女子の国・地域別対抗戦ウーバー杯は14日、決勝トーナメントに入り、前回覇者の日本は一次リーグから1ゲームも落とさず、中国、タイ、韓国とともに準決勝へ進んだ ~photo courtesy of BWF/BadmintonPhoto
日本女子は今大会、チームランキングにより第1シードに入ったが、ダブルスの廣田彩花、永原和可那、志田千陽抜きで正規ペアなし。各試合で組み換えを余儀なくされた
それでも、まず一次リーグ3試合でシングルス勢同様、全勝。決勝トーナメント1回戦となったこの日のインド相手の準々決勝でも、第1シングルス山口茜の勝利の後を受け登場した福島由紀と松本麻佑のペアがストレート勝ちし、第2シングルス高橋沙也加につないだ。結果として、チームは3-0の完勝でベスト4入りを決めた
福島と松本が試合直後にそれぞれ、「攻撃力があるので後ろは任せられる。安心してプレーできる、頼れる存在」、「安心感がある。互いに積極的にプレーするところ、落ち着いてプレーするところが試合で出せたと思う」と語った通り、初めてのペアリングでも機能した。ダブルス勢は、この日出番が回ってこなかった最年少23歳の松山奈未が前日指摘していた、「正規ペアがいないが、それでも日本は強いと思うので、皆で力を合わせてがんばりたい」という言葉を、ここまで実証している
シングルス勢では、全試合に出場し確実にチームにポイントをもたらしているキャプテン、高橋沙也加が、今回任された第2シングルスについて、次につなげる、あるいはチームの勝ちを決める役どころで、「大事なポジションだと思う」と強調。その上で、もしあす出られる機会があれば、自分らしいプレーができるよう。試合の中で自分が違うと思ったらすぐ修正できる勇気を出したいとの意向を示し、「出るからにはチームのために1ポイント取るという気持ちを忘れずに、準決勝の舞台を楽しみながら皆で一つになってがんばりたい」と抱負を述べた
一方、第1シングルスの山口は危なげない勝利にも、「負けたら終わりの決勝トーナメントの1回目で第1シングルス。勝敗はもちろん、流れとしてもとても大切な試合で集中して入ろうと思った。1ゲーム目の出だしはうまくできたが、続かなかった。そこが課題」と述べている
日本と同じく、一次リーグ1位通過の中国と韓国は順当に3-0の快勝。もうひとつの1位通過タイは、若手主体のインドネシアと接戦に。最後は2ー2で出番が回ってきた第3シングルスのピッタヤポーン・チャイワンが試合を決める勝ち星を挙げ、日付を超えた6時間に及ぶ熱戦に終止符を打った
この一戦で、両チーム通じて唯一のベテランで、肩に軽微な故障を抱え前2試合メンバーから外れたインドネシアのグレイシア・ポリーは、今大会は若手主体のチームで勝ちを期待したわけではないと述べた。東京五輪を制したアプリヤニ・ラハユと組む自分たちのペアとしても、万全ではなく、タイペア相手に勝利を確信できていたわけではなかったと認めた。それでも、自分たちが勝つことで若手に大舞台での試合を経験させたかったと、1時間30分超えの長い試合を戦い抜いた背景を説明。合わせて、自身にとってこれが最後のウーバー杯になると話した。ポリーは7大会連続でウーバー杯に出場し、2008年に銀メダル、10年に銅メダルを獲得している

準決勝のカードは、日本対韓国、そして中国対タイ
◆準々決勝の結果
①日本(A組1位)3―0インド(B組2位)
【第1シングルス】山口茜<21-12,21-17>マルビカ・バンソド
【第1ダブルス】福島由紀・松本麻佑<21-8,21-10>ルタパルナ・パンダ/タニシャ・クラスト
【第2シングルス】高橋沙也加<21-16,21-7>アディティ・バット
【第2ダブルス】松友美佐紀・松山奈未<打ち切り>ガヤトリ・ゴピチャンド・プレラ/トリーサ・ジョリー
【第3シングルス】高橋明日香<打ち切り>タスニン・ミア
②韓国(C組1位)3―0デンマーク(D組2位)
【第1シングルス】アン・セヨン<14-21,21-8,21-8>ミア・ブリクフェルト
【第1ダブルス】シン・スンチャン/イ・ソヒ<21-17,21-18>サラ・チューセン/マイケン・フォーゴール
【第2シングルス】キム・ガウン<21-11,21-17>リネ・クリストファーセン
【第2ダブルス】キム・ソヨン/コン・ヒヨン<打ち切り>メッテ・ポウルセン/アレキサンドラ・ボイエ
【第3シングルス】シム・ユジン<打ち切り>リネ・ケアースフェルト
③タイ(B組1位)3-2インドネシア(A組2位)
【第1シングルス】ポーンパウィー・チョチュウォン<14-21,21-10,21-10>グレゴリア・マリスカ・トゥンジュン
【第1ダブルス】ラウィンダ・プラジョンジャイ/ジョンコンパン・キッティハラクン<17-21,21-17,19-21>グレイシア・ポリー/アプリヤニ・ラハユ
【第2シングルス】ブサナン・ウンバンルンパン<21-9,23-21>プトリ・クスマ・ワルダニ
【第2ダブルス】サプシリー・テラッタナチャイ/プティッタ・スパジラクン<19-21,21-15,15-21>リブカ・スギアルト/シティ・ファディア・シルバ・ラマダンティ
【第3シングルス】ピッタヤポーン・チャイワン<25-23,21-8>エスター・ヌルミ・トリ・ワルドヨ
④中国(D組1位)3ー0台湾(C組2位)
【第1シングルス】チェン・ユーフェイ<21-16,21-13>パイ・ユーポ
【第1ダブルス】チェン・チンチェン/ジア・イーファン<21-10,18-21,21-14>シュー・ヤチン/フー・リンファン
【第2シングルス】ホー・ビンジャオ<21-14,21-9>フン・イーティン
【第2ダブルス】ホワン・ドンピン/リ・ウェンメイ<打ち切り>チャン・チンフイ/リー・チーチェン
【第3シングルス】ハン・ユエ<打ち切り>ユー・チエンフイ
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一次リーグ(9~13日)の結果は以下の通り
◆A組:日本(3勝)、インドネシア(2勝1敗)、フランス(1勝2敗=一次リーグ敗退)、ドイツ(3敗=一次リーグ敗退)
◆B組:タイ(3勝)、インド(2勝1敗)、スペイン(1勝2敗=一次リーグ敗退)、スコットランド(3敗=一次リーグ敗退)
◆C組:韓国(3勝)、台湾(2勝1敗)、エジプト(1勝2敗=一次リーグ敗退)、タヒチ(3敗=一次リーグ敗退)
◆D組:中国(3勝)、デンマーク(2勝1敗)、カナダ(1勝2敗=一次リーグ敗退)、マレーシア(3敗=一次リーグ敗退)