
スーパーシリーズ(SS)ファイナル準決勝、男子ダブルスの早川賢一・遠藤大由組が、日本勢初の決勝進出を果たした。対戦相手のロンドン五輪金メダリスト、中国カイ・ユン/フー・ハイファン組が第1ゲーム、日本ペアがリードを広げる中、カイ選手の腰の不調により途中棄権したため
全日本総合選手権を初めて制覇したばかりの早川・遠藤組は、4月のアジア選手権(青島)、9月のチャイナマスターズSS(常州)に続いて、中国で今年3度目となる国際大会決勝に挑む
早川・遠藤組は試合直後、BadPaL の取材に応じ、「うれしい」(早川選手)と笑顔で率直な感想を述べた。その一方で遠藤選手が、「まだもうひと試合ある」と気持ちを引き締めた

カイ・ユン選手が長く抱える腰の痛みのため中国ペアの棄権に終わったが、早川・遠藤組はこの試合について、「今年最後になるかもしれない国際試合で相手はオリンピックチャンピオン。胸を借りるつもりで自分たちのプレーがどこまで通用するか、ひいてもしようがないのでどんどん前に出ていこうという気持ちで臨んだ」と説明した。その結果として、「中盤以降、自分が打って早川が前で詰める形ができた」(遠藤選手)と自分たちのプレーを評価した。決勝については、「相手がだれであれ、今日と同じく自分たちのプレーをするだけ。決勝とは思わず、その日の良いプレーをしたい」と述べた

前日、ロンドン五輪金メダルの中国ツァオ・ユンレイ/ティエン・チン組に敗れ、グループ2位で準決勝に進んだ女子ダブルスの松尾静香・内藤真実組は最強の敵、中国ユー・ヤン/ワン・シャオリ組に対し、第1ゲーム序盤こそ食らいつくも、インターバル後はパワーに押し切られる形で一方的な展開となる。第2ゲームに入ってもこの勢いを止めることはできず、両ゲームともに1ケタ台の得点にとどまり、現時点における力の差を見せつけられてのストレート負け。今年最後の国際大会をベスト4という結果で終えた
松尾・内藤組は BadPaL に対し、中国ペアのパワーに加えて、「ユー・ヤン選手の前のタッチにつかまった」(松尾選手)と敗因を語った。その上で、「もっとできたかなと思う。点差を広げられる前にもう少し(点を)取れていたら」(内藤選手)と悔しさをにじませた
今年1年を振り返って、松尾選手は「オリンピックレースの時より、年の後半、落ち着いたプレーができるようになった」という。内藤選手は、「自分のバドミントン人生の中で大きな年だった。オリンピック出場を逃したこともそうだが、行けなかった分、自分たちのプレーを見直し、大きなケガなくここまで国際大会でプレーできたことに充実感を得ている」と話した
各種目準決勝の結果
【男子シングルス】 チェン・ロン(中国)〈21-10,21-18〉フ・ユン(香港)、ドゥ・ペンユ(中国)〈21-23,21-8,21-13〉ハンス・クリスチャン・ビティングス (デンマーク)
【女子シングルス】 リ・シュエリ(中国)〈22-20,7-21,21-13〉サイナ・ネワル(インド)、ラッチャノク・インタノン(タイ)〈12-21,19-21〉ワン・シーシャン(中国)
【男子ダブルス】 マシアス・ボー/カールステン・モゲンセン (デンマーク)〈19-21,21-15〉シェン・イエ/ホン・ウェイ (中国)、早川賢一・遠藤大由〈15-9棄権〉カイ・ユン/フー・ハイファン(中国)
【女子ダブルス】 ツァオ・ユンレイ/ティエン・チン (中国)〈21-19,18-21,22-24〉クリスティナ・ペダーセン/カミラ・リタ・ユール (デンマーク)、ユー・ヤン/ワン・シャオリ(中国)〈21-9,21-8〉松尾静香・内藤真実
【混合ダブルス】 シュー・チェン/マー・ジン(中国)〈21-16,11-21,19-21〉ツァン・ナン/ツァオ・ユンレイ(中国)、ヨアキム・フィッシャー・ニールセン/クリスティナ・ペダーセン(デンマーク)〈21-19,21-13〉スッケー・プラパカモン/サラリー・トゥントーンカム(タイ)
決勝の対戦カードは以下の通り。男女シングルスは中国同士の対戦。ダブルス3種目にはいずれもデンマーク勢が残った
【男子シングルス】 チェン・ロン(中国)対ドゥ・ペンユ(中国)
【女子シングルス】 リ・シュエリ(中国)対ワン・シーシャン(中国)
【男子ダブルス】 マシアス・ボー/カールステン・モゲンセン (デンマーク)対早川賢一・遠藤大由
【女子ダブルス】 ユー・ヤン/ワン・シャオリ(中国)対クリスティナ・ペダーセン/カミラ・リタ・ユール(デンマーク)
【混合ダブルス】 ツァン・ナン/ツァオ・ユンレイ(中国)対ヨアキム・フィッシャー・ニールセン/クリスティナ・ペダーセン(デンマーク)