Five Japanese women into semifinals at Taiwan GP Gold

台湾オープングランプリ(GP)ゴールドは30日、各種目の準々決勝が行われ、ベスト4に入った日本勢は、川上紗恵奈鈴木温子下田菜都美のシングルス3選手と永原和可那・松本麻佑組。その言葉からは、上位大会スーパーシリーズ(SS)で活躍するA代表の背中を入り混じった感情で見ながら、自らのステージで懸命に闘っている姿が浮かび上がる

台湾オープンには例年、GPゴールドでありながら、とりわけ中国をはじめとするアジアのトップが比較的多く集まる。しかし今回は、直前にSSの2連戦があり、さらに4年に一度の中国全国運動会(日本の国民体育大会に相当)と開催時期が一部かぶることから、出場選手の顔ぶれはスケールダウンした

今大会にエントリーした日本選手の多くも、この後、5日に開幕する国内の団体戦、全日本実業団選手権を控えるが、B代表4人に自費参加の下田選手を加えた計5人が、チャンスを逃さずしっかり準決勝進出を果たした。以下、各選手の試合後のコメント等を紹介する

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Saena KAWAKAMI

川上選手 : 「対戦できると期待しでいた世界ランク1位のタイ・ツーイン選手が出場を取りやめてしまい、自分の調子も良くはないが、モチベーションは下がっていない。むしろ、5月のランキングサーキットで1回戦負けし下まで落ちたことで、絶対勝たなければという気負いが薄れ、失うものなく挑めている」と述べた。ただその一方で、山口茜、奥原希望、佐藤冴香という、先を行くA代表3選手の最近の活躍には、「悔しい気持ちがある」と率直な思いを口にした

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Haruko SUZUKI

鈴木選手 : 現在の調子を尋ねると、「この3~4カ月調子を落とし、トンネルに入り込んでいる感じ。ナショナルチームに入って様々な指導を受けているが、使いこなせず迷っている」と明かした。そのため、今大会で目指すところは、「相手の不調などによるのではなく、自分をしっかり出して勝つこと」と述べた

インドネシアオープンSSプレミアで優勝した所属が同じ佐藤冴香選手について聞くと、「いつも刺激を受けている佐藤を越えるのが今年の目標の1つ。GPゴールドは1回しか勝っていないことから、今大会で優勝できればと意気込んでいた」と説明した。しかし、佐藤選手が先にSSプレミアの初タイトルを取り、「うれしいが、自分は離されてしまい悲しい」と苦笑い。それでも、「佐藤は自分にとってのモチベーター(やる気を起こさせてくれる人)。佐藤が頑張る姿を見て自分も頑張れる」と述べた

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Natsumi SHIMODA

下田選手 : 予選からの出場ながら、前日の2回戦では、第2ゲーム16-20の相手マッチポイントから試合をひっくり返して逆転勝ち。準々決勝は一転、ストレート勝ちでベスト4入りを決めた。ここまでの結果をどう見ているか、聞くと、「実力通りと思っているわけではないが、与えられたチャンスを活かし1つ1つ、楽しんで、という感じできている」と答えた。自費参加での国際大会参戦は、「自ら志願した部分と所属チームの後押しが半々」とした上で、「まずは日本で勝たないと意味はないと考えている。ただ、代表入りした時点で世界ランクを持っていることは重要で、経験とともに、少しでもランキングポイントを稼いでおきたい」と、国際大会に臨む自らの考え方を説明した

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Mayu MATSUMOTO – Wakana NAGAHARA

永原・松本組 : 「2回戦、準々決勝と続けて、第1ゲームを取り、第2ゲームは先に複数のゲームポイントを握られた状況から20-20に追いつきながら、決め切れずファイナルゲームにもつれているのは反省点」と話した。ただこの日は、前日まで取られなかったサービスフォルトを次々と取られ、松本選手は試合後、「(サーブの)打ち方を変えるしかなかった」と苦笑い。それでも、最後まで気持ちを切らすことなく21-19で勝利をつかみ取った

今シーズンに入りそれぞれSS優勝を遂げている、高橋礼華・松友美佐紀組、米元小春・田中志穂組、福島由紀・廣田彩花組について聞くと、「すごいと思う」と認めると同時に、「SS、SSプレミアといった彼らが戦っているのと同じステージに早く立ちたい」と意気込みを示した

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Aoi MATSUDA – Akane ARAKI

一方、松田蒼・荒木茜羽組は、世界21位の韓国3番手ユ・ヘウォン/キム・ヘリン組から第1ゲームを先取。第2ゲームも追い込んだが、決められず、ファイナルゲームに持ち込まれて敗れ、準決勝進出を逃した

この2人、松田選手が東野有紗選手(2013年)、荒木選手が志田千陽選手(14年)と、それぞれ異なるパートナーと組んで世界ジュニア選手権でベスト8に入った実績を持つ。荒木選手の所属チーム移籍により、今年から組み始めた

荒木選手に、ペアとして2度目の国際大会を戦い終えた手ごたえを聞いてみると、「当初は前が空いてしまうことがあったが、今は両方とも前衛、後衛できるようになってきている。この日の世界21位に対しても、受けに回った時に課題はあるが、攻撃は通じる」と述べ、敗れはしたものの成果あり、を強調した。「五輪を狙いたいと思い移籍した」と語る荒木選手に、(日本選手以外にも)同世代が既に活躍しているが、と水を向けると、「最後に勝てればいい」ときっぱり答えた。2人はこの後、全日本実業団選手権(7月5~9日)に出場し、続けて、ロシアオープンGP(同18~23日)に参戦予定

準々決勝の結果

【男子シングルス】

チョウ・ティエンチェン(台湾、世界6位)〈21-16,21-15〉リン・ユーシエン(台湾、世界45位)

コシット・ペトプラダブ(世界41位)〈19-21,16-21〉リー・ヅージア(マレーシア、世界109位)

チョン・ヒョクチン(韓国、世界50位)〈21-13,18-21,21-14〉ダレン・リュー(マレーシア、世界58位)

ワン・ツーウェイ(台湾、世界18位)〈21-8,19-21,21-11〉スッパンユ・アビヒンサノン(タイ、世界63位)

【女子シングルス】

川上紗恵奈(世界59位)〈21-16,21-11〉キム・ナヨン(韓国、世界91位)

スン・シュオユン(台湾、世界68位)〈19-21,13-21〉下田菜都美(世界261位※予選勝ち上がり)

ゴー・ジンウェイ(マレーシア、世界44位)〈21-15,21-17〉パイ・ユーポ(台湾、世界76位)

鈴木温子(世界92位)〈21-8,21-17〉キム・ガウン(韓国、世界121位)

【男子ダブルス】

リー・ジェフエイ/リー・ヤン(台湾、世界9位)〈22-20,19-21,21-13〉キム・ドクヨン/チュン・ウイソク(韓国、世界65位)

ヤン・ポハン/ルー・チンヤオ(台湾、世界16位)〈21-19,21-12〉ウ・ユアンチェン/ルー・チアピン(台湾、世界ランクなし)

ロウ・ジュアンシェン/チューイ・カーミン(マレーシア、世界31位)〈14-21,22-20,28-26〉チェ・ソルギュ/キム・ジェファン(韓国、世界352位)

チェン・フンリン/ワン・チリン(台湾、世界15位)〈21-19,21-9〉リー・シェンム/リン・チアユ(台湾、世界132位)

【女子ダブルス】

ウ・ファンチエン/リン・シャオミン(台湾、世界34位)〈14-21,22-24〉キム・ハナ/コン・ヘヨン(韓国、世界ランクなし)

ユ・ヘウォン/キム・ヘリン(韓国、世界21位)〈14-21,24-22,21-9〉松田蒼・荒木茜羽(世界382位)

ヤップ・チェンウェン/リム・インルー(マレーシア、世界19位)〈21-17,12-21,15-21〉キム・ソヨン/チェ・ユジョン(韓国、世界33位)

パタイマス・ムエンウォン/チャラッドチャラム・チャヤニット(タイ、世界41位)〈17-21,22-20,19-21〉永原和可那・松本麻佑(世界59位)

【混合ダブルス】

チェ・ソルギュ/チェ・ユジョン(韓国、世界13位)〈21-13,21-14〉ツェン・ミンハオ/フ・リンファン(台湾、世界47位)

ワン・チリン/リー・チアシン(台湾、世界27位)〈21-11,21-16〉ダニー・バワ・クリスナンタ/ウォン・ジアイン・クリスタル(シンガポール、世界86位)

リャオ・ミンチュン/チェン・シャオフアン(台湾、世界62位)〈21-13,17-21,7-21〉ティン・イスリヤネト/パチャラプン・チョチュウォン(タイ、世界72位)

ヒー・テリー・ヨンカイ/タン・ウェイハン(シンガポール、世界19位)〈18-21,21-18,18-21〉ソ・スンジェ/キム・ハナ(韓国、世界ランクなし)

 

準決勝の対戦カード

【男子シングルス】

チョウ・ティエンチェン(台湾、世界6位)対リー・ヅージア(マレーシア、世界109位)

ワン・ツーウェイ(台湾、世界18位)対チョン・ヒョクチン(韓国、世界50位)

【女子シングルス】

川上紗恵奈(世界59位)対下田菜都美(世界261位※予選勝ち上がり)

ゴー・ジンウェイ(マレーシア、世界44位)対鈴木温子(世界92位)

【男子ダブルス】

リー・ジェフエイ/リー・ヤン(台湾、世界9位)対ヤン・ポハン/ルー・チンヤオ(台湾、世界16位)

チェン・フンリン/ワン・チリン(台湾、世界15位)対ロウ・ジュアンシェン/チューイ・カーミン(マレーシア、世界31位)

【女子ダブルス】

ユ・ヘウォン/キム・ヘリン(韓国、世界21位)対キム・ハナ/コン・ヘヨン(韓国、世界ランクなし)

キム・ソヨン/チェ・ユジョン(韓国、世界33位)対永原和可那・松本麻佑(世界59位)

【混合ダブルス】

チェ・ソルギュ/チェ・ユジョン(韓国、世界13位)対ワン・チリン/リー・チアシン(台湾、世界27位)

ティン・イスリヤネト/パチャラプン・チョチュウォン(タイ、世界72位)対ソ・スンジェ/キム・ハナ(韓国、世界ランクなし)

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