台湾オープン(SUPER300)3種目で24日の決勝に進んだ日本勢だが、いずれも敗れ、無冠に終わった
男子シングルスでは、21歳奈良岡功大が前週のシンガポールオープンに続いて決勝まで勝ち上がった。しかし、初めて対戦する台湾の32歳エース、チョウ・ティエンチェンを相手に第1ゲームを取るのが精いっぱい。続く2ゲームを奪い返され、準優勝で大会を終えた
奈良岡は表彰式後、相手はスマッシュが速いので、打たせないような戦略で臨んだことを明かした。第2ゲーム以降、失速した要因については、「シンガポール、台湾と2週間で10試合、すごく体がきつかった」と認めた。ただ、久々にSUPER500、SUPER300の試合に出てファイナルへ進めたことは自信になったと強調。その上で、チョウ・ティエンチェンのクラスに比べると「フィジカルがまだ足りない。ランニングやウエイトトレーニングなどで強化していきたい」と、さらに続けて取り組んでいく課題を語った
一方、勝ったチョウ・ティエンチェンは自国開催のこの大会、2016、17、19年に次ぐ4度目の優勝となった
チョウ・ティエンチェンに BadPaL が、実際に対戦してみた奈良岡に対する率直な印象を聞いてみると、「いいクロスネットショットを持っている。ネットコントロールもかなりいい。ただ攻撃面で、より多くの‘武器’を手にする必要がある」と答えた
女子シングルスは、24歳川上紗恵奈が5年ぶりにこの大会の決勝のコートに戻ってきた。しかし、過去3戦して1ゲームも取ったことがない28歳タイ・ツーインに力及ばずストレート負け。日本女子シングルス5番手の川上、決勝進出は評価に値する。ただ、「SUPER300」と同等の台湾オープングランプリ(GP)ゴールドを制した2017年以来、このレベルでの優勝はない。ちなみに1つ下位の「SUPER100」のタイトルは19年、フランスのオルレアンマスターズで手にしている
タイ・ツーインはこの大会、18歳で初優勝した2012年から数えて通算4度目(12年、16年、18年、22年)の制覇
日本勢が登場する決勝3種目の中では、女子ダブルスの加藤佑奈・廣上瑠依に最も優勝の期待があった。ただ、前週シンガポールオープン1回戦で勝っている相手ながら、オープニングゲームを落としてしまう嫌な立ち上がり。第2ゲームを取り返し、流れに乗っていきたいところだったが、ファイナルゲームも後手に回る。後半14-19から追い上げを見せ19-20まで詰めたが、あと一歩届かず。飛躍のきっかけとなるワールドツアー初タイトル奪取の好機を逸した
先月26日に20歳になったばかりの加藤と1カ月遅れで20歳になる廣上は、ペアとして今シーズンからシニアの国際大会へ参戦開始。4月にメキシコで下位大会インターナショナルチャレンジに優勝するなどして世界ランクでは、日本女子ダブルス陣の中で上位4ペアからは大きく離れているが、実質5番手に位置する。個人戦としては国際デビュー4戦目となる今大会の準優勝でポイントの上乗せには成功したが、実力、経験ともにまだまだ。上位大会への出場機会も限定され、次に2人が出られる最も上位格付けの「SUPER300」は11月まで待たなければならないだけに、チャンスのあった今回、勝利をつかんでおきたかった
女子ダブルスで優勝した香港の22歳ウン・ツーヤウは、28歳リー・チュンヘイと組む混合ダブルスでも勝利しており、今大会2冠を達成した
決勝戦最終種目の男子ダブルスには、東京五輪金メダルのリー・ヤン/ワン・チリンが登場し、男女シングルスに続く台湾勢による3種目制覇を狙った。しかし22歳と20歳のマレーシアペア、マン・ウェイチョン/ティー・カイウンに阻まれ、果たせなかった
決勝(24日)の結果
【男子シングルス】チョウ・ティエンチェン(台湾、第1シード)<14-21,21-10,21-6>奈良岡功大(第4シード)
【女子シングルス】タイ・ツーイン(台湾、第1シード)<21-17,21-16>川上紗恵奈(第7シード)
【男子ダブルス】リー・ヤン/ワン・チリン(台湾、第1シード)<18-21,21-11,18-21>マン・ウェイチョン/ティー・カイウン(マレーシア、第6シード)
【女子ダブルス】ウン・ツーヤウ/ツァン・ヒウヤン(香港、第6シード)<21-15,18-21,21-19>加藤佑奈・廣上瑠依
【混合ダブルス】リー・チュンヘイ/ウン・ツーヤウ(香港)<21-8,21-9>ルッタナパク・アウプトン/チャシニー・コレパプ(タイ)