Three Men of Thomas Cup champion show their spirit in Australian Open

オーストラリアンオープンスーパーシリーズ(SS)1回戦、日本勢はこの日、男子シングルスでトマス杯のメンバーが奮起した。前週のインドネシアオープンSSプレミアで準優勝し、今大会への出場を取りやめたエースの田児賢一選手を除く、桃田賢斗佐々木翔上田拓馬の3選手だ

Kento
Kento MOMOTA

桃田選手は、4月に敗れた世界ランクが1つ上のデンマーク、ハンス・クリスチャン・ビティングス選手にストレート勝ち。日本の初優勝に大きく貢献したトマス杯以降、ジャパンオープンSS、インドネシアオープンSSプレミアと2週続いた1回戦敗退という負の連鎖からようやく抜け出した

桃田選手は試合直後、BadPaL の取材に応じ、「調子はそれほどでもないが、1回戦負けが続いているのでこの辺りで勝っておかないと」と強い気持ちで臨んでいたことを明かした。また前々週、前週の2大会での1回戦負けを振り返り、「一球に対する執着心が足りなかった。気の緩みがあったと思う」と自ら指摘した上で、「引きずってしまっている部分はあるが終わったこと。経験として次に活かしていかなければ」と強調した

Sho
Sho SASAKI

佐々木選手は、台湾のエース、チョウ・ティエンチェン選手の堅実なプレーに手こずりながらも、ファイナルゲームの末に勝ち、2回戦に進んだ。佐々木選手は BadPaL に対し、ジャパンオープンに続いて2回戦負けに終わったインドネシアオープンを「厳しかった。学ぶことが多かった」と評した上で、オーストラリアンオープンについては、「この大会ではこれまで結果が出ているのでがんばりたい気持ちが強い」と述べた。オーストラリアンオープンは今年からSSに格上げされた。佐々木選手は、まだグランプリ(GP)ゴールドだった2011年に優勝している

Takuma
Takuma UEDA

上田選手と初戦の相手、マレーシアのダレン・リュー選手は、5月のトマス杯決勝で、第3シングルスとしてチームの勝敗を決する大事な試合をそれぞれ国を背負って戦った。この日は個人として試合に臨み、トマス杯ではプレッシャーに苦しみ敗れたリュー選手がオープニングゲームを簡単に取る。しかし上田選手は第2ゲームを競り合いから奪い返すと、ファイナルゲームも続けて取り、リベンジを狙ったリュー選手を返り討ちにした

上田選手は試合後、BadPaL に対し、「出だしは意識してしまった。自信を持ってプレーできたのはファイナル中盤を過ぎた辺りから」と明かした。上田選手が思う自身が置かれた現在の状況を聞くと、「世界ランキングが上がらず苦しい時期。今日みたいな接戦をものにして自信をもっていきたい。狙うはトップ8入りだが、現実的に考え年内はトップ16入りを目指す」と述べた

日本勢ではほかに、上位大会SSへの出場機会が限定されるB代表の選手も勝利への強い思いを見せた。女子シングルスの橋本由衣選手が世界8位のタイ、ポーンティップ・ブラナプラサーツク選手にストレート勝ち。女子ダブルスの宮内唯・久後あすみ組も格上のマレーシアペアに快勝した。また男子ダブルスの数野健太・山田和司組は、世界10位のインドネシアペアに競り勝った

Kazushi-Kenta
Kazushi YAMADA / Kenta KAZUNO

このうち、数野・山田組は試合後、BadPaL の取材に応じ、「格上で対戦したことのない相手だったが、ジャパンオープン、インドネシアオープンに続く3大会目で相手が疲れていたようだったので、勢いにのって攻めていこうと思った」と試合を振り返った

ペアとして国際大会4大会目の2人にコンビネーションの完成度を聞いたところ、数野選手は「守りに回った時に弱い部分がある。自分たちが攻めていった方が勝ち目があると思う」と述べた。また、かつてシングルスで国際試合を転戦していた山田選手は、「(完成度は)まだ70%ぐらい。ただ(ダブルスを)約1年間やって慣れてきた。シングルスとは違う経験」と答えた。2人が目指す当面の目標を尋ねると、「A代表入りしたい。ただA代表に入っても世界ランキングが下の方ではどうしようもない。現在は出場できる大会の数が限られているため、あまりランキングの上昇は見込めないが、30位辺りにはいたい」と答えた

Akane and TAI
17 years-old Akane was defeated by 20 year-old TAI TzuYing

一方、女子シングルスの若手のホープ2人、山口茜選手と大堀彩選手は、初戦で世界の壁に跳ね返された。このうち台湾の20歳、タイ・ツーイン選手に敗れた17歳の山口選手に試合後、現在の自分に不足しているものは何かと尋ねると、「技術面での問題は分かっている。(不足しているのは)それをやるための精神面の強さ。経験も必要と思う」と、悔し涙を浮かべながらも、しっかりした口調で答えた

日本選手1回戦の結果

【男子シングルス】 ハンス・クリスチャン・ビティングス(デンマーク、世界11位)〈19-21,12-21〉桃田賢斗(世界12位)、佐々木翔(世界16位)〈21-18,20-22,21-16〉チョウ・ティエンチェン(台湾、世界19位)、上田拓馬(世界25位)〈9-21,23-21,21-15〉ダレン・リュー(マレーシア、世界52位)、シモン・サントソ(インドネシア、世界27位)〈21-12,21-17〉坂井一将(世界62位)、ブリス・レベルデス(フランス、世界32位)〈21-10,21-13〉武下利一(世界110位)

【女子シングルス】 高橋沙也加(世界12位)〈21-10,21-14〉イップ・プイイン(香港、世界21位)、廣瀬栄理子(世界15位)〈21-7,21-12〉シモネ・プラッチ(オーストリア、世界81位)、ポーンティップ・ブラナプラサーツク(タイ、世界8位)〈11-21,14-21〉橋本由衣(世界74位)、タイ・ツーイン(台湾、世界7位)〈22-20,21-15〉山口茜(世界91位)、プサルラ・ヴェンカタ・シンドゥ(インド、世界10位)〈21-16,21-14〉大堀彩(世界171位)

【男子ダブルス】 平田典靖・橋本博且(世界11位)〈21-17,14-21,21-14〉チャユット・トリヤチャート/ダニー・バワ・クリスナンタ(シンガポール、世界37位)、園田啓悟・嘉村健士(世界13位)〈13-21,16-21〉コ・ソンヒョン/シン・ベクチョル(世界14位)、ライアン・アグン・サプトラ/アンガ・プラタマ(インドネシア、世界10位)〈20-22,17-21〉数野健太・山田和司(世界137位)

【女子ダブルス】 前田美順・垣岩令佳(世界5位)〈21-11,21-14〉ジェニファー・タム/アリス・ウー(オーストラリア、世界200位)、ユー・シャオハン/ホワン・ヤチオン(中国、世界18位)〈16-21,17-21〉松尾静香・内藤真実(世界56位)、アメリア・アリシア・アンシェリー/スーン・フィエチョ(マレーシア、世界23位)〈7-21,16-21〉宮内唯・久後あすみ(世界80位)

高橋礼華・松友美佐紀組(世界3位)は第2シードのため2回戦から登場

【混合ダブルス】 橋本博且・前田美順(世界27位)〈21-19,12-21,13-21〉チェン・フンリン/チェン・ウェンシン(台湾、世界40位)、チャン・ペンスーン/ライ・ペイジン(マレーシア、世界64位)〈21-17,21-10〉数野健太・宮内唯(世界216位)

日本選手2回戦の対戦カード

【男子シングルス】 桃田賢斗(世界12位)対佐々木翔(世界16位)、上田拓馬(世界25位)対ティエン・ホウウェイ(中国、世界13位)

【女子シングルス】 高橋沙也加(世界12位)対橋本由衣(世界74位)、ベ・ヨンジュ(韓国、世界5位)対廣瀬栄理子(世界15位)

【男子ダブルス】 イ・ヨンデ/ユ・ヨンソン(韓国、世界4位)対平田典靖・橋本博且(世界11位)、キム・サラン/キム・ギジョン(韓国、世界5位)対数野健太・山田和司(世界137位)

【女子ダブルス】 高橋礼華・松友美佐紀(世界3位)対宮内唯・久後あすみ(世界80位)、前田美順・垣岩令佳(世界5位)対松尾静香・内藤真実(世界56位)

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