日本代表選手は、違法賭博の問題発覚で突然、試合に集中するのが困難な状況下に置かれながら、アジアで世界の強豪相手に戦っている。10日に閉幕したマレーシアオープンスーパーシリーズ（ＳＳ）プレミアに続いて、12日からはシンガポールオープンＳＳで次なる戦いが幕を開ける
マレーシアでは早川賢一・遠藤大由組、高橋礼華・松友美佐紀組、松尾静香・内藤真実組の３ペアがベスト８入り。このうち松尾・内藤組は準々決勝でロンドン五輪金メダリストを前回対戦したスイスオープングランプリ（ＧＰ）ゴールドに続いて連破し、日本勢で唯一、ベスト４に残った。ただ準決勝では、準々決勝で高橋・松友組を破った中国ユー・ヤン／タン・ユエンティン組の前に屈し、2012年ジャパンオープン以来のＳＳ決勝進出は果たせなかった
早川・遠藤組は、準々決勝で過去１度しか勝ったことのない世界ランク１位の韓国イ・ヨンデ／ユ・ヨンソン組を相手にファイナルゲーム、20-19とマッチポイントをつかむ。しかし決め切れずに、逆転を許し20-22で敗退。昨年と同じベスト８どまりとなった
今シーズン既に３勝（うち２勝はＳＳ）している高橋・松友組は、マレーシアマスターズＧＰゴールドと全英オープンＳＳプレミアの２度、決勝で対戦し連破した中国ユー・ヤン／タン・ユエンティン組と今年３度目の顔合わせ。１ゲームずつ取り合い迎えたファイナルゲーム、序盤からリードされるが追い上げ、17-17で追いつく。流れは日本ペアに移ったかに見えたが、３連敗を阻止したい中国ペアに突き放され、今シーズン５大会目にして初めて準決勝に進めなかった
日本勢不在の決勝は、男子シングルスでマレーシアのリー・チョンウェイ選手が、デンマークのビクター・アクセルセン、ヤン・ヨルゲンセン両選手を退け、ディフェンディングチャンピオンの中国チェン・ロン選手と今シーズン初対戦。昨年後半の中国オープンＳＳプレミア、香港オープンＳＳに続いて勝ち、自国開催のこの大会で11度目の優勝を果たし、チェン・ロン選手との通算対戦成績も12勝12敗の五分に戻した。一方、中国リン・ダン選手は準々決勝でデンマークのヤン・ヨルゲンセン選手にストレート負けした
女子シングルスは、タイのラッチャノク・インタノン選手が台湾タイ・ツーイン選手に１ゲームも与えず快勝。全試合ストレート勝ちで、インドオープンに次ぐＳＳ２週連続優勝を果たした。インタノン選手は試合後、目標の１つである世界ランク１位に近ついてきているとの認識を示した。また、BadPaL の質問に対し、「最大の敵は中国勢に限定されない。奥原選手も調子を上げているので、さらに上に向かわなければいけない」と答えた
ダブルスは、男子が熾烈な韓国２番手争いを続けるキム・サラン／キム・ギジョン組、女子は高橋・松友、松尾・内藤を連破した中国ユー・ヤン／タン・ユエンティン組、混合は2014年フレンチオープン以来のＳＳ制覇となったインドネシアのタントウィ・アーマド／リリアナ・ナッチル組が、それぞれ頂点に立った
準々決勝の結果
【男子シングルス】 チェン・ロン（中国、世界１位）〈21-16,21-16〉ティエン・ホウウェイ（中国、世界７位）、ラジフ・ウーセフ（イングランド、世界21位）〈19-21,19-21〉クリスティ・ジョナタン（インドネシア、世界37位※予選勝ち上がり）、リン・ダン（中国、世界３位）〈17-21,4-21〉ヤン・ヨルゲンセン（デンマーク、世界５位）、リー・チョンウェイ（マレーシア、世界４位）〈14-21,13-21〉ビクター・アクセルセン（デンマーク、世界６位）
【女子シングルス】 カロリナ・マリン（スペイン、世界１位）〈13-21,15-21〉ワン・イーハン（中国、世界６位）、ラッチャノク・インタノン（タイ、世界４位）〈21-7,21-8〉プサルラ・ヴェンカタ・シンドゥ（インド、世界10位）、サイナ・ネワル（インド、世界８位）〈19-21,21-14,21-14〉ポーンティップ・ブラナプラサーツク（タイ、世界22位）、ワン・シーシャン（中国、世界５位）〈14-21,14-21〉タイ・ツーイン（台湾、世界９位）
【男子ダブルス】 イ・ヨンデ／ユ・ヨンソン（韓国、世界１位）〈18-21,21-14,22-20〉早川賢一・遠藤大由（世界６位）、フー・ハイファン／ツァン・ナン（中国、世界３位）〈21-15,19-21,17-21〉キム・サラン／キム・ギジョン（韓国、世界８位）、コ・ソンヒョン／シン・ベクチョル（韓国、世界５位）〈16-21,19-21〉ホン・ウェイ／チャイ・ビアオ（中国、世界７位）、ヘンドラ・セティアワン／モハンマド・アーサン（インドネシア、世界２位）〈8-21,21-17,17-21〉マッズ・コンラド・ペターセン／マッズ・ピーラー・コルディング（デンマーク、世界12位）
【女子ダブルス】 ツァオ・ユンレイ／ティエン・チン（中国、世界５位）〈19-21,21-18,10-21〉松尾・内藤（世界12位）、高橋礼華・松友美佐紀（世界１位）〈21-14,17-21,18-21〉ユー・ヤン／タン・ユエンティン（中国、世界７位）、チョン・ギョンウン／シン・スンチャン（韓国、世界６位）〈21-17,21-17〉チェン・チンチェン／ジア・イーファン（中国、世界19位）、グレイシア・ポリー／ニトヤ・クリシンダ・マヘスワリ（インドネシア、世界３位）〈21-16,18-21,21-18〉チャン・イエナ／イ・ソヒ（韓国、世界８位）
【混合ダブルス】 ツァン・ナン／ツァオ・ユンレイ（中国、世界１位）〈21-15,21-12〉ダニー・バワ・クリスナンタ／ユーヤン・バネッサ・ネオ（シンガポール、世界28位）、チャン・ペンスーン／ゴー・リュウイン（マレーシア、世界12位）〈21-18,20-22,21-17〉プアバラヌクロー・デチャポン／サプシリー・タエラナッチャイ（タイ、世界39位）、コ・ソンヒョン／キム・ハナ（韓国、世界３位）〈21-14,18-21,7-21〉ヨアキム・フィッシャー・ニールセン／クリスティナ・ペダーセン（デンマーク、世界７位）、タントウィ・アーマド／リリアナ・ナッチル（世界２位）〈21-17,21-14〉クリス・アドコック／ガブリエル・アドコック（イングランド、世界６位）
準決勝の結果
【男子シングルス】
チェン・ロン（中国、世界１位）〈8-21,21-19,21-14〉クリスティ・ジョナタン（インドネシア、世界37位※予選勝ち上がり）
リー・チョンウェイ（マレーシア、世界４位）〈21-7,21-14〉ヤン・ヨルゲンセン（デンマーク、世界５位）
【女子シングルス】
ラッチャノク・インタノン（タイ、世界４位）〈21-11,21-19〉ワン・イーハン（中国、世界６位）
サイナ・ネワル（インド、世界８位）〈19-21,13-21〉タイ・ツーイン（台湾、世界９位）
【男子ダブルス】
イ・ヨンデ／ユ・ヨンソン（韓国、世界１位）〈16-21,12-21〉キム・サラン／キム・ギジョン（韓国、世界８位）
ホン・ウェイ／チャイ・ビアオ（中国、世界７位）〈26-24,21-19〉マッズ・コンラド・ペターセン／マッズ・ピーラー・コルディング（デンマーク、世界12位）
【女子ダブルス】
ユー・ヤン／タン・ユエンティン（中国、世界７位）〈21-15,21-18〉松尾静香・内藤真実（世界12位）
グレイシア・ポリー／ニトヤ・クリシンダ・マヘスワリ（インドネシア、世界３位）〈16-21,14-21〉チョン・ギョンウン／シン・スンチャン（韓国、世界６位）
【混合ダブルス】
ツァン・ナン／ツァオ・ユンレイ（中国、世界１位）〈26-24,15-21,13-21〉チャン・ペンスーン／ゴー・リュウイン（マレーシア、世界12位）
タントウィ・アーマド／リリアナ・ナッチル（インドネシア、世界２位）〈21-18,21-17〉ヨアキム・フィッシャー・ニールセン／クリスティナ・ペダーセン（デンマーク、世界７位）
決勝の結果
【男子シングルス】 チェン・ロン（中国、世界１位）〈13-21,8-21〉リー・チョンウェイ（マレーシア、世界４位）
【女子シングルス】 ラッチャノク・インタノン（タイ、世界４位）〈21-14,21-15〉タイ・ツーイン（台湾、世界９位）
【男子ダブルス】 ホン・ウェイ／チャイ・ビアオ（中国、世界７位）〈19-21,15-21〉キム・サラン／キム・ギジョン（韓国、世界８位）
【女子ダブルス】 チョン・ギョンウン／シン・スンチャン（韓国、世界６位）〈11-21,17-21〉ユー・ヤン／タン・ユエンティン（中国、世界７位）
【混合ダブルス】 タントウィ・アーマド／リリアナ・ナッチル（インドネシア、世界２位）〈23-21,13-21,21-16〉チャン・ペンスーン／ゴー・リュウイン（マレーシア、世界12位）
BadPaL 