕事」と口にしている園田選手のひとこと、「悔しい」が、この時点でのまぎれもない本音だ

アーサン選手に試合後、BadPaL がこの日の戦略を聞いたところ、「スピードを意識的に落として、相手が得意とする速い展開に持ち込ませないこと、今日はそれが機能した」と答えた。また、ヘンドラ・セティアワン選手とのペアで世界選手権をはじめとする数々のタイトルを獲得してきたアーサン選手が、大舞台での経験が少ない新しいパートナー、サプトロ選手とメジャー大会に臨む上で重要視したことを尋ねると、「努力、コミュニケーション、互いに我慢しあうこと」の3点を挙げた

男子シングルスでは、デンマークのビクター・アクセルセン選手が、大会2連覇中のディフェンディングチャンピオン、中国チェン・ロン選手をほぼ完全に制圧。リオ五輪準決勝で敗れた1年前の借りを返した

アクセルセン選手は試合後、これまで10度対戦して1度しか勝ったことのなかったチェン・ロン選手に「ここまで快勝できるとは予想していなかった」としながらも、「ミスのないプレーができた」とこの試合の自らのパフォーマンスを好評価した。昨年のリオ五輪で銅メダルを獲得しており、今大会には最初から銅メダルを超える結果を狙ってきていたか、と問うと、「当然。そうでなければおかしい」と力強く答えながらも、「メディアにとっては退屈な言葉だろうが」と苦笑しつつ、あくまで「ひと試合ずつ」を強調した

一方のチェン・ロン選手は今大会、リオ五輪金メダルなどの実績が評価され、世界バドミントン連盟(BWF)からワイルドカード(特別出場枠)を得て出場し、3連覇を目指したが叶わず、銅メダルに終わった。ただ、試合後にはさっぱりした表情で、「アクセルセン選手がノーミスのほぼ完ぺきなプレーをした」と対戦相手を率直に称えた。その上で、世界選手権閉幕の2日後に始まる、4年に一度の開催で中国の五輪と称される総合競技大会「全運動会(ナショナルゲームス)」に、帰国後すぐ出場しなければならないことを明かした

もう1つの山からは、第1シードの韓国ソン・ワンホ選手をストレートで退けた中国リン・ダン選手が、2005、06、07、09、11、13年に続く通算7度目の決勝進出。あすの決勝で、全種目を通じて誰も成し遂げていない6度目の優勝に挑む

世界選手権で5度の優勝実績を有するのは、シングルスはリン・ダン選手ただ1人。ダブルスでは、日本代表のヘッドコーチを務める韓国パク・ジュボン氏(混合3回、男子2回)と、中国ツァオ・ユンレイ選手(混合3回、女子2回)がいる

混合ダブルスの決勝に進んだのは、世界ランク1位の中国ツェン・シウェイ/チェン・チンチェン組と、リオ五輪金メダリスト、インドネシアのタントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル組。ツァン/チェン組は今大会で唯一、決勝まで進んだ第1シードとなった

一方、イングランドのアドコック夫妻はツァン/チェン組に敗れ決勝進出を逃したが、英国(イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランド)内で開催された世界選手権で銅メダルという結果を残した。夫のクリス・アドコック選手は2011年ロンドン大会でも、スコットランドのイモジェン・バンキア選手とのペアで銀メダルを獲得している

◆準決勝の結果

【男子シングルス】

ソン・ワンホ(韓国、世界1位)<17-21,14-21リン・ダン(中国、世界7位)

ビクター・アクセルセン(デンマーク、世界3位)<21-9,21-10>チェン・ロン(中国、世界5位)

【女子シングルス】

プサルラ・ヴェンカタ・シンドゥ(インド、世界5位)<21-13,21-10>チェン・ユーフェイ(中国、世界11位)

奥原希望(世界8位)<12-21,21-17,21-10>サイナ・ネワル(インド、世界16位)

【男子ダブルス】

園田啓悟・嘉村健士(世界4位)<12-21,15-21>モハンマド・アーサン/ライアン・アグン・サプトロ(インドネシア、世界30位)

ホン・ウェイ/チャイ・ビアオ(中国、世界6位)<17-21,19-21ツァン・ナン/リュウ・チェン(中国、世界8位)

【女子ダブルス】

高橋礼華・松友美佐紀(世界1位)<17-21,15-21チェン・チンチェン/ジア・イーファン(中国、世界4位)

クリスティナ・ペダーセン/カミラ・リタ・ユール(デンマーク、世界2位)<17-21,21-19,14-21福島由紀・廣田彩花(世界9位)

【混合ダブルス】

ツェン・シウェイ/チェン・チンチェン(中国、世界1位)<21-15,23-21>クリス・アドコック/ガブリエル・アドコック(イングランド、世界5位)

タントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル(インドネシア、世界3位)<21-16,21-13>リー・チュンヘイ/チャウ・ホイワー(香港、世界13位)

 

◆決勝の対戦カード

【男子シングルス】 ビクター・アクセルセン(デンマーク、世界3位)対リン・ダン(中国、世界7位)

【女子シングルス】 プサルラ・ヴェンカタ・シンドゥ(インド、世界5位)対対奥原希望(世界8位)

【男子ダブルス】 ツァン・ナン/リュウ・チェン(中国、世界8位)対モハンマド・アーサン/ライアン・アグン・サプトロ(インドネシア、世界30位)

【女子ダブルス】 チェン・チンチェン/ジア・イーファン(中国、世界4位)対福島由紀・廣田彩花(世界9位)

【混合ダブルス】 ツェン・シウェイ/チェン・チンチェン(中国、世界1位)対タントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル(インドネシア、世界3位)

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