India becomes 6th nation as Thomas cup champion

トマス杯決勝、インドが連覇を狙ったインドネシアを3対0で破り、6つ目の優勝国としてその名を刻んだ

2014年日本、16年デンマークに次いで、22年インドが、トマス杯を複数回制しているバドミントンの3強国、◆インドネシア(14回)◆中国(10回)◆マレーシア(5回)――が載る優勝チームリストに加わった。新参の3チームに共通するのは、バランスの取れたシングルス陣3人と堅実な力を有すダブルス1ペアがいること

今回インドは、若手の成長により、経験豊富で実績もある実力者ながら第1シングルスとしては少々力不足が否めないキダンビ・スリカンスH.S.プラノイ(ともに29)がそれぞれ、高い確率で勝ちを見込める第2、第3シングルスに回ることができた。前回21年10月のオーセフ大会にも出場したスリカンスは当時、第1シングルスで3試合戦い、勝てたのは一次リーグのオランダ戦のみ。残り2つは、一次リーグ中国戦でシー・ユーチに、準々決勝デンマーク戦でビクター・アクセルセンにいずれもストレート負け。チームも準々決勝どまりという結果に終わっていた

また、シングルスに比べて強化が進まず長年チームのアキレス腱だったダブルスで、シラグ・シェッティ/サトウィクサイラジ・ランキレディがタン・キムハー、フランディ・リンペレ、マシアス・ボーら歴代の外国人コーチの知見を取り入れ、元々ある身体能力の高さにトップで通用する戦術やメンタルなどを加味。成熟度を増してきていた

そして20歳でトップシングルスの座に就いたラクシャ・セン、各国・地域のエースばかりとの対戦になるため、結果としてここまで1勝3敗と勝ちにつながらない試合は多かった。ただ、ジュニア時代から現在に至るまで、ゴピチャンアカデミーを本拠地とする所謂「本体」と離れて独自にトレーニングを積み、自主的に国際大会を回って世界ランクを上げてきた。現地で居候するなどしてヨーロッパのリーグに参戦してきた経験もあり、日本の同世代のみならず上の年代と比べても強いメンタルを既に備える

また、モルテン・フロストから指導を受けたり、東京五輪金メダルのビクター・アクセルセンと合同でトレーニングしたり、シドニーとアテネの五輪銀メダリストで韓国のほかマレーシア、シンガポール、中国でのコーチ経験があるユ・ヨンソンを迎えたり、活動拠点にしているプラカシュパドゥコネアカデミーとともに競技力向上のための環境作りに積極的に取り組んでいる

The Vanguard of India is marching in ~photo courtesy of BWF/BadmintonPhoto

決勝は、まずラクシャ・センが初顔合わせとなった3月のドイツオープンで勝っていたアンソニー・シニスカ・ギンティンに、オープニングゲームを8-21の大差で奪われながら第2ゲーム以降持ち直し、逆転勝ち。インドチームに待望の先制ポイントをもたらす

これでチームのムードは盛り上がったが、続く第1ダブルスのシラグ・シェッティ/サトウィクサイラジ・ランキレディは、モハンマド・アーサン/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョ相手に第1ゲームを落とし、第2ゲームも序盤のリードを守れず中盤以降逆転され17-20と3つのマッチポイントを握られ万事休す

しかしここから、プレッシャーもあり決めたい意識が強くなりすぎたか、百戦錬磨のベテラン、アーサンにらしからぬミスが出る。とりわけ18-20の場面、ランキレディの返球が甘くなり前方に上がってきたチャンスボールを強打するも、ネットにかけてしまう。さらに同点になった後、シェッティの股抜きレシーブによる返球をアウトと判断して見送ったスカムルジョのミスもあり、結局このゲーム、23-21でインドペアが取り、試合はふりだしに

Crucial turning point, not only for this match but for chanpionships ~photo courtesy of BWF/BadmintonPhoto

決勝を前にチームメイトに対し、「1点でリズムが変わる」と話していたランキレディ、アーサンのミスで「運が自分たちの方へ巡ってきた」と感じたという

ファイナルゲームは、息を吹き返したシェッティ/ランキレディが前半11-9とリードして折り返す。しかしアーサン/スカムルジョもまだ気持ちは切れておらず、後半早々、5連続得点を決め形勢を逆転してみせるが、勢いのあるインドペアは徐々に追い上げ18点で追いつくと、攻めの姿勢を緩めることなく21-19で勝利した

2対0と最高の形で出番が回ってきたスリカンスだが、「インドネシアは強いチーム」と気を抜かずにコートに立つ。ジョナタン・クリスティとは今シーズン、2戦2敗と勝っていないが、この日は一度もリードを許さず第1ゲームを先取する。第2ゲームに入るとクリスティも徐々にリズムをつかみ、中盤6連続得点を決めるなどしてリードを奪う。そのままもつれる展開で終盤を迎え、先にゲームポイントつかんだのはクリスティ。それでもスリカンスは、今大会ここまで5戦負けなしできた自信に加え、チームがリードしている精神的余裕も助けになってか、劣勢にも動じない安定感あるプレーで難なく逆転に成功。最後はノータッチエースを決め、インドチーム歴史的快挙達成の瞬間を全員で喜んだ

We believed we can do it, and we did it ~photo courtesy of BWF/BadmintonPhoto

自身今大会6連勝で、初優勝を決める立役者になったスリカンスは試合後、国内でのトライアルも経てトマス杯の派遣メンバーが発表された直後、メンバー全員を含めた「必ずカップを持ち帰る」と題するソーシャルネットワークのグループリンクを作ったことを明かし、「われわれは常にできると信じていた」と強調した。その上で、大会期間中も互いに支え合い励まし合う素晴らしいチームで、大会全体を通じメンバーの一員としてチームに貢献できて幸せだった、と述べた

トマス杯決勝の結果

インドネシア(A組1位)0-3インド(C組2位)

【第1シングルス】アンソニー・シニスカ・ギンティン<21-8,17-21,16-21>ラクシャ・セン

Lakshya won <Indonesia0-1India> ~photo courtesy of BWF/BadmintonPhoto

【第1ダブルス】モハンマド・アーサン/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョ<21-18,21-23,19-21>シラグ・シェッティ/サトウィクサイラジ・ランキレディ

Chirag / Satwiksairaj won <Indonesia0-2India> ~photo courtesy of BWF/BadmintonPhoto

【第2シングルス】ジョナタン・クリスティ<15-21,20-22>キダンビ・スリカンス

Srikanth won <Indonesia0-3India> ~photo courtesy of BWF/BadmintonPhoto

【第2ダブルス】ムハンマド・リアン・アルディアント/ファジャル・アルフィアン<打ち切り>M.R.アルジュン/ドゥルブ・カピラ

【第3シングルス】シェサル・ヒレン・ルスタビト<打ち切り>H.S.プラノイ

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トマス杯最終結果

◆優勝:インド(初※前回ベスト8)

Champion : Team India ~photo courtesy of BWF/BadmintonPhoto

◆準優勝:インドネシア(※前回優勝)

1st Runner-up : Team Indonesia ~photo courtesy of BWF/BadmintonPhoto

◆3位:日本(※前回3位)、デンマーク(※前回3位)

2nd Runner-up : Team Japan ~photo courtesy of BWF/BadmintonPhoto
2nd Runner-up : Team Denmark ~photo courtesy of BWF/BadmintonPhoto

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