
トマス・ユーバー杯アジア予選準決勝、日本の男女がともに勝って、決勝進出を果たした。とりわけ女子は0対2と追い詰められた状況から、残り3試合を取る逆転勝利で、若手の躍進著しいタイを止めた

廣瀬栄理子選手と後藤愛選手が立て続けに敗れて、敗戦ムードが漂ったチームに再び息を吹き込んだのは、この日がユーバー杯初出場となった第3シングルスの三谷美菜津選手だった
第1ゲームを奪うも、第2ゲームを競り負け、迎えたファイナルゲーム前半、3-8と大きくリードされるが、ここから粘りを見せ9連続得点で逆転に成功すると、チームメイトの高まる声援を背に、世界ランクのほぼ同じサプシリー・テラッタナチャイ選手を振り切った
三谷選手は試合直後、BadPaL の取材に応じ、「0対2で回ってきて自分の負けはチームの負けにつながるので、やはり緊張した」と明かした。ただ、「思い切ってやってこい、と先輩たちに送り出されたのが良かった」と述べた。ユーバー杯デビューでチームの窮地を救った三谷選手は、もしあすの決勝に「行け」と言われたら、との問いに「その準備はできている」と笑顔で答えた
この後を受けた女子ダブルスの松尾静香・内藤真実、末綱聡子・前田美順の2組はきっちり勝ち星を重ね、3対2の僅差ながらタイを下して決勝進出を決めた
一方、日本男子は、対戦相手のマレーシアが、既に5月の本戦出場権を獲得したのに加えて、残り2カ月余りとなった五輪レースで重要な位置付けにある、3月初めの全英オープンスーパーシリーズ(SS)プレミアをにらみ、主力の2人、リー・チョンウェイ選手(男子シングルス世界1位)とクー・ケンケット選手(男子ダブルス世界6位)を外してオーダーを組んできたことで、佐々木翔選手(男子シングルス世界6位)、平田典靖・橋本博且組(男子ダブルス世界8位)、田児賢一選手(男子シングルス世界7位)の3つで勝負を決めた



◆ユーバー杯アジア予選準決勝
①日本〈3-2〉タイ
【第1シングルス】廣瀬栄理子(世界19位)〈21-16,17-21,17-21〉ラッチャノク・インタノン(世界13位)
【第2シングルス】後藤愛(世界22位)〈14-21,20-22〉ポーンティップ・ブラナプラサーツク(世界14位)
【第3シングルス】三谷美菜津(世界34位)〈21-15,19-21,21-16〉サプシリー・テラッタナチャイ(世界36位)
【第1ダブルス】松尾静香・内藤真実(世界6位)〈21-17,21-11〉サラリー・トゥントーンカム/クンチャラ・ウォラビチッチャイクン(世界13位)
【第2ダブルス】末綱聡子・前田美順(世界5位)〈21-17,21-9〉サビトリー・アミタパイ/サプシリー・テラッタナチャイ(世界62位)
②中国〈3-0〉台湾
【第1シングルス】ジアン・ヤンジャオ(世界6位)〈21-12,21-15〉タイ・ツーイン(世界16位)
【第1ダブルス】ツァオ・ユンレイ/ティエン・チン(世界2位)〈21-13,21-13〉チェン・ウェンシン/チエン・ユーチン(世界8位)
【第2シングルス】リ・シュエリ(世界7位)〈21-19,24-22〉パイ・シャオマ(世界25位)
◆トマス杯アジア予選準決勝
①日本〈3-0〉マレーシア
【第1シングルス】佐々木翔(世界6位)〈21-19,21-16〉ムハンマド・ハフィズ・ハシム(世界33位)
【第1ダブルス】平田典靖・橋本博且(世界8位)〈21-11,11-21,21-18〉リム・キムワー/ゴー・ウェイシェム(世界33位)
【第2シングルス】田児賢一(世界7位)〈30-28,21-19〉ダレン・リュー(世界45位)
②中国〈3-0〉インドネシア
【第1シングルス】チェン・ロン(世界3位)〈21-13,21-8〉タウフィック・ヒダヤット(世界12位)
【第1ダブルス】グオ・ツェンドン/チャイ・ビアオ(世界5位)〈21-17,21-12〉モハンマド・アーサン/ボナ・セプタノ(世界7位)
【第2シングルス】チェン・ジン(世界5位)〈21-14,21-8〉トミー・スギアルト(世界17位)
18日は、ユーバー杯(女子)アジア予選決勝【日本対中国】のほか、トマス杯アジア予選3位決定戦【インドネシア対マレーシア】とユーバー杯アジア予選3位決定戦【タイ対台湾】が予定されている
一方、トマス杯(男子)アジア予選決勝【日本対中国】は、大会最終日の19日に行われる