ドイツ南西部に位置するザールラント州ザールブリュッケンで１日まで開催されたビットブルガーオープングランプリ（ＧＰ）ゴールドで、女子シングルスの山口茜選手が優勝した。史上最年少16歳でスーパーシリーズ（ＳＳ）を制した2013年ジャパンオープンに次ぐ２つ目の国際シニア大会のタイトルで、五輪レースにつながる今シーズン２番目に高いランキングポイントを稼いだ
主戦場とするＳＳより１つ下のグレードの大会ながら、台湾のエース、マレーシアのエース、スペインの２番手を順当に破り、最大の山場とみられた準決勝では前世界チャンピオンのタイのラッチャノク・インタノン選手に快勝。決勝は、同世代のライバルである１つ年上のタイ２番手ブサナン・ウンパンルンパン選手と対戦し、第１ゲームを失うが、第２ゲーム以降徐々にペースをつかむと、ファイナルゲームは出だしから試合を掌握。積極的に仕掛けてしっかり勝ちをつかんだ。日本選手がこの大会で優勝するのは、2011年女子ダブルスの藤井瑞希・垣岩令佳組以来。シングルスでは男女を通じて初めて
ＧＰゴールド優勝で得られるランキングポイントは7,000点。これはＳＳのベスト４（6,420点）にほぼ相当する。山口選手にとっては今シーズン、ジャパンオープン準優勝（7,800点）に次いで２番目に高いポイントの獲得となった
ＧＰゴールドは今年、（１月）マレーシア、インド（２－３月）ドイツ（３月）スイス（４月）中国（４－５月）ニュージーランド（６月）アメリカ（７月）台湾（９ー10月）タイ（10ー11月）ドイツ※ビットブルガー（11月）韓国、マカオ（12月）インドネシア――の計13回、開催が予定されている。このうち日本勢はここまで、◆１月マレーシアマスターズＧＰゴールド：奥原希望選手◆５月ニュージーランドオープンＧＰゴールド：川上紗恵奈選手◆６月ＵＳオープンＧＰゴールド：奥原選手◆11月ビットブルガーオープンＧＰゴールド：山口茜選手――と、女子シングルスばかり４大会で優勝している
山口選手以外の日本勢の主な結果は、男子ダブルスの平田典靖・橋本博且組と園田啓悟・嘉村健士組が準決勝まで進んだがそろって敗退。女子シングルスの奥原選手は、準々決勝でブサナン選手にファイナルゲーム17-9と大きくリードしながら逆転負け。ベスト８どまりだった
日本勢以外では、リオデジャネイロ五輪出場を視野に７月に国際大会に本格復帰してきたポーランドのロンドン五輪混合ダブルス代表、ロベルト・マティウシアク／ナディエズダ・ジーバ組が、第１シードのイングランド、クリス・アドコック／ガブリエル・アドコック組（世界７位）をストレートで下し、今シーズン初めて出場したＧＰゴールドの大会で優勝を飾った
ロンドン五輪では、日本の池田信太郎・潮田玲子組を破るなどしてベスト８に入ったポーランドペアだが、妊娠、出産などでジーバ選手が長く国際舞台から離れていた。しかし今年７月、ロシアで行われた下位大会ホワイトナイツインターナショナルチャレンジで復帰。復帰初戦こそ準優勝に終わったが、その後、７～10月初めにかけ続けて出たインターナショナルチャンレンジ４大会で４連勝。ベスト４に入ったダッチオープンＧＰ、予選敗退に終わったデンマークオープンＳＳプレミアを経て、今回ＧＰゴールドでも優勝を成し遂げたことで、現在52位の世界ランク引き上げへ追撃態勢は整った
決勝の結果
【男子シングルス】 ウン・カロン（香港、世界27位）〈21-12,21-13〉ウォン・ウィンキ（香港、世界28位）
【女子シングルス】 山口茜（世界10位）〈16-21,21-14,21-13〉ブサナン・ウンバンルンパン（タイ、世界17位）
【男子ダブルス】 マッズ・コンラド・ペターセン／マッズ・ピーラー・コルディング（デンマーク、世界８位）〈21-18,21-18〉ウラジミール・イワノフ／イワン・ソゾノフ（ロシア、世界13位）
【女子ダブルス】 ツェ・インシュー／プーン・ロクヤン（香港、世界33位）〈10-21,18-21〉ユー・ヤン／タン・ユエンティン（中国、世界797位）
【混合ダブルス】 クリス・アドコック／ガブリエル・アドコック（イングランド、世界７位）〈18-21,17-21〉ロベルト・マティウシアク／ナディエズダ・ジーバ（ポーランド、世界52位）
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