チャイナマスターズGPゴールド準決勝、日本選手はすべて勝利し2種目で決勝進出。この大会、日本勢初のタイトル獲得も、大堀彩選手と川上紗恵奈選手の2人が勝ち進んだ女子シングルスで既に決まった。また、大堀選手はこの日の勝利により、佐藤冴香選手を抜いて日本3番手で世界選手権レースを終えることが確定した

大堀選手は、昨年のアジアジュニア銅メダル、世界ジュニアベスト8の中国の18歳ガオ・ファンジア選手と対戦。実力、実績で上回る日本の20歳は、第1、第2ゲームともに前半を11-5と圧倒して折り返す。後半に入っても着実に点数を重ねていき、1回戦から4試合連続となるストレート勝ちで、決勝進出を決めた
この結果、大堀選手は、今大会で最低でもGPゴールド準優勝のポイント5,950点を確保。1年間の累計ポイントは44,306点(暫定)に増え、現在、山口茜選手(73,831点)、奥原希望選手(57,287点)に次ぐ日本3番手につけている佐藤選手(44,040点)を抜くことが確実となり、日本がレース終了時点で獲得できる3つの出場枠の最終枠に、レース最終戦で滑り込んだ。ただ、出場権を獲得した選手をそのまま出場させるかどうかは、日本バドミントン協会(NBA)が決める
その大堀選手と決勝で対戦することになったのが、川上選手。勝利したものの、大逆転を食らった前日の試合の余韻を引きずっているかのように、第1ゲーム、13-6と7点リードの場面から中国の17歳ツァイ・ヤンヤン選手に6連続得点を許す。これでペースが乱れたか、終盤18-18から初めて逆転され、そのまま一気に持っていかれてしまう。ただ、その後はしっかり立て直し、第2、第3ゲームと若い相手を圧倒した
日本は、2005年から始まったチャイナマスターズで、スーパーシリーズ(SS)の格付けだった2007~13年を含め、これまで一度も優勝者を出していない。しかし13年目の今回、女子シングルス決勝が同国対決となったことで、大堀、川上のいずれかがその名を刻む
過去に、この大会で日本から決勝に進んだのは、SSだった2012、13年の男子ダブルス、早川賢一・遠藤大由組のみ
その男子ダブルスでも、最終日のコートに日本選手が立つ。金子祐樹・井上拓斗組にとってGPゴールド決勝進出は、準優勝に終わった昨年10月のタイオープンに次いで2度目。2013年ルーマニアインターナショナルシリーズ、17年オーストリアインターナショナルチャレンジの優勝に続く、もう1ランク上のタイトル奪取を狙う
一方、トップ4シードの中国勢4人が残った男子シングルス準決勝は、第2シードのティエン・ホウウェイ選手と第3シードのチャオ・ビン選手が勝ち残った。6度の優勝(2005、07、09、10、14、16年)をほこる第1シードのリン・ダン選手は、今大会で最も重要な目標だった世界選手権出場権の自力獲得に必要なポイントを既に得たことでモチベーションが低下したか、9歳下のチャオ・ビン選手に敗れ姿を消した
リン・ダン選手は結局、世界選手権レース終了時点の累計ポイント60,458点で、シー・ユーチ選手(64,383点・確定=今大会不出場)、ティエン・ホウウェイ選手(61,140点・暫定=今大会出場中)に次ぐ中国3番手で出場資格を得る。一方、これに伴い、中国4番手に下がった2014-15年世界選手権2連覇、16年リオデジャネイロ五輪金メダルのチェン・ロン選手(59,054点・確定=今大会不出場)は、自力での出場権獲得を逃す。今後の注目点は、27日以降、出場権を得た選手を実際に出場させるかどうかを決める権限を持つ中国バドミントン協会(CBA)が、どのような決定を下すか、に移る
準決勝の結果
【男子シングルス】
リン・ダン(中国、世界8位)〈16-21,21-15,14-21〉チャオ・ビン(中国、世界24位)
ティエン・ホウウェイ(中国、世界9位)〈21-18,17-21,21-6〉ホワン・ユーシアン(中国、世界28位)
【女子シングルス】
川上紗恵奈(世界73位)〈18-21,21-11,21-8〉ツァイ・ヤンヤン(中国、世界156位)
大堀彩(世界20位)〈21-17,21-13〉ガオ・ファンジエ(中国、世界83位)
【男子ダブルス】
ワン・チリン/チェン・フンリン(台湾、世界13位)〈21-14,13-21,21-18〉ヘンドラ・セティアワン/タン・ブンヒョン(インドネシア/マレーシア、世界56位)
金子祐樹・井上拓斗(世界22位)〈21-9,21-13〉ハルディアント/ベリー・アングリアワン(インドネシア、世界45位)
【女子ダブルス】
ホワン・ドンピン/リ・インフェイ(中国、世界10位)〈16-21,18-21〉バオ・イーシン/ユー・シャオハン(中国、世界24位)
タン・ジンフア/ホワン・ヤチオン(中国、世界26位)〈17-21,21-14,21-17〉シュー・ヤ/ドゥ・ユエ(中国、世界86位)
【混合ダブルス】
ツァン・ナン/リ・インフェイ(中国、世界6位)〈18-21,21-23〉リャオ・ミンチュン/チェン・シャオフアン(台湾、世界64位)
ハフィズ・ファイザル/シェラ・デビ・アウリア(インドネシア、世界27位)〈16-21,8-21〉ワン・イーリュ/ホワン・ドンピン(中国、世界38位)
決勝の対戦カード
【男子シングルス】 ティエン・ホウウェイ(中国、世界9位)対チャオ・ビン(中国、世界24位)
【女子シングルス】 大堀彩(世界20位)対川上紗恵奈(世界73位)
【男子ダブルス】 ワン・チリン/チェン・フンリン(台湾、世界13位)対金子祐樹・井上拓斗(世界22位)
【女子ダブルス】 バオ・イーシン/ユー・シャオハン(中国、世界24位)対タン・ジンフア/ホワン・ヤチオン(中国、世界26位)
【混合ダブルス】 ワン・イーリュ/ホワン・ドンピン(中国、世界38位)対リャオ・ミンチュン/チェン・シャオフアン(台湾、世界64位)