アジア選手権3日目、各種目ベスト8をかけた試合が行われ、日本選手は、男子ダブルスの平田典靖・橋本博且組と早川賢一・遠藤大由組、女子ダブルスの松尾静香・内藤真実組、混合ダブルスの佐藤翔治・松尾静香組が勝ち上がった

このうち混合ダブルスの佐藤・松尾組は試合直後、BadPaL の取材に対し、今大会で優勝を狙う姿勢を明確に示した
とりわけ佐藤選手は、先に行われた男子ダブルスで敗れたため、「オリンピックを狙うには優勝しかない」と明言。松尾選手もこれに意見を同じくした。現在世界15位の佐藤・松尾組は、この種目で日本が得られるただ1つの五輪出場枠をめぐり、世界11位の池田信太郎・潮田玲子組を追いかけている

元世界ランク1位の台湾ペアを攻撃的なプレーで下した女子ダブルスの松尾・内藤組も、この大会での明確な目標を口にした。松尾選手は「ベスト4はいらない」と強調。内藤選手は「自分たちの力を出し切れば上にいけると思う。ここまできたら優勝を狙いたい」と述べた。世界7位の松尾・内藤組は世界5位の末綱聡子・前田美順組と女子ダブルス2つ目の出場枠を争っている

一方、今大会とインドオープンスーパーシリーズ(SS)を残すだけとなったオリンピックレースを勝ち抜くためには負けられない男子ダブルスの佐藤翔治・川前直樹組と女子ダブルスの末綱聡子・前田美順組が、いずれも世界ランク下位の相手に不覚をとり、早々に姿を消した

また、女子ダブルスで五輪切符をほぼ確保している藤井瑞希・垣岩令佳組(世界4位)が、昨年9月のジャパンオープンSSで逆転負けした因縁の中国若手ペア、バオ・イーシン/ツォン・チエンシン組(世界15位)に再びフルゲームの末に敗れた。この試合で藤井・垣岩組は終盤、本来得意とする長いラリーで逆にポイントを落とす場面が相次いだ。藤井選手は「相手が気合いを入れて、十分な準備をしてきていた」と説明。垣岩選手は「クリアの打ち合いになった時、ペースを変えられず、ただ打ち返すだけになってしまった」と振り返り、残り100日を切ったオリンピックに向け克服すべき課題が浮き彫りになった
シングルス陣で勝ち残っていた若手2人、桃田賢斗選手と三谷美菜津選手はそれぞれ中国のトップ選手に挑んだが、いずれも現時点での実力差を見せられ敗退した
この日は、女子シングルスで世界トップ4を占める強豪中国の牙城を崩すことが期待されたインドのサイナ・ネワル選手(世界5位)が、中国の若手チェン・シャオジア選手(世界40位)にストレート負けを喫する波乱。中国がこの種目での選手層の厚さをあらためて示した
大会3日目の日本選手の試合結果
【男子シングルス】 チェン・ジン(中国、世界5位)〈21-10,21-10〉桃田賢斗(世界208位)
【女子シングルス】 ワン・シーシャン(中国、世界3位)〈21-18,21-10〉三谷美菜津(世界29位)
【男子ダブルス】 平田典靖・橋本博且(世界7位)〈21-19,21-17〉ライアン・アグン・サプトラ/アンガ・プラタマ(インドネシア、世界16位)、佐藤翔治・川前直樹(世界12位)〈13-21,16-21〉キム・ギジョン/キム・サラン(韓国、世界29位)、早川賢一・遠藤大由(世界14位)〈21-17,21-10〉リ・ジェン/リュウ・チェン(中国、世界170位)
【女子ダブルス】 藤井瑞希・垣岩令佳(世界4位)〈22-24,21-8,8-21〉バオ・イーシン/ツォン・チエンシン(中国、世界15位)、末綱聡子・前田美順(世界5位)〈12-21,21-12,15-21〉パン・パン/チェン・シュウ(中国、世界23位)、松尾静香・内藤真実(世界7位)〈21-13,21-16〉チェン・ウェンシン/チエン・ユーチン(台湾、世界8位)
【混合ダブルス】 佐藤翔治・松尾静香(世界15位)〈21-12,21-16〉ファディラ・イルファン/アングライニ・ウェニ(インドネシア、世界42位)、平田典靖・前田美順(世界45位)〈11-21,14-21〉カン・ジウク/オム・ヘウォン(韓国)
各種目準々決勝の対戦カードは以下の通り。男子シングルスで8人中6人、女子シングルスで8人中7人を中国選手が占めている
【男子シングルス】 リン・ダン(中国、世界2位)対ブーンサック・ポンサナ(タイ、世界30位)、チェン・ジン(中国、世界5位)対フ・ユン(香港、世界21位)、ドゥ・ペンユ(中国、世界11位)対ガオ・フアン(中国)、チェン・ロン(中国、世界3位)対ワン・ツェンミン(中国、世界14位)
【女子シングルス】 ワン・イーハン(中国、世界1位)対ジアン・ヤンジャオ(中国、世界6位)、ワン・シーシャン(中国、世界3位)対ハン・リ(中国、世界59位)、リ・シュエリ(中国、世界4位)対チェン・シャオチエ(台湾、世界9位)、ワン・シン(中国、世界2位)対チェン・シャオジア(中国、世界40位)
【男子ダブルス】 グオ・ツェンドン/チャイ・ビアオ(中国、世界5位)対ヘンドラ・アプリダ・グナワン/アルベン・ユリアント・チャンドラ(インドネシア、世界11位)、平田典靖・橋本博且(世界7位)対シェン・イエ/ホン・ウェイ(中国、世界13位)、リュウ・シャオロン/チュウ・ツィハン(中国、世界15位)対キム・ギジョン/キム・サラン(韓国、世界29位)、早川賢一・遠藤大由(世界14位)対リム・キムワー/ゴー・ウェイシェム(マレーシア、世界30位)
【女子ダブルス】 ツァオ・ユンレイ/ティエン・チン(中国、世界2位)対チェ・ヘイン/キム・ソヨン(韓国、世界76位)、オム・ヘウォン/チャン・イエナ(韓国、世界22位)対パン・パン/チェン・シュウ(中国、世界23位)、松尾静香・内藤真実(世界7位)対ジュン・キュンユン/キム・ハナ(韓国、世界10位)、バオ・イーシン/ツォン・チエンシン(中国、世界15位)対クンチャラ・ウォラビチッチャイクン/ドゥアンアノン・アルンゲーソン(タイ、世界24位)
【混合ダブルス】 ツァン・ナン/ツァオ・ユンレイ(中国、世界1位)対佐藤翔治・松尾静香(世界15位)、チェン・フンリン/チェン・ウェンシン(台湾、世界5位)対キム・サラン/チェ・ヘイン(韓国、世界174位)、ムハンマド・リジャル/デビー・スサント(インドネシア、世界13位)対カン・ジウク/オム・ヘウォン(韓国)、シュー・チェン/マー・ジン(中国、世界2位)対ウォン・ワイホン/チャウ・ホイワー(香港、世界35位)