アジア選手権は中国・武漢で始まり、26日の1回戦で日本男子が奮起。上田拓馬、常山幹太、西本拳太のシングルス3選手が相次ぎ世界ランク上位を倒し、2回戦へと進んだ

男子シングルス、最初に登場したのは、繰り上げで出場資格を得た西本選手(22)。世界ランクが低位のため予選からのスタートとなったが、イランとブルネイの選手を問題なく退け本戦へ進むと、1回戦の相手、インドネシア1番手のトミー・スギアルト選手もストレートで破り、勝ち上がった
続いてコートに立った常山選手(20)は前週、チャイナマスターズグランプリ(GP)ゴールドに出場しベスト8まで進んでおり、連戦の疲れも懸念された。しかし、上位大会マレーシアオープンスーパーシリーズ(SS)プレミアでベスト4に入るなど最近好調の香港ウォン・ウィンキ選手とフルゲームを戦い、初対戦で初勝利を挙げた
アジア選手権初登場の若い2人が作ったいい流れに乗る形となったのが、2年連続出場のベテラン上田選手(28)。インドネシアの2番手につける若手3人衆の1人、アンソニー・シンスカ・ギンティン選手(20)との約1時間に及ぶ接戦に、勝利して見せた
もう1人、世界ランク日本最上位の坂井一将選手は、いきなり世界1位リー・チョンウェイ選手とぶつかり敗れたが、「世界で勝てる日本選手」の不在が叫ばれて久しいこの種目で、出場4選手中3選手がそろって世界ランク上位を倒して勝ち上がるのは稀。何とかしなければ、という選手並びにコーチ陣の強い気持ちが反映された結果と受け止められる
ただ、西本、常山、上田の3選手はそれぞれ、次戦でリー・チョンウェイ、リン・ダン、チェン・ロンというトップ3と対峙する。ここでどのような戦いを見せられるか、真価を問われる試合が続く
男子ダブルスでは、日本から出場の4ペアがそろって2回戦に勝ち進んだ
一方、女子は、シングルスの奥原希望選手が予選勝ち上がりの韓国の22歳イ・チャンミ選手に不覚を取ったほか、ダブルスの福島由紀・廣田彩花組が優勝したマレーシアオープンSSプレミアで勝っていた中国1番手の19歳ペア、チェン・チンチェン/ジア・イーファン組に敗れた。また、昨年準優勝の福万尚子・與猶くるみ組は棄権した
混合ダブルスでは、今大会、ナショナルチーム外から唯一出場資格を得た高階知也・江藤理恵組、来月の男女混合団体戦スディルマン杯での活躍も期待される若い渡辺勇大・東野有紗組というアジア選手権初出場の2ペアが初戦で姿を消した。これに対し、昨年に続いて2度目の出場となる数野健太・栗原文音組は、接戦を制してしっかり初戦を突破した
日本選手以外では、男子シングルスで、前週のチャイナマスターズを制した中国ティエン・ホウウェイ選手が、インドのアジャイ・ジャラム選手に敗れる波乱があった
また、インドネシア勢が不振で、男子シングルスで3人中2人が日本選手に敗れたほか、女子シングルスは、1番手のフィトリアニ選手がベトナムのヴ・ティチャン選手に屈したのをはじめ、全員敗退となった。なお、優勝候補の男子ダブルス世界1位マルクス・フェルナルディ・ギデオン/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョ組、混合ダブルス五輪金メダルのタントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル組は、ギデオン、ナッチル両選手の体調不良を理由に、大会直前、出場を取りやめている
日本選手1回戦の結果
【男子シングルス】 リー・チョンウェイ(マレーシア、世界1位)〈21-19,21-11〉坂井一将(世界45位)、アンソニー・シンスカ・ギンティン(インドネシア、世界23位)〈13-21,21-10,17-21〉上田拓馬(世界48位)、ウォン・ウィンキ(香港、世界12位)〈11-21,21-16,14-21〉常山幹太(世界50位)、トミー・スギアルト(インドネシア、世界18位)〈14-21,9-21〉西本拳太(世界74位※予選勝ち上がり)
【女子シングルス】 山口茜(世界5位)〈21-17,21-18〉ゴー・ジンウェイ(マレーシア、世界31位)、奥原希望(世界9位)〈14-21,16-21〉イ・チャンミ(韓国、世界56位※予選勝ち上がり)、サイナ・ネワル(インド、世界8位)〈21-19,16-21,18-21〉佐藤冴香(世界16位)、大堀彩(世界20位)〈21-13,21-3〉サラ・ジョイ・バレド(フィリピン、世界257位※予選勝ち上がり)
【男子ダブルス】 園田啓悟・嘉村健士(世界5位)〈21-10,21-4〉ラトナジット・タマン/ディペシュ・ダミ(ネパール、世界439位※予選勝ち上がり)、小林優吾・保木卓朗(世界18位)〈21-14,20-22,21-10〉キム・ドクヨン/チュン・ウィソク(韓国、世界73位)、金子祐樹・井上拓斗(世界22位)〈21-13,21-12〉ダニー・バワ・クリスナンタ/ヘンドラ・ウィジャヤ(シンガポール、世界28位)、リー・チュンヘイ/ロウ・チュクヒム(香港、世界32位)〈10-21,10-21〉遠藤大由・渡辺勇大(世界35位)
【女子ダブルス】 高橋礼華・松友美佐紀(世界1位)〈21-12,21-8〉ジアイン・クリスタル・ウォン/オン・レンネ(シンガポール、世界90位※予選勝ち上がり)、福万尚子・與猶くるみ(世界7位)〈棄権〉フ・リンファン/チェン・ユーチエ(台湾、世界60位※予選勝ち上がり)、米元小春・田中志穂(世界8位)〈21-13,21-16〉ヴ・ティチャン/グエン・ティセン(ベトナム、世界56位)、チェン・チンチェン/ジア・イーファン(中国、世界5位)〈21-18,21-14〉福島由紀・廣田彩花(世界12位)
【混合ダブルス】 数野健太・栗原文音(世界12位)〈25-23,21-17〉タム・チュンヘイ/ウン・ツーヤウ(香港、世界43位)、渡辺勇大・東野有紗(世界18位)〈16-21,18-21〉リャオ・ミンチュン/チェン・シャオフアン(台湾、世界64位)、ワン・イーリュ/ホワン・ドンピン(中国、世界38位)〈21-9,21-18〉高階知也・江藤理恵(世界78位)
日本選手2回戦の対戦カード
【男子シングルス】 チェン・ロン(中国、世界5位)対上田拓馬(世界48位)、リン・ダン(中国、世界8位)対常山幹太(世界50位)、リー・チョンウェイ(マレーシア、世界1位)対西本拳太(世界74位※予選勝ち上がり)
【女子シングルス】 山口茜(世界5位)対スー・ヤチン(台湾、世界28位)、チェン・ユーフェイ(中国、世界11位)対佐藤冴香(世界16位)、プサルラ・ヴェンカタ・シンドゥ(インド、世界3位)対大堀彩(世界20位)
【男子ダブルス】 園田啓悟・嘉村健士(世界5位)対ムハンマド・リアン・アルディアント/ファジャル・アルフィアン(インドネシア、世界17位)、リッキー・カランダ・スワルディ/アンガ・プラタマ(インドネシア、世界8位)対小林優吾・保木卓朗(世界18位)、金子祐樹・井上拓斗(世界22位)対キッティヌポン・ケドレン/デチャポン・プアバラヌクロー(タイ、世界27位)、チェン・フンリン/ワン・チリン(台湾、世界13位)対遠藤大由・渡辺勇大(世界35位)
【女子ダブルス】 高橋礼華・松友美佐紀(世界1位)対キム・ソヨン/チェ・ユジョン(韓国、世界49位)、チャン・イエナ/イ・ソヒ(韓国、世界3位)対米元小春・田中志穂(世界8位)
【混合ダブルス】 タン・キアンメン/ライ・ペイジン(マレーシア、世界10位)対数野健太・栗原文音(世界12位)