国・地域別対抗の男女混合団体戦スディルマン杯、一次リーグ最終戦に臨んだ日本は韓国によもやの完敗。狙っていた1位通過は果たせず、2位通過で19日の準々決勝、タイ戦に挑む
日本チームが、スディルマン杯一次リーグで0-5の敗戦を記録したのは、2011年以来6大会ぶり。ただ当時は、全種目通じて実力差の大きかった名将リ・ヨンボ率いる常勝軍団中国にいわば玉砕覚悟で挑んでいた時代。各種目に世界3位内をそろえチームランキングで2位につける今とは、状況がまったく異なる
◆2011年中国・青島大会、日本対中国の結果詳細
【男子ダブルス】 佐藤翔治・川前直樹(世界15位)<15-21,14-21>ツァイ・ユン/フー・ハイファン(世界5位)
【女子シングルス】 佐藤冴香(世界20位)<12-21,11-21>ワン・シン(世界3位)
【男子シングルス】 佐々木翔(世界16位)<20-22,19-21>リン・ダン(世界3位)
【女子ダブルス】 松尾静香・内藤真実(世界6位)<15-21,10-21>ユー・ヤン/ワン・シャオリ(世界1位)
【混合ダブルス】 橋本博且・藤井瑞希(世界35位)<14-21,10-21>シュー・チェン/マー・ジン(世界34位)
今回の大敗の要因には、一義的に団体戦における日本選手団の経験不足がある。とりわけ想定外の劣勢に立たされた際、チームを鼓舞する存在がコート内外にいなかった。それと同時に、自陣、敵陣の戦力分析で、韓国チームのコーチ陣の采配が日本チームのそれを上回った結果だ
元々、第1種目の混合ダブルスと第3種目の女子シングルスは実力拮抗で、常にその日やってみなければ勝敗はどちらに転ぶか分からない状況。先陣を切る渡辺勇大・東野有紗が今大会、本来の調子に乗り切れていないこともあり、この日はいずれも韓国側に傾いた
山口茜への精神的負担を軽減するためにも、その間に行われた第2種目の男子シングルスで、日本はいったん流れを断ち切りたかった。韓国側は、現在の世界ランキングで見れば今大会に出場している日本の各選手よりはるか下位にいるが、この日出場してくることが想定された西本には5勝1敗、奈良岡功大がきても1勝0敗と、ともに勝ち越しているチョン・ヒョクチンをぶつけてきた。0-1で回ってきてプレッシャーが増大したことも影響してか、西本自身、そして日本代表コーチ陣は流れを押し戻すことができなかった
3種目終えた時点で既に勝敗は決したが、決勝トーナメント進出は確定済みで次戦があるのは分かっていたので、日本としては、チームの士気を維持する意味でも残る2種目、きっちり取っておきたかった。しかし、男子ダブルスの小林優吾・保木卓朗が直近の1月インドオープンで敗れていたソ・スンジェ/カン・ミンヒョクに、福島由紀・廣田彩花は4月アジア選手権の決勝で勝っていたイ・ソヒ/ペク・ハナに、いずれも元気なくストレート負け。チームにとって嫌な終わり方になってしまった
ただ、開幕前から前回結果(準優勝)を上回ることを目標に掲げる今回の日本チーム。最終的に表彰台の最も高い所に立っているかどうかが評価基準となる。18日夜、一次リーグ全日程終了直後に会場内で行われた決勝トーナメント組み合わせ抽選の結果、日本の準々決勝(19日)の相手は、B組1位のタイに決まった
決勝トーナメント(準々決勝)の組み合わせは以下の通り
①中国(A組1位)vs. インドネシア(B組2位)
②タイ(B組1位)vs. 日本(D組2位)
③マレーシア(C組1位)vs. デンマーク(A組2位)
④韓国(D組1位)vs. 台湾(C組2位)
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◆D組一次リーグ最終日(17日)の結果
①日本(2勝1敗)0―5韓国(3勝)
【混合ダブルス】 渡辺勇大・東野有紗(世界2位)<21-19,15-21,5-21>キム・ウォンホ/チョン・ナウン(世界9位)
【男子シングルス】 西本拳太(世界15位)<11-21,19-21>チョン・ヒョクチン(世界69位)
【女子シングルス】 山口茜(世界1位)<11-21,15-21>アン・セヨン(世界2位)
【男子ダブルス】 小林優吾・保木卓朗(世界3位)<18-21,12-21>ソ・スンジェ/カン・ミンヒョク(世界17位)
【女子ダブルス】 福島由紀・廣田彩花(世界7位)<13-21,18-21>イ・ソヒ/ペク・ハナ(世界5位)
②フランス(1勝2敗)5―0イングランド(3敗)
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◆C組一次リーグ最終日(17日)の結果
①マレーシア(3勝)4―1台湾(2勝1敗)
【混合ダブルス】 チェン・タンジエ/トー・イーウェイ(世界22位)<17-21,21-19,21-17>イエ・ホンウェイ/リー・チアシン(世界23位)
【男子シングルス】 リー・ヅージア(世界8位)<21-14,23-21>チョウ・ティエンチェン(世界5位)
【女子シングルス】 ゴー・ジンウェイ(世界30位)<8-21,10-21>タイ・ツーイン(世界3位)
【男子ダブルス】 テオ・イーイ/オン・ユーシン(世界8位)<21-8,23-21>ヤン・ポハン/ルー・チンヤオ(世界13位)
【女子ダブルス】 ティナー・ムラリタラン/パーリー・タン(世界10位)<21-15,19-21,21-15>シュー・ヤチン/テン・チュンシュン(世界ランクなし)
②インド(1勝2敗)4―1オーストラリア(3敗)
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◆B組一次リーグ最終日(18日)の結果
①インドネシア(2勝1敗)2―3タイ(3勝)
【混合ダブルス】 デジャン・フェルディナンシャ/グロリア・エマヌエル・ウィジャジャ(世界15位)<17-21,19-21>デチャポン・プアバラヌクロー/サプシリー・テラッタナチャイ(世界3位)
【男子シングルス】 ジョナタン・クリスティ(世界6位)<21-12,12-21,20-22>クンラウット・ヴィティサン(世界9位)
【女子シングルス】 プトリ・クスマ・ワルダニ(世界38位)<21-15,14-21,17-21>ポーンパウィー・チョチュウォン(世界12位)
【男子ダブルス】 ムハンマド・リアン・アルディアント/ファジャル・アルフィアン(世界1位)<21-11,21-19>キッティヌポン・ケドレン/スパク・ジョムコ―(世界29位)
【女子ダブルス】 アプリヤニ・ラハユ/シティ・ファディア・シルバ・ラマダンティ(世界4位)<21-17,19-21,21-13>ラウィンダ・プラジョンジャイ/ジョンコンパン・キッティハラクン(世界9位)
②ドイツ(3敗)2―3カナダ(1勝2敗)
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◆A組一次リーグ最終日(18日)の結果
①中国(3勝)4―1デンマーク(2勝1敗)
【混合ダブルス】 ツェン・シウェイ/ホワン・ヤチオン(世界1位)<21-9,21-19>マシアス・チューリ/アマリ―・マイルンド(世界31位)
【男子シングルス】 リ・シーフェン(世界11位)<21-15,16-21,21-15>ラスムス・ゲムケ(世界19位)
【女子シングルス】 チェン・ユーフェイ(世界4位)<21-8,21-11>リネ・クリストファーセン(世界28位)
【男子ダブルス】 リュウ・ユーチェン/オウ・シュアンイ(世界5位)<21-14,19-21,21-11>アナース・スカールプ・ラスムセン/キム・アストルプ(世界11位)
【女子ダブルス】 チェン・チンチェン/ジア・イーファン(世界1位)<21-16,21-14>サラ・チューセン/マイケン・フォーゴール(世界17位)
②シンガポール(1勝2敗)5―0エジプト(3敗)
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一次リーグ各組の最終結果(5日目終了時点※太字は決勝トーナメント進出)
【A組】 中国(3勝)、デンマーク(2勝1敗)、シンガポール(1勝2敗=一次リーグ敗退)、エジプト(3敗=一次リーグ敗退)
【B組】 タイ(3勝)、インドネシア(2勝1敗)、カナダ(1勝2敗=一次リーグ敗退)、ドイツ(3敗=一次リーグ敗退)
【C組】 マレーシア(3勝)、台湾(2勝1敗)、インド(1勝2敗=一次リーグ敗退)、オーストラリア(3敗=一次リーグ敗退)
【D組】 韓国(3勝)、日本(2勝1敗)、フランス(1勝2敗=一次リーグ敗退)、イングランド(3敗=一次リーグ敗退)