Japanese Women become Asian Team Champion

‘ONE for ALL, ALL for ONE’

女子の国・地域別対抗戦ユーバー杯アジア予選の決勝が18日行われ、今大会第2シードの日本が準決勝に次ぐ連日の逆転劇で、見事に第1シードの中国を破って優勝した

中国は今年のユーバー杯本戦(5月20~27日)の開催国として出場権を得ているため、アジア予選に出場する必要はなかった。しかし、シングルス世界ランク1~3位のワン・イーハンワン・シンワン・シーシャンの3選手、ダブルス世界1位のユー・ヤン/ワン・シャオリ組を外した、いわば1.5軍で参戦してきた

それでも予選第1ラウンドから準決勝まで、シングルスとダブルス合わせて全16試合のうち落とした試合は1つだけと、その実力は他チームを圧倒していた

決勝は、第1シングルスの佐藤冴香選手が格上のリ・シュエリ選手に挑むも、フルゲームの末に敗れたところからスタートした。続いて第1ダブルスの藤井瑞希・垣岩令佳組が、世界2位のツァオ・ユンレイ/ティエン・チン組と対戦。昨年12月のスーパーシリーズ(SS)ファイナルで勝っており、勝機は十分あったが、第1ゲームを競り合いながら落とすと、第2ゲームは中国(=世界)ナンバー2に力及ばずストレート負けした

Eriko brought hope

チームが0対2と追い詰められた状況で登場したのは、大舞台での経験豊富な廣瀬栄理子選手。格上のリュウ・シン選手を相手に第1ゲーム序盤から互角以上の試合を展開し、20-17と先にゲームポイントを握る。しかしここから追いつかれ、逆にゲームポイントを2度与えてしまうが、集中力を切らすことなく凌いで25-23で先勝した。ただ第2ゲームは中盤に逆転され、そのまま一気に持っていかれる。ファイナルゲームに入っても流れはリュウ選手にあったが、廣瀬選手は4-7とリードされた場面から5連続得点で逆転に成功。その後は追い上げを許さず21-16で勝利。最初の1勝をもたらし、チームを踏みとどまらせた

廣瀬選手は試合直後、BadPaL の取材に応じ、後のない状況で試合に臨んだプレッシャーについて、「みんながんばっていたので、自分は自分の仕事をして勝つだけと思っていた」と淡々とコメント。ただその直後に、「でも勝ててうれしい」と満面の笑みで語った。また今大会に迎えるにあたっては、「応援してくれる人がたくさんいた。1月のマレーシアオープンSS以降、良い練習ができていたので、どれだけできるか試したかった」と話した

Mami-Shizuka brought confidence

廣瀬選手の勝利で出番が回ってきた第2ダブルスの松尾静香・内藤真実組の相手は、パン・パン/チェン・シュウ組。1月のマレーシアオープンSSで初めて対戦し勝っていたこともあり、試合開始直後から大きくリードし第1ゲームを難なく取る。第2ゲームは逆に中盤過ぎまでリードを許す展開となるが、13-15から一気に加速。21-16で勝ち、最終の第3シングルスにつなげた

松尾選手は BadPaL に対し、「(マレーシアで)勝っている相手だったので自信はあったが、団体戦は個人戦とは違う。それでもチームから、思い切ってやっておいで、と送り出してもらったので、余計なプレッシャーを抱えることなくやれた」と説明した。また内藤選手は「マレーシアオープンを終えた後から、厳しいが良い練習ができている。体が出来上がってきていることで、自信にもつながっている」とし、最近の好調をアピールした

and Minatsu brought victory

2対2となり、勝敗の行方を託され最後にコ―トに立ったのは、準決勝に続いて起用された三谷美菜津選手。プレッシャーから萎縮する恐れもあったが、2010年世界選手権チャンピオンのワン・リン選手に臆することなく向かっていった。第1ゲームは先行されるが、終盤17-17で追いつくと、連続得点でこのゲームを取る。第2ゲームに入るとさらに勢いに乗り、先輩たちの力強い声援をバックに、終わってみればワン選手に一度もリードを許すことなく21-14で勝利。チームを優勝に導いた

チームメイトならびにコーチから祝福とともに迎えられた三谷選手は、表彰式後に BadPaL の取材に応じ、今大会について「団体戦は初めてで、準々決勝までは出場する機会がなかったので、どうしても出たかった。出場できたら自分のもっているものすべてを出したいと思っていた」と語った。その点、チームの窮地を救った準決勝、決勝の2試合については、「すべてを出し切れた、かな……」と笑みを見せながらも、多少含みを持たせた

Team captain and New heroine

決勝戦で、誰よりも大きな声を出してチームメイトを鼓舞し続けた日本女子のキャプテン、末綱聡子選手は、「準決勝のタイ戦で0対2と追い詰められたところから、三谷が流れを変えてくれて逆転で勝てたのが、きょうの中国戦の勝利にもつながったと思う」と今大会を総括した

◆ユーバー杯アジア予選決勝

日本〈3-2〉中国

【第1シングルス】佐藤冴香(世界15位)〈18-21,21-12,6-21〉リ・シュエリ(世界7位)

【第1ダブルス】藤井瑞希・垣岩令佳(世界6位)〈19-21,15-21〉ツァオ・ユンレイ/ティエン・チン(世界2位)

【第2シングルス】廣瀬栄理子(世界19位)〈25-23,12-21,21-16〉リュウ・シン(世界10位)

【第2ダブルス】松尾静香・内藤真実(世界6位)〈21-14,21-21〉パンパン/チェン・シュウ(世界27位)

【第3シングルス】三谷美菜津(世界34位)〈21-19,21-14〉ワン・リン(世界102位)

 

またこの日、ユーバー杯アジア予選決勝に先立って行われたトマス・ユーバー杯アジア予選3位決定戦の結果は以下の通り

◆ユーバー杯アジア予選3位決定戦

タイ〈3-2〉台湾

【第1シングルス】ラッチャノク・インタノン(世界13位)〈21-19,21-13〉チェン・シャオチエ(世界9位)

【第1ダブルス】クンチャラ・ウォラビチッチャイクン/ドゥアンアノン・アルンゲーソ(世界21位)〈15-21,11-21〉チェン・ウェンシン/チエン・ユーチン(世界8位)

【第2シングルス】ポーンティップ・ブラナプラサーツク(世界14位)〈21-18,26-28,21-19〉タイ・ツーイン(世界16位)

【第2ダブルス】サビトリー・アミタパイ/ソムスリ・ネッサラ(世界44位)〈17-21,13-21〉ワン・ペイロン/シー・ペイチャン(世界35位)

【第3シングルス】ニチャオン・ジンダポン(世界86位)〈19-21,21-17,21-19〉パイ・シャオマ(世界25位)

 

◆トマス杯アジア予選3位決定戦

KOO plays singles !

インドネシア〈3-2〉マレーシア

【第1シングルス】シモン・サントソ(世界10位)〈2-7棄権〉ダレン・リュー(世界45位)

【第1ダブルス】ヘンドラ・アプリダ・グナワン/アルベン・ユリアント・チャンドラ(世界9位)〈14-21,18-21〉フーン・ティエンハウ/ゴー・ウェイシェム(世界33位)

【第2シングルス】トミー・スギアルト(世界17位)〈21-15,21-7〉モハマド・アリフ・アブドゥル・ラティフ(世界52位)

【第2ダブルス】マルキス・キド/ヘンドラ・セティアワン(世界10位)〈21-16,21-13〉テオ・コクシアン/リム・キムワー

【第3シングルス】ディオニシウス・ハヨム・ルンバカ(世界25位)〈21-8,21-9〉クー・ケンケット

※男子ダブルス世界6位のクー・ケンケット選手が突如、第3シングルスに出場して周囲を驚かせたこの試合、3位決定戦への出場を回避した男子シングルス世界1位のリー・チョンウェイ選手をはじめとするチームメイトやコーチが見守る中、時折笑いも誘いながら行われた

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