
インドネシアスーパーリーガ最終日、男子決勝に残ったのは開幕前の予想通り、世界ランク上位の外国人を複数助っ人に迎えた2チーム。田児賢一選手を加えたジャヤラヤ・ジャカルタが、昨年の覇者ムシカチャンピオンからのタイトル奪取に挑んだ

ジャヤラヤの先鋒として決勝のコートに立った田児選手の相手は、世界ランクで見れば51位と伏兵ながら、昨年6月のインドネシアオープンスーパーシリーズ(SS)プレミアで不覚を取ったインドネシアのアラムシャ・ユヌス選手。
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しかしこの日は、田児選手が攻守にわたって力の差を見せつけ、ねばり強さが身上のユヌス選手を寄せ付けず、危なげない勝利で第1シングルスの重責を果たした
ジャヤラヤは続く第1ダブルスも、北京五輪金メダルのマルキス・キド/ヘンドラ・セティアワン組で取り、2対0として初優勝に王手をかける

しかし第2シングルスで、世界選手権銅メダルを獲得したベトナムのグエン・ティエンミン選手が、先ごろインドネシアのナショナルチームから外れたばかりのシモン・サントソ選手に敗れる誤算。次の第2ダブルスはほぼ互角の展開となるが、ムシカチャンピオンがロシアから招へいした、1.97メートルの長身ながら、シングルス、ダブルス両方をこなす器用さを兼ね備えたウラジミール・イワノフ選手が、インドネシアのパートナー、ハルディヤント選手とかみ合い勝利。決着は、最終の5種目目に持ち越される

ただ、ムシカチャンピオンの第3シングルスは、4位に終わったロンドン五輪後に韓国代表から退いたものの、プロとして競技活動を続ける33歳のベテラン、イ・ヒョンイル選手。華麗なフットワークは健在で、ジャヤラヤのウィスヌ・ユリ・プラセトヨ選手を難なく下し、チームを連覇に導いた
ムシカチャンピオンは、決勝で活躍したウラジミール・イワノフ選手(ロシア)、イ・ヒョンイル選手(韓国)のほか、マーク・ツイブラー選手(ドイツ)とリー・チョンウェイ選手(マレーシア※2試合のみの出場契約。既に帰国)を雇い入れ、連覇に万全の態勢を敷いていた
対するジャヤラヤは、田児選手(世界5位)とグエン選手(世界8位)以外に、国内の別のクラブから世界3位のトミー・スギアルト選手を招き、そん色ないメンバーを揃えていたが、決勝の数日前に体調を崩し、出場できなくなったのが響いた
インドネシアスーパーリーガの現行規定では、各チームが補強できる外国人の数に上限はない。ただし、1試合にエントリーできる外国人の数はシングルス、ダブルスにかかわらず2人までに制限される
男子決勝の結果
◆ジャヤラヤ・ジャカルタ(インドネシア)2-3ムシカチャンピオン(インドネシア)
【第1シングルス】 田児賢一〈21-16,21-16〉アラムシャ・ユヌス(インドネシア)
【第1ダブルス】 マルキス・キド/ヘンドラ・セティアワン(インドネシア)〈21-11,18-21,21-17〉ライヤン・アグン・サプトラ/ワヒュ・ナヤカ(インドネシア)
【第2シングルス】 グエン・ティエンミン(ベトナム)〈16-21,18-21〉シモン・サントソ(インドネシア)
【第2ダブルス】 ボナ・セプタノ/ギデオン・マルクス・フェルナルディ(インドネシア)〈13-21,21-14,17-21〉ウラジミール・イワノフ/ハルディヤント(ロシア/インドネシア)
【第3シングルス】 ウィスヌ・ユリ・プラセトヨ(インドネシア)〈10-21,13-21〉イ・ヒョンイル(韓国)

一方、3位決定戦に進んだ日本ユニシスは、ここまで第1シングルスとして全試合に出場してきた上田拓馬選手に代わり、第2シングルスから繰り上がりでトップバッターにたった坂井一将選手が先勝。第2シングルスの井上拓斗選手は連日、起用され続けた疲れもあってか敗れるが、続く第1ダブルスで昨年10月の東京国体で再結成を果たした数野健太・早川賢一組が快勝し、2対1とリードする。しかし、ここから地元のHI-QUAウィマ・スラバヤが奮起。日本ユニシスが送り込んだ3人の10代、小野寺祐介選手と井上拓斗・金子祐樹組を退け、逆転で銅メダルを確保した
日本ユニシス男子は、一次リーグで敗退した昨年の結果は上回ったが、準決勝と3位決定戦に相次いで敗れ、2年目のスーパーリーガをメダルなしの4位で終えた

男子3位決定戦の結果
◆日本ユニシス2-3HI-QUAウィマ・スラバヤ(インドネシア)
【第1シングルス】 坂井一将〈21-9,21-14〉アリフ・ギファル・ラマダン(インドネシア)
【第2シングルス】 井上拓斗(インドネシア)〈8-21,15-21〉ファウジ・アドナン(インドネシア)
【第1ダブルス】 数野健太・早川賢一〈21-16,21-17〉ロナル・アレキサンダー/リズキー・ヒダヤット・イスマイル(インドネシア)
【第3シングルス】 〈18-21,19-21〉フェブリャン・イルバナルディ(インドネシア)小野寺祐介
【第2ダブルス】 井上拓斗・金子祐樹〈18-21,22-24〉セルバヌス・ゲー/アデ・ユスフ・サントソ(インドネシア)