インドネシアマスターズは12日、決勝が行われ、ホスト国がタイトルを獲得した男子ダブルス以外、勝つべき選手が勝った。とりわけ中国勢が安定感を示す結果に。B代表主体で臨んだ日本は、誰もベスト8に残れず
ほかにはない特別感が強く、バドミントンの聖地とも称される「イストラスナヤン」に戻ってきたワールドツアー。1週目「SUPER500」の男子ダブルスで、自国3番手ムハンマド・リアン・アルディアント/ファジャル・アルフィアンが優勝した
2番手ヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサンが2回戦、1番手マルクス・フェルナルディ・ギデオン/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョが準決勝で姿を消す中、決勝に進んだリアン/ファジャルは、予選から勝ち上がってきた中国の21歳ペア、ワン・チャン/リャン・ウェイケンにストレート勝ち。「聖地」で初優勝を飾った
2人は前月のタイオープン(SUPER500)でも最終日まで残ったが、小林優吾・保木卓朗との決勝の途中、故障を抱えていたファジャルが試合続行不能となり棄権。ファンに謝罪していたが、自国開催の大会で見事、カムバックを果たした
男子ダブルス以外の4種目は、いずれも勝つべき選手が順当に勝利を収めた。とりわけ3種目を制した中国の国際舞台での復権の兆しがあらためて印象付けられた
女子ダブルスは、ホスト国期待のアプリヤニ・ラハユと21歳シティ・ファディア・シルバ・ラマダンティが組むペアが決勝に進む活躍を見せ、大会を最終日まで盛り上げた。しかし、世界ランク1位には力及ばず、準優勝に終わった。一方、チェン・チンチェン/ジア・イーファンにとっては、3月ドイツオープン(SUPER300)、4月アジア選手権(SUPER1000相当)に次ぐ優勝で、今シーズン個人戦出場5大会で3つ目のタイトルを獲得した
混合ダブルスは、初戦でいきなり世界チャンピオンのデチャポン・プアバラヌクロー/サプシリー・テラッタナチャイを破って勢いに乗り、勝ち進んだフランスのトム・ジケル/デルフィーヌ・ドルリューの躍進がひときわ目を引いた。それでも、彼らを決勝で難なく退けたのがツェン・シウェイ/ホワン・ヤチオン。4月アジア選手権(SUPER1000相当)、5月タイオープン(SUPER500)に次いで3大会連続優勝となり、出湯を重ねるごとに安定感を増してきている
女子シングルスでは、チェン・ユーフェイが、ラッチャノク・インタノンの追い上げに遭いながら、ファイナルゲーム後半に抜け出し、2015年ホー・ビンジャオ以来、中国勢として7年ぶりに今大会女子シングルスのタイトル奪還を遂げた
自身にとっては、3月ドイツオープン(SUPER300)、4月コリアマスターズ(SUPER300)、5月タイオープン(SUPER500)に次ぐ4度目の決勝進出で、今シーズン初めて優勝に手が届いた
男子シングルスは、ビクター・アクセルセンが安定の強さを披露。チョウ・ティエンチェンをストレートで破って、イストラスナヤンでは初めてタイトルを手にした
今シーズンの優勝は、3月全英オープン(SUPER1000)、4月欧州選手権(SUPER500相当)に次いで3度目
一方、今大会の日本勢は振るわなかった。女子シングルスの川上紗恵奈、混合ダブルスの緑川大輝・齋藤夏が1回戦を突破するが、2回戦でそれぞれ、デンマークとタイの選手相手にフルゲームを戦うも敗れ、誰もベスト8に届かず大会を終えている
決勝の結果
【男子シングルス】ビクター・アクセルセン(デンマーク)<21-10,21-12>チョウ・ティエンチェン(台湾)
【女子シングルス】チェン・ユーフェイ(中国)<21-16,18-21,21-15>ラッチャノク・インタノン(タイ)
【男子ダブルス】ムハンマド・リアン・アルディアント/ファジャル・アルフィアン(インドネシア)<21-10,21-17>ワン・チャン/リャン・ウェイケン(中国)
【女子ダブルス】チェン・チンチェン/ジア・イーファン(中国)<21-18,21-12>アプリヤニ・ラハユ/シティ・ファディア・シルバ・ラマダンティ(インドネシア)
【混合ダブルス】ツェン・シウェイ/ホワン・ヤチオン(中国)<21-13,21-14>トム・ジケル/デルフィーヌ・ドルリュー(フランス)