
全英オープンSSプレミア2回戦、20歳の桃田賢斗選手は2年連続となるベスト8入りを果たし、大会前に自ら課した最低限のハードルをクリアした。ただ、さらなる高みを目指すには、次に立ちはだかる中国リン・ダン選手との試合で、真の実力者不在といわれる次世代をけん引する選手の1人として潜在力を示すことができるか、試される
男子シングルスでは32歳の佐々木翔選手も2009年以来となる準々決勝進出を決めた。ダブルス陣は、早川賢一・遠藤大由、園田啓悟・嘉村健士、前田美順・垣岩令佳の3ペアがいずれもストレートで勝ち上がった

試合会場である「バークレイカードアリーナ」では3日、大会開幕に合わせ、リン・ダン選手(31)に、インドネシアのタウフィック・ヒダヤット氏(33)、デンマークのピーター・ゲード氏(38)を加えた3人の「レジェンド」を集めた会見が行われた。それに関連して、「いまだリン・ダン、リー・チョンウェイに代わる真の実力を備えたトップ選手がいない。そうした選手が出てくるまで、あと5年は待たないとならない」など、バドミントン界の次の世代を担うスター選手の不在を危惧する声が上がった
桃田選手は2012年に獲得したアジアジュニア選手権、世界ジュニア選手権の両タイトルをひっさげ、いわば鳴り物入りでシニアの大会に乗り込んできた。ただ当初より、思うようにいかないことを強く自認。暗中模索を続けながらここまで進んできた。現在世界ランク15位(3月5日時点)。来年のリオデジャネイロ、そして最大の目標に掲げる5年後の東京で金メダルを狙うには、五輪2大会連続金メダル、世界選手権5回優勝のリン・ダン選手はいつか越えなければならない相手。初顔合わせとなる準々決勝でどういったパフォーマンスを見せられるか、注目される
桃田選手は昨年の全英オープン準々決勝で、もう1人のレジェンド、マレーシアのリー・チョンウェイ選手(32)と初めて対戦し、14-21,18-21で敗れている
今年の全英オープンでは、1回戦に続き2回戦でもシード選手が早々に敗れる波乱があった。女子シングルス第1シードの中国リ・シュエリ選手は、同じ中国の若手実力者スン・ユ選手にストレート負けを喫した。男子ダブルスでは、昨年決勝で早川・遠藤組を下して優勝。連覇を狙っていた第4シード、インドネシアのヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン組が、中国フー・ハイファン/ツァン・ナン組にファイナルゲーム18-21で敗れ、ベスト8にも届かず大会を終えた
日本選手2回戦の結果
【男子シングルス】
桃田賢斗(世界14位)〈9-21,21-15,21-16〉マーク・ツイブラー(ドイツ、世界16位)
佐々木翔(世界17位)〈18-21,21-14,21-18〉ディオニシウス・ハヨム・ルンバカ(インドネシア、世界32位)
チョウ・ティエンチェン(台湾、世界7位)〈14-21,21-9,21-17〉上田拓馬(世界26位)
【女子シングルス】
ワン・イーハン(中国、世界5位)〈21-23,21-6,21-16〉三谷美菜津(世界16位)
【男子ダブルス】
早川賢一・遠藤大由(世界6位)〈21-14,21-16〉チェン・フンリン/ワン・チリン(台湾、世界45位※予選勝ち上がり)
リュウ・シャオロン/チュウ・ツィハン(中国、世界8位)〈21-15,21-11〉平田典靖・橋本博且(世界12位)
園田啓悟・嘉村健士(世界15位)〈21-14,21-19〉キム・サラン/キム・ギジョン(韓国、世界22位)
【女子ダブルス】
前田美順・垣岩令佳(世界5位)〈21-8,21-9〉バージット・ミシェルズ/イザベル・ハートリッヒ(ドイツ、世界101位※予選勝ち上がり)
ルオ・ユー/ルオ・イン(中国、世界3位)〈16-21,21-13,21-15〉福万尚子・與猶くるみ(世界71位)
【混合ダブルス】
マッズ・ピーラー・コルディング/カミラ・リタ・ユール(デンマーク、世界12位)〈21-17,21-11〉早川賢一・松友美佐紀(世界26位)
準々決勝の対戦カード(※これ以降、5日更新の世界ランキングを反映)
【男子シングルス】
チェン・ロン(中国、世界1位)対チョウ・ティエンチン(台湾、世界8位)
リン・ダン(中国、世界6位)対桃田賢斗(世界15位)
佐々木翔(世界16位)対ラジフ・ウーセフ(イングランド、世界22位)
ヤン・ヨルゲンセン(デンマーク、世界2位)対ビクター・アクセルセン(デンマーク、世界7位)
【女子シングルス】
ラッチャノク・インタノン(タイ、世界8位)対スン・ユ(中国、世界18位)
サイナ・ネワル(インド、世界3位)対ワン・イーハン(中国、世界5位)
ソン・ジヒョン(韓国、世界4位)対カロリナ・マリン(スペイン、世界6位)
ワン・シーシャン(中国、世界2位)対タイ・ツーイン(台湾、世界7位)
【男子ダブルス】
マッズ・コンラド・ペターセン/マッズ・ピーラー・コルディング(デンマーク、世界11位)対ケビン・サンジャヤ・スカムルホ/ギデオン・マルクス・フェルナルディ(インドネシア)
リュウ・シャオロン/チュウ・ツィハン(中国、世界8位)対フー・ハイファン/ツァン・ナン(中国、世界9位)
ツァイ・チアシン/リー・シェンム(台湾、世界4位)対早川賢一・遠藤大由(世界6位)
マシアス・ボー/カールステン・モゲンセン(デンマーク、世界2位)対園田啓悟・嘉村健士(世界19位)
【女子ダブルス】
ツァオ・ユンレイ/ティエン・チン(中国、世界1位)対前田美順・垣岩令佳(世界5位)
ルオ・ユー/ルオ・イン(中国、世界4位)対ユー・ヤン/ワン・シャオリ(中国、世界7位)
クリスティナ・ペダーセン/カミラ・リタ・ユール(デンマーク、世界3位)対バオ・イーシン/タン・ユエンティン(中国)
グレイシア・ポリー/ニトヤ・クリシンダ・マヘスワリ(インドネシア、世界8位)対タン・ジンフア/ツォン・チエンシン(中国)
【混合ダブルス】
ツァン・ナン/ツァオ・ユンレイ(中国、世界1位)対コ・ソンヒョン/キム・ハナ(韓国、世界6位)
マッズ・ピーラー・コルディング/カミラ・リタ・ユール(デンマーク、世界11位)対プラビーン・ジョーダン/デビー・スサント(インドネシア、世界13位)
タントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル(インドネシア、世界4位)対クリス・アドコック/ガブリエル・アドコック(イングランド、世界5位)
ヨアキム・フィッシャー・ニールセン/クリスティナ・ペダーセン(デンマーク、世界2位)対ルー・カイ/ホワン・ヤチオン(中国、世界9位)