奈良岡功大は17日、韓国マスターズ(SUPER300)の決勝で敗れ、ワールドツアーの初タイトル奪取が次回以降に持ち越された。ただ、決勝に進んだ時点で世界ランクで日本の男子シングルス4番手に上がり、8月の世界選手権・東京大会の出場枠内に入ってきた
B代表の奈良岡にとって、今シーズン初戦となった前週の韓国オープン(SUPER500)が世界ランク8位、ジョナタン・クリスティに力及ばず2回戦敗退に終わったことで、この大会は、対戦相手に関係なく「決勝進出」が命題だった
結果として、1回戦から準決勝まで4試合中3試合をファイナルゲームまで戦いしっかり勝ち抜き、最終日まで残った
決勝では、久しぶりの個人戦参戦でリザーブ繰り上がりながら、2017年にこの大会を制している韓国の26歳チョン・ヒョクチンに敗れ、期待されたワールドツアーでの最初のタイトル獲得はお預けとなった。しかし、「SUPER300」準優勝によりランキングポイント5,950点を手にすることで、差は120点余りとわずかながら渡邊航貴を抜き、桃田賢斗、常山幹太、西本拳太に次ぐ日本4番手として、8月22~28日に東京体育館で開催される世界選手権の出場枠内に、繰り上げまで含め最終的にはほぼ入ってくることになる
世界選手権出場資格者の算定基準は、来週4月26日付の世界ランキング。日本バドミントン協会は世界選手権に限っていえば例年、A代表、B代表、非代表に関係なく入れ替えを行わず、世界ランクに基づき資格を取得した選手をそのまま出場させている
奈良岡はここまで、エントリー時にはリザーブ枠ながら最終的に本戦出場できていた大会を、本人の意向ではない期限前の突然のエントリー取り下げで複数回、逃してきた。それでもくさることなく練習を続け、自身の今後のキャリアにとっても意味を持つ大事な一戦にしっかり勝って、世界選手権出場可能な圏内へ自力で踏み入ってきた
一方で今大会、B代表中心の日本チームの中、男子ダブルスの小野寺雅之・岡村洋輝が良いパフォーマンスを見せた
2回戦でリオデジャネイロ五輪銀メダリストのゴー・ウェイシェム率いるマレーシアペアをファイナルゲーム、相手マッチポイント18-20をひっくり返して24-22で逆転勝利。続く準々決勝では、3月の全英オープンを制したインドネシアのバガス・マウラナ/ムハンマド・ショヒブル・フィクリをファイナルゲーム、20-18から追いつかれながら再度、22-20で振り切って勝つなど、最後まで気持ちを切らさない戦いを見せ、接戦を勝ち上がった
準決勝でもホスト国のベテラン、キム・サラン/キム・ギジョンを相手にファイナルゲーム、後がない15-20の劣勢から1点差まで追いつく集中力を発揮した。しかし一歩届かず、敗退。決勝進出は逃した
なおこの種目では結局、32歳と31歳になった元韓国代表のキム・サラン/キム・ギジョンが、伸び悩む現代表選手を尻目に、ペアとしては2016年マレーシアオープン以来6年ぶりに国際大会で優勝を遂げた。韓国マスターズ制覇は15年以来7年ぶり
韓国勢はほかに、女子ダブルスでキム・ソヨン/コン・ヒヨンが優勝し、自国開催の大会で5種目中3つのタイトルを手にした
残る2種目の決勝はいずれも中国勢同士の対戦となり、女子シングルスでホー・ビンジャオ(今シーズン、ドイツオープンに次いで2勝目)、混合ダブルスでワン・イーリュ/ホワン・ドンピン(今シーズン初優勝)がそれぞれタイトルを奪った
準決勝の結果
【男子シングルス】
奈良岡功大<21-17,21-23,21-11>スーン・ジューベン(マレーシア)
シッティコム・タマシン(タイ、第6シード)<18-21,15-21>チョン・ヒョクチン(韓国※リザーブ繰り上がり)
【女子シングルス】
チェン・ユーフェイ(中国、第1シード)<21-7,19-21,21-17>ワン・ジュ―イ(中国)
アン・セヨン(韓国、第2シード)<11-21,13-21>ホー・ビンジャオ(中国、第4シード)
【男子ダブルス】
小野寺<20-22,21-12,19-21>キム・サラン/キム・ギジョン(韓国)雅之・岡村洋輝
チェ・ソルギュ/キム・ウォンホ(韓国)<19-21,16-21>リュウ・ユーチェン/オウ・シュエンイ(中国)
【女子ダブルス】
イ・ユリム/ペク・ハナ(韓国)<21-18,19-21,21-16>ドゥ・ユエ/リ・ウェンメイ(中国)
キム・ソヨン/コン・ヒヨン(韓国、第2シード)<21-18,21-9>オム・へウォン/キム・ボリョン(韓国)
【混合ダブルス】
ワン・イーリュ/ホワン・ドンピン(中国、第1シード)<21-12,21-8>チン・ヨン/イ・ユリム(韓国)
ゴー・スーンフアト/シェボン・ジェミー・ライ(マレーシア、第4シード)<11-21,15-21>オウ・シュエンイ/ホワン・ヤチオン(中国)
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決勝の結果
【男子シングルス】奈良岡功大<17-21,16-21>チョン・ヒョクチン(韓国※リザーブ繰り上がり)
【女子シングルス】チェン・ユーフェイ(中国、第1シード)<14-21,21-14,9-21>ホー・ビンジャオ(中国、第4シード)
【男子ダブルス】キム・サラン/キム・ギジョン(韓国)<21-14,21-16>リュウ・ユーチェン/オウ・シュエンイ(中国)
【女子ダブルス】キム・ソヨン/コン・ヒヨン(韓国、第2シード)<21-17,21-12>イ・ユリム/ペク・ハナ(韓国)
【混合ダブルス】ワン・イーリュ/ホワン・ドンピン(中国、第1シード)<21-17,21-17>オウ・シュエンイ/ホワン・ヤチオン(中国)