全英オープン(SUPER1000)2回戦、全員そろって初戦突破を果たした日本の男女シングルス陣の中で、この日も勝ってベスト8入りしたのは奥原希望と山口茜。ほかに男子ダブルス1ペア、女子ダブルス3ペアが準々決勝に進んだ

日本の女子シングルスをけん引するトップ2人、奥原と山口は、ともにストレート勝ちでベスト8に名乗りを挙げた。それぞれ、世界チャンピオンのプサルラ・ヴェンカタ・シンドゥ(インド)、五輪チャンピオンのカロリナ・マリン(スペイン)とぶつかる次の準々決勝で、今シーズン現時点における力を試す。昨年の全英では、いずれもベスト4の成績だった
この種目の準々決勝には、ほかのシード選手も次々進んだ。唯一、第7シードのホー・ビンジャオ(中国)を破り、ノーシードから8枠に割り入ったのが、世界17位のポーンパウィー・チョチュウォン。この日敗退した同13位のブサナン・ウンバンルンパンと繰り広げているタイの2番手争いにもプラスに働く貴重な1勝を手にした
なおタイ1番手、第5シードのラッチャノク・インタノンも、日本4番手の大堀彩を寄せ付けずに勝利。ベスト8に入った
一方、男子シングルス日本勢2人の試合は、2月のアジア団体戦準々決勝「日本対台湾」の再戦となった。あの時は、常山と西本がそれぞれ台湾の1、2番手、チョウ・ティエンチェンとワン・ツーウェイから白星を挙げ、チームの勝利に貢献した。しかし今回は、世界ランクで上位につける台湾の2人に相次ぎ敗れた
このうち常山は、今大会第1シードに入ったチョウ・ティエンチェンから第1ゲームを先取。第2ゲームも終盤の競り合いを持ちこたえ、一度はマッチポイント(22-21)を握ったものの、決め切れず。ファイナルゲームに突入すると、後半振り切られて敗退した
ダブルス陣に目を向けると、女子は同国対決に敗れた志田千陽・松山奈未を除き、シードの3ペア(永原和可那・松本麻佑、福島由紀・廣田彩花、高橋礼華・松友美佐紀)が順当に勝ち上がった
これに対し男子は、勝ち残りが2番手の遠藤大由・渡辺勇大のみ。1番手の園田啓悟・嘉村健士は、この大会2016年に優勝実績のあるウラジミール・イワノフ/イワン・ソゾノフ(ロシア)にファイナルゲーム19-21で敗れた。3番手の小林優吾・保木卓朗は、昨年覇者のヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン(インドネシア)に、前日の古賀輝・齋藤太一に続いて屈した
セティアワン/アーサンは準々決勝、3日連続で日本ペア(遠藤・渡辺)と対戦する
混合ダブルスでは、2018年優勝、19年準優勝と2年続けて決勝に進んだ第4シードの渡辺勇大・東野有紗が、世界12位、開催国イングランドのマーカス・エリス/ローレン・スミスの前に屈した
同様に2018年準優勝、19年優勝と2年連続のファイナリストで第1シードのツェン・シウェイ/ホワン・ヤチオン(中国)もこの日、敗れた。波乱を起こしたのは世界16位、オランダのロビン・タベリング/セリーナ・ピーク。世界1位を全英の舞台で、しかも五輪イヤーに破ったことへの喜びを、素直に表現した
中国勢はほかに、全英オープン優勝回数6度のリン・ダンが同2度のチェン・ロンにストレート負けし、ここで敗退。男子ダブルスでも、中国勢同士の対決に敗れ、第3シードのリュウ・ユーチェン/リ・ジュンフェイが姿を消した
日本選手2回戦の結果
【男子シングルス】
チョウ・ティエンチェン(台湾、第1シード)<19-21,26-24,21-13>常山幹太
ワン・ツーウェイ(台湾)<21-16,21-16>西本拳太
【女子シングルス】
山口茜(第3シード)<21-13,21-15>高橋沙也加
奥原希望(第4シード)<21-12,21-16>(デンマーク)リネ・ケアースフェルト
ラッチャノク・インタノン(タイ、第5シード)<21-11,21-11>大堀彩
【男子ダブルス】
(第4シード)<14-21,21-15,19-21>ウラジミール・イワノフ/イワン・ソゾノフ(ロシア)園田啓悟・嘉村健士
遠藤大由・渡辺勇大(第6シード)<21-11,21-12>(台湾)リー・ジェフエイ/ヤン・ポシュアン
ヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン(インドネシア、第2シード)<14-21,21-15,21-14>小林優吾・保木卓朗
【女子ダブルス】
永原和可那・松本麻佑(第2シード)<17-21,21-18,21-17>志田千陽・松山奈未
福島由紀・廣田彩花(第3シード)<16-21,21-11,21-12>(韓国)チョン・ギョンウン/ペク・ハナ
高橋礼華・松友美佐紀(第7シード)<21-13,21-14>(インド)アシュウィニ・ポンナッパ/ネラクリヒ・シキ・レディ
【混合ダブルス】
(第4シード)<15-21,10-21>マーカス・エリス/ローレン・スミス(イングランド)渡辺勇大・東野有紗
準々決勝の対戦カード
【男子シングルス】
チョウ・ティエンチェン(台湾、第1シード)対ワン・ツーウェイ(台湾)
アナース・アントンセン(デンマーク、第5シード)対ラスムス・ゲムケ(デンマーク)
チェン・ロン(中国、第3シード)対リー・ヅージア(マレーシア)
ビクター・アクセルセン(デンマーク、第2シード)対シー・ユーチ(中国、第7シード)
【女子シングルス】
チェン・ユーフェイ(中国、第1シード)対ラッチャノク・インタノン(タイ、第5シード)
奥原希望(第4シード)対プサルラ・ヴェンカタ・シンドゥ(インド、第6シード)
山口茜(第3シード)対カロリナ・マリン(スペイン、第8シード)
タイ・ツーイン(台湾、第2シード)対ポーンパウィー・チョチュウォン(タイ)
【男子ダブルス】
マルクス・フェルナルディ・ギデオン/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョ(インドネシア、第1シード)対アーロン・チア/ソー・ウーイイク(マレーシア、第8シード)
リー・ヤン/ワン・チリン(台湾、第7シード)対リュウ・チェン/ホワン・カイシアン(中国)
クリス・ラングリッジ/マーカス・エリス(イングランド)対ウラジミール・イワノフ/イワン・ソゾノフ(ロシア)
ヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン(インドネシア、第2シード)対遠藤大由・渡辺勇大(第6シード)
【女子ダブルス】
チェン・チンチェン/ジア・イーファン(中国、第1シード)対高橋礼華・松友美佐紀(第7シード)
福島由紀・廣田彩花(第3シード)対キム・ソヨン/コン・ヒヨン(韓国、第5シード)
シン・スンチャン/イ・ソヒ(韓国、第4シード)対チャン・イエナ/キム・ヘリン(韓国)
永原和可那・松本麻佑(第2シード)対リ・インフェイ/ドゥ・ユエ(中国、第6シード)
【混合ダブルス】
ソ・スンジェ/チェ・ユジョン(韓国、第6シード)対ロビン・タベリング/セリーナ・ピーク(オランダ)
デチャポン・プアバラヌクロー/サプシリー・テラッタナチャイ(タイ、第3シード)対ハフィズ・ファイザル/グロリア・エマヌエル・ウィジャジャ(インドネシア、第8シード)
タン・チュンマン/ツェ・インシュー(香港)対マーカス・エリス/ローレン・スミス(イングランド)
ワン・イーリュ/ホワン・ドンピン(中国、第2シード)対プラビーン・ジョーダン/メラティ・ダエバ・オクタビアンティ(インドネシア、第5シード)