ベトナムオープンGP準決勝、日本選手が男子と女子のシングルスで決勝進出を果たした

ノーシードから勝ち上がってきた女子シングルスの今別府香里選手(世界ランク49位)は、台湾のタイ・ツーイン選手(世界19位)と対戦した。タイ選手は17歳の若手ながら、7月のUSオープンGPゴールドで後藤愛、廣瀬栄理子、佐藤冴香と日本のトップ3選手を次々と下して優勝。上位大会であるスーパーシリーズ(SS)でも準優勝(2010年シンガポールオープン)を飾るなど、既に国際舞台で実績を残している強豪だ
しかしこの試合は全般にわたって今別府選手が支配した。第2ゲームの後半、粘りが身上のタイ選手の追い上げに遭うが、「第1ゲームを先取したことで気持ちに余裕があり、仮にファイナルに入っても相手の方が苦しく、やれる」とプレッシャーやあせりは感じなかったという
準決勝に勝利した直後、会場の片隅から次の対戦相手の試合を見ていた今別府選手、決勝への意気込みについては、「もちろん勝ちたいが、勝ちたい意欲が出過ぎてプレーが単調になったりミスしたりで自滅する傾向が今大会でも出ている」と自ら認めた上で、点を欲しがるのではなくラリーに集中し、自分の力を出し切ることに集中したいと語った

男子シングルスの佐々木翔選手(世界9位)の対戦相手は、今月初めに英国で開催された世界選手権の初戦で田児賢一選手にストレート勝ちしたインドのアジャイ・ジャヤラム選手(世界29位)。佐々木選手にとって、昨年10月のダッチオープンGP決勝で勝利した相手だったが、序盤から大量リード(3-11)を許す展開で第1ゲームを12-21と簡単に落としてしまう。ただ切り替えを図った第2ゲーム以降は、依然ピリッとしない内容ながら徐々に立て直し、21-14,21-16できっちり逆転勝ちを収めた
佐々木選手は試合後、タッチの速さなど、ジャヤラム選手のプレースタイルが世界上位の強豪、ピーター・ゲード選手(デンマーク)やシモン・サントソ選手(インドネシア)に類似する部分があり、これら選手への対策を一層練る必要があると語った。決勝では地元ベトナムのスター、第1シードのグエン・ティエンミン選手(世界7位)とぶつかるが、「決勝にふさわしい相手で地元大声援の中で対戦するのが楽しみ」と述べた
佐々木選手とグエン選手のこれまでの対戦成績は、グエン選手の4勝2敗。ただ直近の2試合、オーストラリアオープンGPゴールド(4月)とUSオープンGPゴールド(7月)では、佐々木選手が2連勝している
準決勝の結果
【男子シングルス】 グエン・ティエンミン(ベトナム、世界7位)〈21-5,21-9〉R.M.V.グルサイドゥット(インド、世界64位)、佐々木翔(世界9位)〈12-21,21-14,21-16〉アジャイ・ジャヤラム(インド、世界29位)
【女子シングルス】 タイ・ツーイン(台湾、世界19位)〈15-21,18-21〉今別府香里(世界49位)、フー・ミンティエン(シンガポール、世界41位)〈21-19,21-15〉ファン・ハイユン(韓国、世界148位)
【男子ダブルス】 オン・スーンホック/マク・ヒーチュン組(マレーシア)〈21-16,19-21,12-21〉チャユット・トリヤチャート/ダニー・バワ・クリスナンタ組(シンガポール)、ライアン・アグ ン・サプトラ/アンガ・プラタマ組(インドネシア、世界27位)〈8-21,21-10,22-20〉リム・キムワー/ゴー・ウェイシェム組(マレーシア、世界59位)
【女子ダブルス】 シンタ・ムリア・サリ/ヤオ・レイ組(シンガポール、世界20位)〈22-20,21-17〉ユー・ヒュンヤン/チェ・アレイム組(韓国)、ニトヤ・クリシンダ・マヘスワリ/アネケ・フェイニャ・アグスティン組(インドネシア、世界44位)〈21-11,21-7〉ツァイ・ペイリン/チャン・カイシン組(台湾)
【混合ダブルス】 ダニー・バワ・クリスナンタ/ユーヤン・バネッサ・ネオ組(シンガポール、世界48位)〈14-21,17-21〉ビタリジ・ダーキン/ニナ・ビスロバ組(ロシア、世界53位)、 タン・アイククアン/ライ・ペイジン組(マレーシア、世界83位)〈14-21,18-21〉チュン・ユイソック/ユー・ヒュンヤン組(韓国)
決勝の対戦カードは以下の通り。国・地域別では、シンガポールが3種目で決勝に残り、日本とインドネシアの2種目を上回っている
【男子シングルス】 グエン・ティエンミン(ベトナム、世界7位)対佐々木翔(世界9位)
【女子シングルス】 フー・ミンティエン(シンガポール、世界41位)対今別府香里(世界49位)
【男子ダブルス】 ライアン・アグ ン・サプトラ/アンガ・プラタマ組(インドネシア、世界27位)対チャユット・トリヤチャート/ダニー・バワ・クリスナンタ組(シンガポール)
【女子ダブルス】 シンタ・ムリア・サリ/ヤオ・レイ組(シンガポール、世界20位)対ニトヤ・クリシンダ・マヘスワリ/アネケ・フェイニャ・アグスティン組(インドネシア、世界44位)
【混合ダブルス】 ビタリジ・ダーキン/ニナ・ビスロバ組(ロシア、世界53位)対チュン・ユイソック/ユー・ヒュンヤン組(韓国)