アジア選手権準決勝、4種目で決勝進出を狙った日本勢だが、最終日のセンターコートに立つのは、福島由紀・廣田彩花のみ
福島・廣田は前日、世界ランク1位から挙げた3年余りぶりの勝利も追い風に、この日は、直近の対戦(=2022年10月デンマークオープン準々決勝)では敗れていたタイのラウィンダ・プラジョンジャイ/ジョンコンパン・キッティハラクンにストレート勝ち。世界のトップペアとして主戦場としてきた「SUPER750」以上の上位大会で見ると、準優勝した22年6月インドネシアオープン(SUPER1000)以来となる決勝進出を決めた
また、今年に入りこれより下位の大会では、1月のインドネシアマスターズ(SUPER500)、3月のスイスオープン(SUPER300)でも決勝に残ったが、いずれも優勝には届いていない
2人が決勝で挑む相手は、韓国のイ・ソヒ/ペク・ハナ。1回戦の志田千陽・松山奈未に続いて、この日の準決勝もうひと試合で永原和可那・松本麻佑を退けた日本ペアキラーだが、初顔合わせとなった1月のインドネシアマスターズ(SUPER500)2回戦では、福島・廣田がストレートで勝利している。その地力にあらためて納得感を抱かせる試合を見せてきた今大会、最終日は結果以上に内容的に良い形で締めくくれるか、が今後につながるカギとなる
上位4選手のぶつかり合いとなった女子シングルス準決勝、第1シードの山口茜は、◆2019年インドネシアオープン(SUPER1000)準決勝◆21年世界選手権決勝◆22年ウーバー杯◆22年ワールドツアーファイナル決勝◆23年マレーシアオープン(SUPER1000)準決勝――と、直近の5試合負けなしできていた第4シードのタイ・ツーインと対戦。先に主導権を握られ、ファイナルゲームまでもちこんだが、19年シンガポールオープン準決勝以来約4年ぶりに敗れた
もうひと試合は、第2シードのアン・セヨンが、通算対戦成績では大きく負け越しているものの、今年に入り、◆マレーシアオープン(SUPER1000)準決勝◆全英オープン(SUPER1000)決勝――と続けて勝っている第3シードのチェン・ユーフェイに逆転勝ちし、連勝を3に伸ばした
男子シングルスは、常山幹太が1月のマレーシアオープン(SUPER1000)ではストレート勝ちしていた同世代のライバル、アンソニー・シニスカ・ギンティンにストレート負け。4月初めのスペインマスターズ(SUPER300)に続く今シーズン2度目の決勝進出を逃した。ただ、前回のアジア選手権・マニラ大会の成績(ベスト8)は上回り、一歩前進
一方、この大会インドネシア勢唯一の決勝進出者となった26歳ギンティンは、22年11月ドイツ・ハイロオープン(SUPER300)以来の優勝を狙い、シンガポールの25歳ロー・キーンユーと対戦する
男子ダブルスでは小林優吾・保木卓朗が、優勝した22年7月マレーシアオープン(SUPER750)以来の決勝進出を目指したが、準々決勝で第1シードを破るなど勢いのあるテオ・イーイ/オン・ユーシンに競り負け、かなわなかった
この種目、今大会存在感を強くアピールしていたのが台湾のワン・チリン/リー・ヤン。21年東京五輪で金メダルを獲得した後、長く低迷していたが、現世界チャンピオンで第2シードのアーロン・チア/ソー・ウーイイク、全英オープンでベスト4に入った中国期待の第7シード、ワン・チャン/リャン・ウェイケンを連破するなど、復調ぶりを示していた。ただこの日は、ワン・チリンが第2ゲーム途中に負傷し棄権。良い兆しが見えていただけに、回復が待たれる
混合ダブルスは、全種目を通じて唯一、第1シードが残った。1回戦から1ゲームも落とさず決勝まできたツェン・シウェイ/ホワン・ヤチオンは、こちらも全種目を通じて唯一の大会連覇をかけ、ノーシードから勝ち上がったジアン・ツェンバン(21)/ウェイ・ヤシン(23)との同国対決に臨む
準決勝の結果
◆男子シングルス
①ロー・キーンユー(シンガポール、第7シード)<21-19,21-15>ルー・グアンズ(中国)
②アンソニー・シニスカ・ギンティン(インドネシア、第2シード)<21-13,21-16>常山幹太
◆女子シングルス
①山口茜(第1シード)<12-21,21-16,15-21>タイ・ツーイン(台湾、第4シード)
②アン・セヨン(韓国、第2シード)<16-21,21-11,21-19>チェン・ユーフェイ(中国、第3シード)
◆男子ダブルス
①小林優吾・保木卓朗(第4シード)<16-21,24-26>テオ・イーイ/オン・ユーシン(マレーシア、第8シード)
②シラグ・シェッティ/サトウィクサイラジ・ランキレディ(インド、第6シード)<21-18,13-14棄権>ワン・チリン/リー・ヤン(台湾)
◆女子ダブルス
①福島由紀・廣田彩花(第7シード)<21-18,21-15>ラウィンダ・プラジョンジャイ/ジョンコンパン・キッティハラクン(タイ)
②永原和可那・松本麻佑<21-16,8-21,13-21>イ・ソヒ/ペク・ハナ(韓国)
◆混合ダブルス
①ツェン・シウェイ/ホワン・ヤチオン(中国、第1シード)<21-11,21-13>ゴー・スーンフアト/シェボン・ジェミー・ライ(マレーシア、第8シード)
②デジャン・フェルディナンシャ/グロリア・エマヌエル・ウィジャジャ(インドネシア)<17-21,15-21>ジアン・ツェンバン/ウェイ・ヤシン(中国)
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決勝の対戦カード
◆男子シングルス
アンソニー・シニスカ・ギンティン(インドネシア、第2シード)対ロー・キーンユー(シンガポール、第7シード)
◆女子シングルス
アン・セヨン(韓国、第2シード)対タイ・ツーイン(台湾、第4シード)
◆男子ダブルス
シラグ・シェッティ/サトウィクサイラジ・ランキレディ(インド、第6シード)対テオ・イーイ/オン・ユーシン(マレーシア、第8シード)
◆女子ダブルス
福島由紀・廣田彩花(第7シード)対イ・ソヒ/ペク・ハナ(韓国)
◆混合ダブルス
ツェン・シウェイ/ホワン・ヤチオン(中国、第1シード)対ジアン・ツェンバン/ウェイ・ヤシン(中国)