アジア選手権2回戦、日本はシングルスが6人から1人、ダブルスが7ペアから3ペアへと 勝ち残りの数を大幅に減らした。そんな中、男子ダブルスの小林優吾・保木卓朗組が世界ランク8位を相手に気を吐き、スーパーシリーズ(SS)優勝実績のある日本選手に交じってベスト8に入った

世界ランク18位、日本2番手の小林・保木組にとって上位大会SSは、ようやく安定して1回戦を突破できるようになってきたところ。この1年で2回戦も勝ってベスト8入りしたのは、昨年9月の韓国オープンと同11月の中国オープンの2回
SSと同等の扱いになるこの大会、2回戦の対戦相手、インドネシア2番手のリッキー・カランダ・スワルディ/アンガ・プラタマ組は、優勝回数は1回ながら、今シーズンのインドオープンを含め通算4度、SSの決勝に進んでいる実力あるペア。しかし小林・保木組は第1ゲーム、中盤以降抜け出すと、第2ゲームは相手につけ入る隙も与えず、リードを保ったまま最後まで駆け抜けた
日本から出場の4ペアすべてが1回戦を突破した男子ダブルスだが、2回戦も勝ってベスト8に到達できたのは、小林・保木組のほかは、2016年香港オープンSS優勝の園田啓悟・嘉村健士組のみ。金子祐樹・井上拓斗組と遠藤大由・渡辺勇大組は敗れた。とりわけ、前週チャイナマスターズグランプリ(GP)ゴールド準優勝で世界ランクを20位に上げた金子・井上組は、実力拮抗のタイペア相手にファイナルゲーム、合わせて6つのマッチポイントをつかみながら決め切れず、28-30で敗戦。涙をのんだ
世界ランク上位を破り、そろって2回戦に進んだ男子シングルスの3人はこの日、それぞれ「トップ3」との対戦が組まれ、何とか食らいつこうとするが力及ばず、全員姿を消した
予選勝ち上がりの西本拳太選手は、世界1位リー・チョンウェイ選手との第1ゲーム、前日の坂井一将選手と同様、リードされた後半、11-16から18-18に追いつく(坂井選手は12-18から19-20に)。しかし振り切られ、このゲームを落とすと、第2ゲームは、力の違いを見せつけられるかのように次々と点数を重ねられ、12-21で敗れた、
常山幹太選手は、北京、ロンドン五輪2大会金メダルの中国リン・ダン選手と初めて顔を合わせた。第1ゲーム、前半を11-10で折り返すが、後半じりじりと追い上げられ逆転を許すと、そのまま振り切られる。第2ゲームも前半は10-11と僅差ながら、後半引き離されてストレート負けを喫した
上田拓馬選手は、リオデジャネイロ五輪金メダルの中国チェン・ロン選手と、2015年マレーシアオープン以来2年ぶりの対戦。第1ゲームは前半競り合うが、中盤10-10から一気に持っていかれてしまい、後半は1点しか奪えず。第2ゲームも7-7以降、次々に得点され14-21で敗れ、通算対戦成績は9戦全敗となった
同じく日本から3人が初戦突破した女子シングルスは、山口茜選手が前回シンガポールオープンSSに続いての対戦となった台湾スー・ヤチン選手のゲームポイント3つを凌いでストレート勝ち。ただ1人、準々決勝に進んだ
残る2人、前週チャイナマスターズGPゴールド優勝により世界ランクで日本6番手から3番手に上がった大堀彩選手と、1回戦で強豪インドのサイナ・ネワル選手を破った4番手の佐藤冴香選手はそれぞれ、インドのプサルラ・ヴェンカタ・シンドゥ選手、中国チェン・ユーフェイ選手と世界ランク上位に敗れ、ベスト16どまりだった
一方、1回戦で奥原希望選手を破った予選勝ち上がりの韓国イ・チャンミ選手は、2回戦で中国スン・ユ選手にも勝って、ベスト8に名乗りを挙げた
女子ダブルスの日本ペア2組、高橋礼華・松友美佐紀組と米元小春・田中志穂組は、ともに韓国ペアとの対戦となったが、SS優勝7回の高橋・松友組はストレート勝ち、優勝1回の米元・田中組はストレート負けと、明暗が分かれた
混合ダブルスは、唯一初戦を突破した数野健太・栗原文音組が、ほぼ世界ランク同位のマレーシアペアに元気なく敗れ、日本勢がすべて姿を消した。来月21日に開幕する男女混合団体戦スディルマン杯で日本チームの勝敗のカギを握る種目だけに、不安を残す結果に終わった。日本は、マレーシア、ドイツと一次リーグを戦う
なお、この日で各種目のベスト8が出揃ったが、中国が、◆男子シングルス3枠◆女子シングルス2枠◆男子ダブルス4枠◆女子ダブルス3枠◆混合ダブルス4枠――を占め、女子シングルスに遅れは見られるものの、アジアで強国再興の兆しを見せ始めている
日本選手2回戦の結果
【男子シングルス】 チェン・ロン(中国、世界5位)〈21-11,21-14〉上田拓馬(世界48位)、リン・ダン(中国、世界8位)〈21-17,21-15〉常山幹太(世界50位)、リー・チョンウェイ(マレーシア、世界1位)〈22-20,21-12〉西本拳太(世界74位※予選勝ち上がり)
【女子シングルス】 山口茜(世界5位)〈21-18,22-20〉スー・ヤチン(台湾、世界28位)、チェン・ユーフェイ(中国、世界11位)〈19-21,21-10,21-9〉佐藤冴香(世界16位)、プサルラ・ヴェンカタ・シンドゥ(インド、世界3位)〈21-14,21-15〉大堀彩(世界20位)
【男子ダブルス】 園田啓悟・嘉村健士(世界5位)〈21-17,21-18〉ムハンマド・リアン・アルディアント/ファジャル・アルフィアン(インドネシア、世界17位)、リッキー・カランダ・スワルディ/アンガ・プラタマ(インドネシア、世界8位)〈15-21,15-21〉小林優吾・保木卓朗(世界18位)、金子祐樹・井上拓斗(世界22位)〈19-21,21-18,28-30〉キッティヌポン・ケドレン/デチャポン・プアバラヌクロー(タイ、世界27位)、チェン・フンリン/ワン・チリン(台湾、世界13位)〈21-19,21-17〉遠藤大由・渡辺勇大(世界35位)
【女子ダブルス】 高橋礼華・松友美佐紀(世界1位)〈21-14,21-15〉キム・ソヨン/チェ・ユジョン(韓国、世界49位)、チャン・イエナ/イ・ソヒ(韓国、世界3位)〈21-16,21-18〉米元小春・田中志穂(世界8位)
【混合ダブルス】 タン・キアンメン/ライ・ペイジン(マレーシア、世界10位)〈21-11,21-8〉数野健太・栗原文音(世界12位)
準々決勝の対戦カード(※これ以降、27日更新の世界ランキングを反映)
【男子シングルス】
リー・チョンウェイ(マレーシア、世界1位)対スー・ジェンハオ(台湾、世界32位)
リン・ダン(中国、世界8位)対チョウ・ティエンチェン(台湾、世界6位)
ソン・ワンホ(韓国、世界4位)対シー・ユーチ(中国、世界5位)
チェン・ロン(中国、世界9位)対ウン・カロン(香港、世界10位)
【女子シングルス】
タイ・ツーイン(台湾、世界1位)対チェン・ユーフェイ(中国、世界12位)
ニチャオン・ジンダポン(タイ、世界16位)対イ・チャンミ(韓国、世界57位※予選勝ち上がり)
プサルラ・ヴェンカタ・シンドゥ(インド、世界3位)対ホー・ビンジャオ(中国、世界7位)
山口茜(世界5位)対ラッチャノク・インタノン(タイ、世界10位)
【男子ダブルス】
リュウ・ユーチェン/リ・ジュンフェイ(中国、世界2位)対チェン・フンリン/ワン・チリン(台湾、世界11位)
フー・ハイファン/ツァン・ナン(中国、世界25位)対園田啓悟・嘉村健士(世界5位)
ホン・ウェイ/チャイ・ビアオ(中国、世界6位)対キッティヌポン・ケドレン/デチャポン・プアバラヌクロー(タイ、世界27位)
ワン・イーリュ/ホワン・カイシアン(中国、世界15位)対小林優吾・保木卓朗(世界18位)
【女子ダブルス】
高橋礼華・松友美佐紀(世界1位)対ウーン・ケーウェイ/フー・ビビアン・カームン(マレーシア、世界12位)
チャン・イエナ/イ・ソヒ(韓国、世界3位)対ルオ・ユー/ルオ・イン(中国、世界6位)
チェン・チンチェン/ジア・イーファン(中国、世界5位)対ユ・ヘウォン/キム・ヘリン(韓国、世界44位)
チョン・ギョンウン/シン・スンチャン(韓国、世界4位)対ホワン・ドンピン/リ・インフェイ(中国、世界9位)
【混合ダブルス】
ツェン・シウェイ/チェン・チンチェン(中国、世界1位)対デチャポン・プアバラヌクロー/サプシリー・タエラナッチャイ(タイ、世界11位)
プラビーン・ジョーダン/デビー・スサント(インドネシア、世界8位)対ワン・イーリュ/ホワン・ドンピン(中国、世界26位)
ルー・カイ/ホワン・ヤチオン(中国、世界2位)対タン・キアンメン/ライ・ペイジン(マレーシア、世界10位)
ツァン・ナン/リ・インフェイ(中国、世界6位)対リー・チュンヘイ/チャウ・ホイワー(香港、世界13位)