
スーパーシリーズ(SS)ファイナル決勝、早川賢一・遠藤大由組は、この大会2連覇中の世界ランク1位、デンマークのマシアス・ボー/カールステン・モゲンセン組に敗れ、今年最後の国際大会を準優勝で締めくくった
試合は実力、実績ともに格上のデンマークペアが、長身から繰り出す角度のあるスマッシュなどを武器に先行する。しかし日本ペアも、いったん攻撃の態勢が整えば、後ろから遠藤選手が打って早川選手が前で詰める形が機能。遠藤選手がエースを決める場面も何度か見られ追い上げるが、追い抜くことはかなわず、一度もリードを奪えぬまま17-21で振り切られる
第2ゲームも、デンマークペアが先に仕掛け、日本ペアに攻撃の機会を与えず主導権を握る。早川・遠藤組も堅いレシーブで切り返すなど離されずについていき17-17で追いつくと、終盤19-18と初めてリードを奪う。しかし、ミスもありこの好機を活かせず、逆に3連続得点を許してしまいストレート負け。中国開催の大会で今年3度目の決勝進出も、頂点には届かなかった

早川・遠藤組は試合後 BadPaL の質問に答え、全日本総合選手権覇者として初めて臨んだ国際大会を振り返り、「日本チャンピオンとして、というより、世界のトップが集まる今大会では、たかが日本チャンピオンといった程度で、胸を借りるつもりで挑んだ。ロンドン五輪のメダリストたちと羽を打ち合えて光栄に思う」(遠藤選手)と謙虚に語った。準優勝という結果については、「準々決勝は(相手棄権で)勝っておらず、決勝でもベストパフォーマンスを出せていない」として、達成感はないとした。ただ、「(五輪メダリストに敗れて)くやしいという気持ちを持ったことが成長かと思う」と述べた
早川・遠藤組は今年、中国スーパーリーグ(CBSL)に日本から初めて参戦したが、この経験が今大会でも活きたという。具体的には、主にメンタル面の強化につながっていると指摘。早川選手は「日本リーグとは環境が違う。それまで苦手だった、観衆すべての視線を集めて1コートだけでやる会場の雰囲気に慣れたこと」を挙げた
一方、今年1年を振り返り、早川選手は「オリンピック出場を逃し、落ちるところまで落ちた感じ。ショックだった。ただ、その後は自分たちのレベルアップにだけ集中できた。その結果として、ナショナルチームに入って4年、これまで勝てなかった全日本総合選手権でようやく勝てたことの達成感は半端ない」と説明した
遠藤選手は来年に向けて、「日本チャンピオンとは言っても世界ではまだBリーグ。トップ選手には相手にされていない」とした上で、「相手が自分たちに勝った時、大喜びするような選手になりたい」と独特な言い回しながら、世界のトップで通用する選手を目指す覚悟を示した。来年の目標を尋ねると、遠藤選手は「まずは全英オープンでベスト8からベスト4をうかがえれば」。早川選手は「SSで優勝したい」と強調した

混合ダブルスは、一次リーグから負けなしで勝ち上がってきたデンマークのヨアキム・フィッシャー・ニールセン/クリスティナ・ペダーセン組が、中国ツァン・ナン/ツァオ・ユンレイ組にフルゲームの末に勝利。大会3連覇を阻止するとともに、ロンドン五輪準決勝で敗れた雪辱を果たした。2009年以来2度目の栄冠に輝いたデンマークペアは試合後の記者会見で、「先手を打つことを心がけた。角度のある攻撃を仕掛けた」と勝因を語った
このほかの3種目は、男子シングルスが第2シードのチェン・ロン選手、女子シングルスが第1シードのリ・シュエリ選手、女子ダブルスが第4シードのユー・ヤン/ワン・シャオリ組と、中国勢がいずれも一次リーグから5戦負けなしで頂点を極めた。このうちユー/ワン組は、男子ダブルスのマシアス・ボー/カールステン・モゲンセン組とともに、大会3連覇を遂げた



決勝の結果
【男子シングルス】 チェン・ロン(中国)〈21-12,21-13〉ドゥ・ペンユ(中国)
【女子シングルス】 リ・シュエリ(中国)〈21-9,15-4棄権〉ワン・シーシャン(中国)
【男子ダブルス】 マシアス・ボー/カールステン・モゲンセン (デンマーク)〈21-17,21-19〉早川賢一・遠藤大由
【女子ダブルス】 ユー・ヤン/ワン・シャオリ(中国)〈21-16,21-14〉クリスティナ・ペダーセン/カミラ・リタ・ユール(デンマーク)
【混合ダブルス】 ツァン・ナン/ツァオ・ユンレイ(中国)〈21-17,12-21,14-21〉ヨアキム・フィッシャー・ニールセン/クリスティナ・ペダーセン(デンマーク)