世界ジュニア選手権個人戦3日目、すべての種目で2試合ずつ行い、ベスト8が出揃った。日本からは女子シングルスの大堀彩選手と山口茜選手、女子ダブルスの星千智・櫻本絢子組と松田蒼・東野有紗組が勝ち上がった

星・櫻本組はシードのため、ペアとしてはこの日が初戦。まず朝一番に行われた2回戦でインドネシアペアを21-14,21-12のストレートで下すと、続く夕方の3回戦ではクロアチアペアを21-14,21-10で退け、順当にベスト8入りを果たした
星、櫻本両選手は前日まで、シングルスに出場して試合をしているが、ダブルスは団体戦にも出場機会がなかったので、この会場で試合するのは初めて。BadPal に対し、「最初はうまくいかないところがあったが、声をかけあって途中からいつも通りのプレーができた」と初戦を振り返った
中学1年生の時から6年間ペアを組んできた2人にとって、この大会は1つの区切りとの位置付けにある。「あまり先のことは考えずに1つ1つ。その結果として、目標とする優勝につながれば」と静かに語った

ダブルスではもう1ペア、松田・東野組が準々決勝への切符を手にした。2日前の1回戦で、山場と見ていた韓国ペアに勝利した勢いを持続し、この日もシンガポールとマレーシアのペアを連破。「がんばるではなく、勝ちにいく」(松田)と試合前に話していたが、見事に有言実行した
とりわけベスト8入りのかかったマレーシア戦はファイナルゲームまでもつれる接戦で、終盤17-12とリードしながら、相手に5連続得点を許し追いつかれるピンチがあった。しかし、「自分たちの目標はここではない。負ける気はしなかった」と東野選手が試合後語った通り、動じる様子も見せず強気で押し切り、勝利をもぎとった。東野選手は BadPaL に対し、「混合ダブルスも含め、この日3試合目で足にきていたが、勝ちたい気持ちの方が強かった。すごくうれしい」と試合直後の感想を語った。あすの準々決勝では第2シードの中国ペアと対戦する。松田選手は「次はアジアジュニア選手権で負けた相手。これに勝って、目標のメダルを手にしたい」と述べ、勝利への強い意気込みを示した

日本期待の女子シングル2人も勝って準々決勝に進んだ。前日の初戦で少し不安な立ち上がりを見せた山口選手はこの日、タイとインドの選手にいずれもストレート勝ち。ベスト8入りを決めた直後に BadPaL の取材に応じ、「きょう2試合して、調子は上がってきている。きのうの初戦で悩まされた風も、コートによっては気にならなくなった。1試合目終了から2試合目までの待ち時間は長かったかなと思うが、あすは1試合だけで、開始時間も遅くなるのでいい」と語った。その上で、あすの準々決勝に向け、「動きは良くなっているので、集中してミスを減らしていきたい」と抱負を述べた

一方、前日は快勝した大堀選手だが、この日の1試合目のマレーシア戦は出だしでつまずき、いきなり4-11と大量リードを奪われる。終盤追いつき22-20で第1ゲームを取るが、第2ゲーム序盤も相手に5連続得点を与えるなど、周囲を冷や冷やさせた。BadPaL が試合後、要因を尋ねると「初戦の時とは違う、やりにくい風が吹いていて、うまく調節できずとまどった」と明かした。しかしこの試合に勝ち、数時間後に行われた2試合目の韓国戦では、「1試合目と同じコートで風の調節ができた」こともあり、持ち味である積極的な攻撃姿勢が戻り、危なげない試合運びで圧勝した
大堀選手は、ここにきてようやく思い切ったプレーができるようになったように見えたが、との BadPaL の問いに、「団体戦の時のように自分が小さくなって負けたらもったいない、と考えられるようになった」と答えた。あすの準々決勝については、「ベスト4決めの試合なので、負けられない」としっかりした口調で述べた
この日はほかに、女子ダブルスの永原和可那・宮浦玲奈組と男子ダブルスの常山幹太・下農走組がそれぞれ第1、第3シードの中国ペアを相手に、勝利まであと一歩に迫る健闘を見せた。しかしわずかに及ばず、今大会を終えた
日本選手3日目(昼の部)の結果
【男子シングルス3回戦】 常山幹太〈21-17,21-10〉アルン・ジョージ(インド)、小林優吾〈21-10,22-20〉タン・チュンマン(香港)、小野寺祐介〈21-15,21-9〉イ・ジュンス(韓国)
【女子シングルス3回戦】 大堀彩(第1シード)〈21-20,21-17〉S.キソナ(マレーシア)、山口茜(第3シード)〈21-15,21-12〉タモンアン・プープラダブシン(タイ)
【男子ダブルス2回戦】 キム・ジョンホ/キム・ジェファン(韓国、第4シード)〈21-18,21-14〉五十嵐優・中里裕貴、タオ・ジエンチ/ツァオ・ジエン(中国、第3シード)〈21-17,18-21,21-19〉常山幹太・下農走
【女子ダブルス2回戦】 永原和可那・宮浦玲奈〈21-15,21-16〉パチャラプン・チョチュウォン/チャニサ・テチャボラシンスクン(タイ)、星千智・櫻本絢子〈21-14,21-12〉フェブリアニ・エンダー・クスマワティ/スルヤ・デラ・アウグスティア(インドネシア)、松田蒼・東野有紗〈21-17,21-13〉ヨー・ジアミン/チュア・エレイン・イリン(シンガポール)
【混合ダブルス3回戦】 モルテンセン・フレデリク・ソガード/マイケン・フォーゴール(デンマーク)〈21-12,21-14〉保木卓朗・宮浦玲奈、小野寺祐介・東野有紗〈24-26,21-16,9-21〉ツァン・ウィンチウ/チャン・タクチン(香港)
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日本選手3日目(夜の部)の結果
【男子シングルス4回戦】 イーサン・マウラナ・ムストファ(インドネシア)〈21-19,21-18〉常山幹太、クリスティ・ジョナタン(インドネシア)〈24-22,21-11〉小林優吾、イ・ジュンス(韓国)〈21-10,21-11〉小野寺祐介
【女子シングルス4回戦】 大堀彩(第1シード)〈21-10,21-12〉イ・ミンジ(韓国)、山口茜(第3シード)〈21-10,21-15〉S.G.ルスビカ(インド)
【女子ダブルス3回戦】 ジア・イーファン/ホワン・ドンピン(中国、第1シード)〈21-18,22-20〉永原和可那・宮浦玲奈、星千智・櫻本絢子〈21-14,21-10〉ドロティ・スタラ/マハ・パブリニク(クロアチア)、チェン・ウェンヤップ/チューン・ジョイス・ワイチ(マレーシア)〈18-21,21-19,17-21〉松田蒼・東野有紗
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各種目準々決勝の対戦カード
【男子シングルス】
イーサン・マウラナ・ムストファ(インドネシア)対パンナウィット・トンヌアム(タイ)
ファビアン・ロス(ドイツ、第4シード)対ホ・クワンヒ(韓国)
スーン・ジューベン(マレーシア)対ワン・ツーウェイ(台湾)
ツァオ・ジュンペン(中国)対クリスティ・ジョナタン(インドネシア)
【女子シングルス】
大堀彩(第1シード)対リャン・シャオユ(シンガポール)
ステファニ・ストエバ(ブルガリア、第4シード)対ホー・ビンジャオ(中国)
山口茜(第3シード)対キム・ヒョミン(韓国)
ブサナン・ウンバンルンパン(タイ、第2シード)対ハナ・ラマディニ(インドネシア)
【男子ダブルス】
リ・ジュンフェイ/リュウ・ユーチェン(中国、第1シード)対ヤントニ・エディ・サプトラ/ファジャル・アルフィアン(インドネシア)
ワン・チリン/ティエン・ツーチエ(台湾)対オン・ユーシン/ダレン・イサック・デバダス(マレーシア)
リャオ・チフン/チャン・コチ(台湾)対ソ・スンジェ/チェ・ジョンウ(韓国)
ホワン・カイシアン/ツェン・シウェイ(中国)対ケビン・サンジャヤ・スカムルジョ/アルヤ・マウラナ・アディアルタマ(インドネシア)
【女子ダブルス】
ジア・イーファン/ホワン・ドンピン(中国、第1シード)対星千智・櫻本絢子
リケ.S.ハンセン/ジュリー・フィン・イプセン(デンマーク、第4シード)対キム・ジウォン/チェ・ユジョン(韓国)
ナリサパト・ラム/プティタ・スパジラクン(タイ、第3シード)対マパサ・セトヤナ/ロシタ・エカ・プトリ・サリ(インドネシア)
チェン・チンチェン/ヘ・ジエシン(中国、第2シード)対松田蒼・東野有紗
【混合ダブルス】
チェ・ソルギュ/チェ・ユジョン(韓国、第1シード)対リー・ヤン/ウェン・ハオユン(台湾)
ホワン・カイシアン/チェン・チンチェン(中国、第4シード)対プアワラヌクロ・デチャポン/プティタ・スパジラクン(タイ)
ケビン・サンジャヤ・スカムルジョ/マシタ・マームディン(インドネシア)対キティポン・チャイロジカンジャナ/ナリサパト・ラム(タイ)
リュウ・ユーチェン/ホワン・ドンピン(中国、第2シード)対テリー・ヒー/チュア・イレイン・イリン(シンガポール)