ジャパンオープンSS準々決勝、女子シングルスのベスト4に、日本人2人を含む歴代のアジアジュニア選手権覇者4人が並んだ。女子ダブルスでは、高橋礼華・松友美佐紀組のほか米元小春・田中志穂組が勝ち準決勝で対戦することになったため、2012年から続く日本勢のジャパンオープン決勝進出が決まった
女子シングルス準決勝に進んだのは、中国スン・ユ(アジアジュニア2011年優勝)、大堀彩(同13年優勝)、山口茜(14年優勝)、中国ホー・ビンジャオ(15年優勝)の4選手。このうち山口選手はリオデジャネイロ五輪銅メダルの奥原希望選手を、ホー選手は2013年世界選手権覇者タイのラッチャノク・インタノン選手をそれぞれ破った
山口選手は、ジュニア時代から数えて国際大会通算7度目の対戦で初めて2つ年上の先輩から白星を挙げた。両親も観戦している中、勝てなかった相手に勝てたことは素直にうれしい、と試合後の感想を述べた。その上で、これまではあっさり負けることが多かったが、リオ五輪準々決勝で1ゲームを奪えたことで、勝負できるというイメージが持てた。五輪時のような攻め一辺倒ではなく、攻めるところとラリーに持ち込むところのメリハリをつける展開に持ち込めたと勝因を振り返った。勝利を決めた直後、奥原選手にエールを送られ、「今度は自分が頑張る番」と指摘。準決勝、決勝に向け気を引き締めた
敗れた奥原選手は、同じくこの日姿を消したリオ五輪男子シングルス銅メダルのビクター・アクセルセン選手が認めたように、目標としてきた五輪の直後で再び心身を状態を高めるのが難しかったことに同意しながら、ジャパンオープンは日本のファンの前でプレーできる数少ない機会で、自身が初めてSSのタイトルを獲得した特別な大会であることを強調。勝ちたい気持ちは強かったが、力不足だったと潔く敗戦を受け入れた。その上で、これを1つの区切りとし、東京五輪に向けて再スタートを切る意向を示した
一方、ホー選手は、世界ジュニア選手権3連覇の後、シニアに上がっても世界選手権を制するなど、常にトッププレーヤーとして活躍を続けるインタノン選手に挑み、ファイナルゲーム10-17の逆境をひっくり返し逆転勝ちを収めた。点差を考えずにプレーできたことが奏功したと勝因を語った中国期待の19歳は、世界で活躍する同世代の1人、山口選手について、「ジュニア時代には、2014年ユース五輪決勝で勝ったことがあるが、シニアに上がってからは山口選手の方がはるかに上」と、同じ年のライバルの強さを認める。大堀選手との準決勝に勝って決勝に進みそこで勝つことができれば、新たな一歩を踏み出せる、と再戦への期待をのぞかせた
女子ダブルスの米元・田中組は、タイのリオ五輪代表、サプシリー・タエラッタナチャイ/プティッタ・スパジラクン組に逆転勝ち。初めてのSSベスト4入りを果たした。米元選手は、「以前のパートナーとのペアでの最高成績がベスト8だったので、1つ壁を越えることができた」と達成感を示した。田中選手は、「初めてで雰囲気に緊張したが、やっているうちに慣れてきた」とSS準々決勝を戦った感想を語った
準決勝は、前日の2回戦に続き、この日の準々決勝も快勝した高橋・松友組との同国対決。このため、◆2012年:廣瀬栄理子と松尾静香・内藤真実組(ともに準優勝)◆13年:山口(優勝)と打田しづか(準優勝)、田児賢一(準優勝)◆14年:高橋・松友組(優勝)と前田美順・垣岩令佳組(準優勝)◆15年:奥原(優勝)と山口(準優勝)――に次ぐ、5年連続となる日本勢のジャパンオープン決勝進出が確定した
男子ダブルスは、園田啓悟・嘉村健士組が、前日、リオ五輪代表の早川賢一・遠藤大由組を破った佐伯裕行・垰畑亮太組に逆転勝ち。日本2番手としてホスト国から唯一、準決勝に進んだ
準々決勝の結果
【男子シングルス】
リー・チョンウェイ(マレーシア、世界1位)〈21-12,21-12〉シー・ユーチ(中国、世界32位※予選勝ち上がり)
キダンビ・スリカンス(インド、世界14位)〈21-18,14-21,19-21〉マーク・ツイブラー(ドイツ、世界15位)
ヤン・ヨルゲンセン(デンマーク、世界5位)〈21-6,21-16〉コシット・ペトプラダブ(タイ、世界78位※予選勝ち上がり)
ビクター・アクセルセン(デンマーク、世界4位)〈18-21,13-21〉ソン・ワンホ(韓国、世界8位)
【女子シングルス】
峰歩美(世界37位)〈21-16,17-21,19-21〉大堀彩(世界42位※予選繰り上がり)
ラッチャノク・インタノン(タイ、世界4位)〈20-22,21-14,22-24〉ホー・ビンジャオ(中国、世界15位)
スン・ユ(中国、世界11位)〈21-14,21-9〉高橋沙也加(世界173位※予選勝ち上がり)
奥原希望(世界5位)〈11-21,21-23〉山口茜(世界12位)
【男子ダブルス】
コ・ソンヒョン/キム・ギジョン(韓国、組み換えで世界ランクなし)〈21-12,21-14〉リー・ヤン/リー・ジェフエイ(台湾、世界28位)
園田啓悟・嘉村健士(世界16位)〈16-21,21-15,21-17〉佐伯裕行・垰畑亮太(世界87位)
マシアス・ボー/カールステン・モゲンセン(デンマーク、世界7位)〈18-21,16-21〉リュウ・ユーチェン/リ・ジュンフイ(中国、世界14位)
ヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン(インドネシア、世界6位)〈21-18,21-15〉ワン・イーリュ/ホワン・カイシアン(中国、世界226位)
【女子ダブルス】
高橋礼華・松友美佐紀(世界1位)〈21-11,21-8〉ラウィンダ・プラジョンジャイ/ジョンコンパン・キッティハラクン(タイ、世界20位)
サプシリー・タエラッタナチャイ/プティッタ・スパジラクン(タイ、世界15位)〈21-16,15-21,19-21〉米元小春・田中志穂(世界35位)
ルオ・ユー/ルオ・イン(中国、世界5位)〈21-18,21-10〉松尾静香・内藤真実(世界11位)
クリスティナ・ペダーセン/カミラ・リタ・ユール(デンマーク、世界6位)〈20-22,23-21,21-14〉ウーン・ケーウェイ/フー・ビビアン・カームン(マレーシア、世界13位)
【混合ダブルス】
コ・ソンヒョン/キム・ハナ(韓国、世界1位)〈21-12,21-8〉ニピトポン・プアンプアぺト/ジョンコンパン・キッティハラクン(タイ、世界200位)
チャン・ペンスーン/ゴー・リュウイン(マレーシア、世界8位)〈21-17,21-18〉キム・ギジョン/ソン・スンチャン(韓国、世界28位)
ヨアキム・フィッシャー・ニールセン/クリスティナ・ペダーセン(デンマーク、世界9位)〈18-21,16-21〉ルー・カイ/ホワン・ヤチオン(中国、世界9位)
プアバラヌクロー・デチャポン/サプシリー・タエラナッチャイ(タイ、世界22位)〈13-21,21-17,21-23〉ツェン・シウェイ/チェン・チンチェン(中国、世界35位)
準決勝の対戦カード
【男子シングルス】
リー・チョンウェイ(マレーシア、世界1位)対マーク・ツイブラー(ドイツ、世界15位)
ヤン・ヨルゲンセン(デンマーク、世界5位)対ソン・ワンホ(韓国、世界8位)
【女子シングルス】
ホー・ビンジャオ(中国、世界15位)対大堀彩(世界42位※予選繰り上がり)
スン・ユ(中国、世界11位)対山口茜(世界12位)
【男子ダブルス】
コ・ソンヒョン/キム・ギジョン(韓国、組み換えで世界ランクなし)対園田啓悟・嘉村健士(世界16位)
ヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン(インドネシア、世界6位)対リュウ・ユーチェン/リ・ジュンフイ(中国、世界14位)
【女子ダブルス】
高橋礼華・松友美佐紀(世界1位)対米元小春・田中志穂(世界35位)
ルオ・ユー/ルオ・イン(中国、世界5位)対クリスティナ・ペダーセン/カミラ・リタ・ユール(デンマーク、世界6位)
【混合ダブルス】
コ・ソンヒョン/キム・ハナ(韓国、世界1位)対チャン・ペンスーン/ゴー・リュウイン(マレーシア、世界8位)
ルー・カイ/ホワン・ヤチオン(中国、世界9位)対ツェン・シウェイ/チェン・チンチェン(中国、世界35位)