デンマークオープンSSプレミア準決勝、早川賢一・遠藤大由、高橋礼華・松友美佐紀、前田美順・垣岩令佳の3組が、昨年に続く日本勢による決勝進出を狙った。いずれのペアにもチャンスはあったがものにできず、果たせなかった

昨年この大会で準優勝した高橋・松友組は、第1シードの中国ユー・ヤン/ワン・シャオリ組の棄権により勝ち上がった中国タン・ジンフア/バオ・イーシン組と決勝進出をかけて対戦した。なお中国側のコーチ席には、棄権したワン・シャオリ選手が座った

第1ゲームは序盤から中国ペアに先行を許す展開となるが、劣勢にあっても動じるようすを見せずに点数を重ねていき16-16で追いつき、そのまま21-19でこのゲームを取る。第2ゲームも中盤までは中国ペアを3点差以内で追いかける流れで15-18までいくが、今度は追いつくことができず15-21で振り切られる。ファイナルゲームに入っても中国ぺアの優位は変わらず、8-11で前半を終える。日本ペアは後半何とか追いすがろうとするが、中国ペアに突き放される形でじりじりと点差が開いていき、15-21で力尽きた
高橋・松友組は試合後、BadPaL の取材に応じ、「前日、中国ペアのビデオを見て速いと思ったが、同時に穴もあると感じた。前衛得意のバオ選手を後ろに回す作戦だったが、途中、レシーブに迷いが出て、後半は上げるだけになってしまった」と敗因を語った。ただ「大会全体を通じたプレーは悪くなく、準決勝でも敗れはしたが、収穫はあった」という。高橋、松友両選手は今大会期間中、メダル獲得を期待されて初戦敗退という結果に終わってしまった8月の世界選手権以降、「勝った試合でも負けた試合でも、自分たちが成長できているのを感じている」と強調していた。今大会、ベスト4に終わったことで、準優勝した昨年獲得したランキングポイントを減らすことになるが、「ここから先も世界ランクはトップ4を維持していきたい」と述べている

1月の韓国オープンSSプレミアからペアとして国際大会への参戦を開始し、今回初めてSSプレミアでべスト4に入った前田・垣岩組は、地元デンマーク期待のクリスティナ・ペダーセン/カミラ・リタ・ユール組と決勝進出をかけて対戦した。試合開始早々、いきなり4点を失う苦しい立ち上がりとなる。離されずについていき、一時は2点差まで迫るが追い切れず、17-21で第1ゲームを失う。第2ゲームは一転、日本ペアが一方的に攻め込み、21-7で取り、試合をふりだしに戻す。ファイナルゲームは、前田・垣岩組が6-4とリードした場面から大崩れ。インターバルを挟んで11連続失点で突き放されると、その後も反撃の糸口を見つけられないまま8-21の大差で敗れた
前田・垣岩組は BadPaL の取材に応じ、ファイナルゲームで11連続得点を許してしまった場面について、「元々サーブ周りは相手が優位だったが、 それまでうまくいっていたロブにこちらが自信をなくしてしまった。しっかりシャトルを奥まで上げられていれば大丈夫だが、浅くなりユール選手に好きに打たせてしまった。何とか切り替えようとした時には簡単なミスをしてしまい、流れをこちらに戻せなかった。気持ちの持ちようだったのかなとも思う」と説明した。その上で、「打ちのめされた感はあるが、次の対戦時は、負けをひきずるのでなく、ファイナルゲームを除くこの試合の前半の良いイメージを持って臨みたい」と前を向いた
SSプレミアで初のベ スト4という結果をどうとらえるか聞いたところ、垣岩選手は、「ベスト8を目標に置いていたのでそれを上回ることができてうれしい。ただ準決勝に関しては、ジャパンオープン1回戦で福島(由紀選手)と組んで対戦した時よりも勝てる感覚があったのでくやしい気持ちもある。効いている球もあった。守勢から攻撃へ移行するためのレシーブの強化が必要」と強調した。また前田選手は、「準決勝で敗れはしたものの、勝ち上がってきたことで世界トップクラスのペアと対戦できたことが大事」と指摘した

早川・遠藤組は、準々決勝で平田典靖・橋本博且組に勝って上がってきた世界チャンピオンのインドネシア、ヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン組を相手に、互角の試合を展開する。ただ第1ゲームは接戦を抜け出し、先に20-19とゲームポイントを握りながら追いつかれ、もみあいになった挙句、25-27で敗れてしまう。第2ゲームも日本ペアの主導で進むが、後半15-15で並ばれると、そのまま逆転を許す。その後は追いかける立場となり、19-19、20-20、21-21で再三追いつくものの逆転することは叶わず、21-23で振り切られ今大会を終えた
遠藤選手はBadPaL に対し、「競ることはできるが、あそこで勝ち切れないのはまだ実力差があるということ。チャレンジャーなのに、こちらのプレーが小さくなるのはあり得ない」と敗戦直後の感想を述べた。早川選手は「サーブでは点が取れている。こちらの方が浮き沈みがあるノーロブ(低空でのラリー)に差がある」と指摘。この点については、遠藤選手が「向こうが得意なノーロブでやり合う必要もない」と付け加えた。ベスト4という結果に関しては、「良かったと思うが、勝ちたい相手に勝てていないのが課題」(早川)。「さらに上を目指す意味でも、ベスト4で良かったと思わないようにしたい」(遠藤)と、それぞれコメントした
日本選手以外では、男子シングルスで世界1位のリー・チョンウェイ選手(マレーシア)と同2位のチェン・ロン選手(中国)が順当に決勝進出。女子シングルスは今年8月、史上最年少の世界チャンピオンになったラッチャノク・インタノン選手(タイ)が、前回(2011年)チャンピオンのワン・イーハン選手(中国)にファイナルゲームの末に敗れた。男子ダブルスでは韓国の新しいペア、イ・ヨンデ/ユ・ヨンソン組が地元デンマーク期待のマシアス・ボー/カールステン・モゲンセン組にストレート勝ちし、初出場で決勝まで進んだ
準決勝の結果
【男子シングルス】 リー・チョンウェイ(マレーシア、世界1位)〈20-22,21-6,21-15〉ドゥ・ペンユ(中国、世界3位)、チェン・ロン(中国、世界2位)〈21-18,21-13〉タノンサク・サエンソンプーンサック(タイ、世界19位)
【女 子シングルス】 ソン・ジヒョン(韓国、世界6位)〈21-19,21-14〉ワン・シーシャン(中国、世界7位)、ラッチャノク・インタノン(タイ、世界2位)〈23-21,19-21,17-21〉ワン・ イーハン(中国、世界5位)
【男子ダブルス】 ヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン(インドネシア、世界2位)〈27-25,23-21〉早川賢一・遠藤大由(世界4位)、マシアス・ボー/カールステン・モゲンセン(デンマーク、世界3位)〈18-21,13-21〉イ・ヨンデ/ユ・ヨンソン(韓国)
【女子ダブルス】 高橋礼華・松友美佐紀(世界4位)〈21-19,15-21,15-21〉タン・ジンフア/バオ・イーシン(中国)、クリスティナ・ペダーセン/カミラ・リタ・ユール(デンマーク、世界3位)〈21-17,7-21,21-8〉前田美順・垣岩令佳(世界35位)
【混合ダブルス】 ツァン・ナン/ツァオ・ユンレイ(中国、世界1位)〈21-18,21-15〉ヨアキム・フィッシャー・ニールセ ン/クリスティナ・ペダーセン(デンマーク、世界4位)、シュー・チェン/マー・ジン(中国、世界2位)〈11-21,18-21〉タントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル(インドネシア、世界3位)
決勝の対戦カード
【男子シングルス】 リー・チョンウェイ(マレーシア、世界1位)対チェン・ロン(中国、世界2位)
【女 子シングルス】 ワン・ イーハン(中国、世界5位)対ソン・ジヒョン(韓国、世界6位)
【男子ダブルス】 ヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン(インドネシア、世界2位)対イ・ヨンデ/ユ・ヨンソン(韓国)
【女子ダブルス】 クリスティナ・ペダーセン/カミラ・リタ・ユール(デンマーク、世界3位)対タン・ジンフア/バオ・イーシン(中国)
【混合ダブルス】 ツァン・ナン/ツァオ・ユンレイ(中国、世界1位)対タントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル(インドネシア、世界3位)