ワールドツアーファイナルは3日、一次リーグ最終戦を終えた。日本選手は、女子ダブルス、女子シングルス、混合ダブルス、男子ダブルスの4種目で合わせて7人、負けなしのまま決勝トーナメントへ進んだ
女子ダブルスの志田千陽・松山奈未は、強いと認めるストエバ姉妹に真っ向勝負を挑み、「向かっていくだけ。プレッシャーなく昨日よりのびのびやれた」と試合後、BadPaL に話した志田の言葉通り、第1ゲーム21-9、第2ゲーム21-16と危なげない勝利を収めた
松山は、昨日まではよくなかったパフォーマンスを上げるべく、アップの時から意識して取り組んだと説明。また志田は、「課題はレシーブ」とした上で、上げるだけ、ドライブだけなど一辺倒になるのでなく、スペースを使えるようショートレシーブを挟むといったことにも試合中。トライしていたことを明かした
グループ1位で進む決勝トーナメントについて、志田は「堂々と戦っていきたい」と述べると同時に、「3週連続はあまり誰もやったことがない。自分たちならやれると言い聞かせて」と優勝に意欲を示した。松山も「ここまでこれた。皆疲れがあるが、その中で勝てるのが本物」と強調。3週連続を狙う姿勢を確認した
女子シングルスの山口茜は、2年ぶりにブサナン・ウンバンルンパンと対戦。接戦になるも、第1、第2ゲームともに終盤抜け出しストレート勝ち<21-18,21-18>。2013年世界ジュニア選手権準決勝から続くタイの25歳との通算対戦成績を8勝1敗とした
山口に試合後、ネット際の精度が高かったのではと BadPaL が問うと、「自分で主導権を握れる場面が少ない中、開き直ってネットを狙いにいけ、ラッキーな部分もあった」と答えた。決勝トーナメントで対戦が予想されるプサルラ・ヴェンカタ・シンドゥの印象を尋ねると、「良い時は、攻撃もがまんもあるが、調子の波がある」と話した。7月、東京五輪準々決勝でストレート負け<13-21,20-22>した後、前々週のインドネシアマスターズでは準決勝で顔を合わせ、ストレート勝ち<21-13,21-9>している
混合ダブルスは渡辺勇大・東野有紗が、前回対戦したフレンチオープンに続いて、マレーシアのベテラン、チャン・ペンスーン/ゴー・リュウインにストレート勝ち。渡辺が後ろから打ち込み、返ってきた球を東野が前で仕留める形が効果的に機能した。理想的かと BadPaL が問うと、渡辺は「ダブルスではそう。後ろから打っても、このレベルではほとんど決まらない」と答えた。東野も「後ろはほとんど(渡辺に)コントロールしてもらったが、前に来た球にはしっかり対応できた」と述べた
あすから始まる決勝トーナメントへ進むほかの3ペアについて渡辺に聞くと、「結局勝つには、遅かれ早かれ全員倒さないと」ときっぱり。この日の全日程終了後に行われる対戦相手が決まる抽選の結果は、さほど気にせぬ姿勢を見せた
男子ダブルスでは、小林優吾・保木卓朗がマレーシアのプロ選手、テオ・イーイ/オン・ユーシン相手に今大会初めてゲームを落とすも、2-1で勝ち、日本勢4種目目の一次リーグ1位通過を決めた
前2大会から好調を持続する小林・保木に試合後、BadPaL が話を聞くと、落とした第2ゲームに単調になったというサーブ周りは、第3ゲームに入り「ひと呼吸置く。2人でレシーブを変える」といった変化を加えたという。残るはあと2試合、保木が残りの体力を使い切る覚悟を示すと同時に、小林は役割を明確にし一球一球大切にプレーする意向を述べた
一次リーグ全日程を終え、確定したグループ内順位。各グループ上位2人/ペアが決勝トーナメントへ進む(※太字は決勝トーナメント進出者)
【男子シングルス】
◆グループA:【1位】ビクター・アクセルセン(デンマーク、1勝<2-0>)【2位】ラクシャ・セン(インド、1敗<0-2>)【棄権】桃田賢斗(日本)【棄権】ラスムス・ゲムケ(デンマーク)
◆グループB:【1位】リー・ヅージア(マレーシア、3勝<6-0>)【2位】クンラウット・ウィティサン(タイ、2勝1敗<4ー3>)【3位】キダンビ・スリカンス(インド、1勝2敗<2ー4>※一次リーグ敗退)【4位】トマ・ジュニオール・ポポフ(フランス、3敗<1ー6>※一次リーグ敗退)
【女子シングルス】
◆グループA:【1位】ポーンパウィー・チョチュウォン (タイ、3勝<6ー1>)【2位】プサルラ・ヴェンカタ・シンドゥ(インド、2勝1敗<5ー2>)【3位】リネ・クリストファーセン(デンマーク、1勝2敗<2ー4>※一次リーグ敗退)【4位】イボンヌ・リ(ベルギー、3敗<0ー6>※一次リーグ敗退)
◆グループB:【1位】山口茜(日本、2勝<4ー1>)【2位】アン・セヨン(韓国、1勝1敗<3-2>)【3位】ブサナン・ウンバンルン(タイ、2敗<0-4>※一次リーグ敗退)【棄権】ヨー・ジアミン(シンガポール)
【男子ダブルス】
◆グループA:【1位】マルクス・フェルナルディ・ギデオン/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョ(インドネシア、2勝<4ー1>)【2位】リー・ヤン/ワン・チリン(台湾、1勝1敗<2ー2>)【3位】アナース・スカールプ・ラスムセン/キム・アストルプ(デンマーク、2敗<1ー4>)【棄権】シラグ・シェッティ/サトウィクサイラジ・ランキレディ(インド)
◆グループB:【1位】小林優吾・保木卓朗(日本、3勝<6ー1>)【2位】テオ・イーイ/オン・ユーシン(マレーシア、2勝1敗<5ー3>)【3位】プラムディヤ・クスマワルダナ/イェレミア・エリヒ・ヨヘ・ヤコブ・ランビタン(インドネシア、1勝2敗<3ー4>)【4位】トマ・ジュニオール・ポポフ/クリスト・ポポフ(フランス、3敗<0ー6>)
【女子ダブルス】
◆グループA:【1位】キム・ソヨン/コン・ヒヨン(韓国、3勝<6ー1>)【2位】グレイシア・ポリー/アプリヤニ・ラハユ(インドネシア、2勝1敗<4ー2>)【3位】ティナー・ムラリタラン/パーリー・タン(マレーシア、1勝2敗<2ー4>)【4位】ラウィンダ・プラジョンジャイ/ジョンコンパン・キッティハラクン(タイ、3敗<1ー6>)
◆グループB:【1位】志田千陽・松山奈未(日本、3勝<6ー0>)【2位】ガブリエラ・ストエバ/ステファニ・ストエバ(ブルガリア、2勝1敗<4ー2>)【3位】アシュウィニ・ポンナッパ/ネラクリヒ・シキ・レディ(インド、1勝2敗<2ー5>※一次リーグ敗退)【4位】ローレン・スミス/クロエ・バーチ(イングランド、3敗<1ー6>※一次リーグ敗退)
【混合ダブルス】
◆グループA:【1位】渡辺勇大・東野有紗(日本、3勝<6ー0>)【2位】チャン・ペンスーン/ゴー・リュウイン’(マレーシア、2勝1敗<4-3>)【3位】マシアス・クリスチャンセン/アレキサンドラ・ボイエ(デンマーク、1勝2敗<3ー4>※一次リーグ敗退)【4位】タン・キアンメン/ライ・ペイジン(マレーシア、3敗<0ー6>※一次リーグ敗退)
◆グループB:【1位】デチャポン・プアバラヌクロー/サプシリー・テラッタナチャイ(タイ、3勝<6ー2>)【2位】タン・チュンマン/ツェ・インシュ―(香港、2勝1敗<5ー2>)【3位】プラビーン・ジョーダン/メラティ・ダエバ・オクタビアンティ(インドネシア、1勝2敗<3ー4>※一次リーグ敗退)【4位】マーカス・エリス/ローレン・スミス(イングランド、3敗<0ー6>※一次リーグ敗退)