ヨーロッパ全域でコロナウイルスの感染拡大が続く中、110回目を迎えた全英オープン(SUPER1000)は11日、バーミンガムで予定通り初日を開催。故障により戦線を離脱していた渡辺勇大が今大会から復帰し、ダブルス2種目で今シーズン初戦、白星を飾った

日本勢はこの日、今シーズン出遅れていた男子ダブルス陣をはじめ多くが順当に勝利し、2回戦へ進んだ
渡辺は、年末年始に行われた代表合宿中の足の故障の影響でこれまで大会出場を見合わせてきたが、ようやくワールドツアーに復帰。遠藤大由と組む男子ダブルス、東野有紗がパートナーの混合ダブルスともにストレート勝ちで、遅まきながら2020年シーズンのスタートを切った
男子ダブルスではほかに、これが今年、出場2大会目となる日本1番手、園田啓悟・嘉村健士が、2回戦負けに終わったシーズン開幕戦マレーシアマスターズ(SUPER500)の初戦に次ぐ2勝目を挙げた
3番手の小林優吾・保木卓朗は、2月のアジア団体戦で第1ダブルスを務めたが、満足のいくパフォーマンスが出せていなかった。しかしこの日は、世界ランク上位の韓国エースペアから何とか勝ちをもぎとり、浮上の兆しをのぞかせた
4番手の古賀輝・齋藤太一は初めての全英の舞台で、ディフェンディングチャンピオンで第2シードのヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン(インドネシア)と初対戦。ファイナルゲーム、ギリギリまで食らいつくも23-25で力尽き、初戦敗退となった
女子ダブルスでは、世界チャンピオンの永原和可那・松本麻佑がインドネシアマスターズ(SUPER500)で1回戦棄権勝ちの後、2回戦で韓国3番手チャン・イエナ/キム・ヘリンに敗れて以来の試合。昨年のヨーロッパ競技大会覇者セリーナ・ピーク/シェリル・セイネン(オランダ)を破り、実質的な2020年初白星をようやく手にした。ほかの日本3ペアもストレート勝ちで、4ペア揃って2回戦に進んだ
シングルス陣は、男女とも全員初戦突破。このうち男子3番手の西本拳太は、今大会第8シードのウン・カロン(香港)に1月タイマスターズ(SUPER300)決勝で敗れた借りを返した。女子3番手の高橋沙也加は、2月アジア団体戦での好調を維持している
日本勢以外では、2004年の初優勝から通算6度タイトルを手にしている36歳リン・ダンが、タイの18歳クンラウット・ウィティサンに第2ゲーム、マッチポイント(18-20)まで追い込まれる。しかしここから起死回生の逆転勝ちで、1回戦負けを逃れた
インドの18歳ラクシャ・センは、昨年の香港オープン(SUPER500)で優勝したリー・チュクイウ(香港)に競り勝ち、全英初出場で見事、初勝利を挙げた
一方、インドネシア男子シングルスの2本柱、アンソニー・シニスカ・ギンティン(第4シード)とジョナタン・クリスティ(第6シード)はともに敗れ、初日で今年の全英を終えた。とりわけギンテインは、初めて出場した2016年から5年連続の1回戦負け
日本選手1回戦の結果
【男子シングルス】
常山幹太<21-17,16-21,21-15>(韓国※リザーブ繰り上がり)ホ・クワンヒ
(香港、第8シード)<18-21,15-21>西本拳太ウン・カロン
【女子シングルス】
山口茜(第3シード)<21-11,21-8>(インド)サイナ・ネワル
奥原希望(第4シード)<21-12,21-12>(カナダ)ミッシェル・リ
高橋沙也加<21-12,21-9>(ロシア)エフゲニヤ・コセツカヤ
(韓国)<21-12,16-21,18-21>大堀彩キム・ガウン
【男子ダブルス】
園田啓悟・嘉村健士(第4シード)<21-12,21-23,21-10>(台湾)リャオ・ミンチュン/スー・チンヘン
遠藤大由・渡辺勇大(第6シード)<21-14,21-12>(イングランド)ショーン・ベンディ/ベン・レーン
(韓国)<22-24,21-19,19-21>小林優吾・保木卓朗チェ・ソルギュ/ソ・スンジェ
ヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン(インドネシア、第2シード)<12-21,21-13,25-23>古賀輝・齋藤太一
【女子ダブルス】
永原和可那・松本麻佑(第2シード)<21-12,21-12>(オランダ)セリーナ・ピーク/シェリル・セイネン
福島由紀・廣田彩花(第3シード)<21-10,21-6>(中国)シア・ユーティン/リュウ・シュエンシュエン
高橋礼華・松友美佐紀(第7シード)<21-13,21-13>(スウェーデン)ヨハンナ・マグナソン/エマ・カールソン
志田千陽・松山奈未<21-15,21-17>(ロシア)オルガ・モロゾワ/アナスタシア・アクチュリナ
【混合ダブルス】
渡辺勇大・東野有紗(第4シード)<23-21,21-14>(韓国)コ・ソンヒョン/オム・ヘウォン
マーカス・エリス/ローレン・スミス(イングランド)<21-9,21-15>保木卓朗・永原和可那
日本選手2回戦の対戦カード
【男子シングルス】
チョウ・ティエンチェン(台湾、第1シード)対常山幹太
ワン・ツーウェイ(台湾)対西本拳太
【女子シングルス】
山口茜(第3シード)対高橋沙也加
奥原希望(第4シード)対リネ・ケアースフェルト(デンマーク)
ラッチャノク・インタノン(タイ、第5シード)対大堀彩
【男子ダブルス】
園田啓悟・嘉村健士(第4シード)対ウラジミール・イワノフ/イワン・ソゾノフ(ロシア)
遠藤大由・渡辺勇大(第6シード)対リー・ジェフエイ/ヤン・ポシュアン(台湾)
ヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン(インドネシア、第2シード)対小林優吾・保木卓朗
【女子ダブルス】
永原和可那・松本麻佑(第2シード)対志田千陽・松山奈未
福島由紀・廣田彩花(第3シード)対チョン・ギョンウン/ペク・ハナ(韓国)
高橋礼華・松友美佐紀(第7シード)対アシュウィニ・ポンナッパ/ネラクリヒ・シキ・レディ(インド)
【混合ダブルス】
渡辺勇大・東野有紗(第4シード)対マーカス・エリス/ローレン・スミス(イングランド)