Kodai loses Singapore OP final to World no.6 but remains confident

シンガポールオープン（SUPER500）は17日に決勝が行われ、日本から唯一最終日に残った奈良岡功大はアンソニー・シニスカ・ギンティンに敗れ、優勝を逃した。ただ、その要因を経験不足と認めつつ、世界ランク上位相手にもやれる手応えを感じている

奈良岡は今大会、２回戦で世界ランク８位ジョナタン・クリスティ、準々決勝でインドのトマス杯初優勝に貢献した同19位Ｈ.Ｓ.プラノイを破って、６位ギンティンの待つ決勝に進んだ

Kodai defeated World no.8 Jonatan (R) for the first time ~photo courtesy of SingaporeBadminton Association

これら上位との対戦に臨むにあたり、「いつも通り、試合映像で研究して相手エースショットを取る対策をしていた」という日本の男子シングルス４番手。「今回は風が吹いていてやりづらくシャトルコントロールが難しいと思ったので、攻めの形に変えてプレーした」と異なる試合環境への対応力も示し、前２人、クリスティとプラノイには、オープニングゲームを落としながら逆転勝ち。ギンティンにも第１ゲーム、6-12の劣勢から17-17で追いつくとそのまま追い抜き、20-19と先にゲームポイントを握ってみせた

しかしこの機をつかみ切れず21-23で落とすと、第２ゲームは16-14まで競り合いながら、そこから連続失点を喫してストレート負け。準優勝に終わった。一方、勝ったギンティンにとっては2020年１月インドネシアマスターズ（SUPER500）以来２年半ぶりの優勝で、背負ってきたプレッシャーの反動か、勝利と同時にラケットを叩きつけて気持ちを表現した

Kodai lost to experenced Anthony (L) in the final. but believes in his way to go ~photo courtesy of SingaporeBadmintonAssociation

奈良岡に試合後、勝敗を分けた要因について自身で感じるところを尋ねると、「SUPER500」以上の大会で初めて決勝に臨んだ21歳になったばかりの自分と、前身のスーパーシリーズ（ＳＳ）含め通算９回目の決勝の舞台に立った25歳の相手との経験の差を挙げた。ただその上で、「敵わなかったとは思わない」と付け加えた

今シーズン途中、６月14日付で日本バドミントン協会から、Ｂ代表からＡ代表への昇格を告げられたばかりの奈良岡。コロナ感染拡大に伴う様々な国際大会中止のほか、いったんエントリーされた後に出場資格を得ていながらエントリー自体が取り下げられるなど、可能だった上位大会への出場の機会を失ってきたという背景もある

奈良岡は今回優勝すれば、20歳と７カ月余りで男子シングルス史上最年少でのＳＳ初優勝を遂げた桃田賢斗から数カ月違い（21歳と１カ月足らず）で、同格のタイトルを奇しくも同じシンガポールオープンで手にするところだった。しかし、４月のコリアマスターズ（SUPER300）に次ぐ準優勝となり、ワールドツアーでの自身初タイトル獲得は次回以降に持ち越された

このほかの日本勢は多くがベスト８に届かず敗退する中、女子シングルスで、Ｂ代表から唯一ベスト４入りした川上沙恵奈は準決勝でプサルラ・ヴェンカタ・シンドゥにストレート負け。奈良岡と同じタイミングでＡ代表復帰を果たした大堀彩もベスト４に残ったが、最近、上位大会で実力と結果を示してきている22歳ワン・ジュ―イに力及ばず、ともに決勝には進めなかった

日本の２選手を破ったインドと中国の選手による女子シングルス決勝は、シンドゥに軍配。今シーズン、ワールドツアー３勝目（SUPER300x2、SUPER500x1）を挙げた

女子ダブルスは、インドネシアのアプリヤニ・ラハユ／シティ・ファディア・シルバ・ラマダンティの進撃が止まらず、インドネシアマスターズ（SUPER500）、マレーシアオープン（SUPER750）に続くシーズン３勝目。ペア結成からわずか５戦目ながら、年末のワールドツアーファイナル出場へ大きく前進した

インドネシア勢は男子ダブルスでも、４枠すべてを占有した準々決勝終了時点でタイトル奪取を確実にしていた。最終的な勝者は国内６番手、ともに今月末に21歳となるダニエル・マーシン／レオ・ロリー・カルナンド。準決勝で２番手ヘンドラ・セティアワン／モハンマド・アーサン、決勝で３番手ムハンマド・リアン・アルディアント／ファジャル・アルフィアンを直接破った

なお、１番手マルクス・フェルナルディ・ギデオン／ケビン・サンジャヤ・スカムルジョと４番手エレミア・エリク・ヨチェ・ヤコブ・ランビタン／プラムドヤ・クスマワルダナは故障からの回復の過程にあり、今大会には出場していない

混合ダブルスは、現在実力ナンバーワンの世界１位ツェン・シウェイ／ホワン・ヤチオンが出場取りやめ、同３位の渡辺勇大・東野有紗はエントリーしていないことから、２位と４位が順当に決勝まで勝ち上がった。そして頂点に立ったのは、デチャポン・プアバラヌクロー／サプシリー・テラッタナチャイ。ワン・イーリュ／ホワン・ドンピンに今シーズン３連勝で、通算対戦成績を８勝８敗のタイに戻した

準決勝の結果（16日）

【男子シングルス】

~~ツァオ・ジュンペン~~（中国）＜18-２１,23-２５＞奈良岡功大

アンソニー・シニスカ・ギンティン（インドネシア、第４シード）＜２１-17,２１-14＞~~ロー・キーンユー~~（シンガポール、第６シード）

【女子シングルス】

プサルラ・ヴェンカタ・シンドゥ（インド、第３シード）＜２１-15,２１-7＞~~川上沙恵奈~~

ワン・ジュ―イ（中国）＜２１-14,２１-14＞~~大堀彩~~

【男子ダブルス】

ムハンマド・リアン・アルディアント／ファジャル・アルフィアン（インドネシア、第４シード）＜２１-11,２１-7＞~~モー・レザ・パーレビ・イスファハニ／サバル・カルヤマン・グタマ~~（インドネシア）

~~ヘンドラ・セティアワン／モハンマド・アーサン~~（インドネシア、第２シード）＜２１-9,18-２１,20-２２＞ダニエル・マーシン／レオ・ロリー・カルナンド（インドネシア）

【女子ダブルス】

アプリヤニ・ラハユ／シティ・ファディア・シルバ・ラマダンティ（インドネシア）＜19-２１,２１-13,２１-19＞~~プティッタ・スパジラクン／スピッサラ・ペウサムプラン~~（タイ）