フレンチオープン(SUPER750)準決勝、各種目で世界ランク1ケタにつける日本勢だったが、すべて敗れ、日本バドミントン協会が選手を派遣した今シーズンのワールドツアー「SUPER500」以上の大会で、初めて決勝進出者ゼロに終わった
これまでに開始されたワールドツアー上位大会は、◆「SUPER1000」3大会◆「SUPER750」4大会(今大会含む)◆「SUPER500」6大会――の合わせて13大会。このうち日本は、選手派遣を見送った3月のインドオープン(SUPER500)を除く12大会すべてでファイナリストを輩出。さらにマレーシアオープン(SUPER750)以外の11大会で優勝者を出してきた

しかし今回は、混合ダブルスで世界3位の渡辺勇大・東野有紗が、同1位ツェン・シウェイ/ホワン・ヤチオン(中国)から久々に1ゲームを奪い気を吐きながら敗れたのに続き、世界1位の永原和可那・松本麻佑、2位山口茜、3位福島由紀・廣田彩花の女子は、いずれも韓国勢に敗退
最後に登場した男子唯一の勝ち残り、世界6位の遠藤大由・渡辺勇大も、勢いのあるシラグ・シェッティ/サトウィクサイラジ・ランキレディ(インド)に押し切られ、最終日を前に全員姿を消す、という結果に終わった
A代表の派遣大会、残るは、11月5日開幕の中国・福州オープン(SUPER750)と同12日開幕の香港オープン(SUPER500)の2つ
日本選手以外では、男子シングルスのジョナタン・クリスティ(インドネシア)が、ファイナルゲーム10-19から試合をひっくり返す劇的な勝利を挙げた。対戦相手のビクター・アクセルセン(デンマーク)が足をつっているのに気づき、「自分から攻撃を仕掛けず、ロブとドロップで長いラリーに持ち込んだのが奏功した」と語った。一方、敗れたアクセルセンは、「両足(特に右足)がつり、何もできなくなった」と認めた上で、「クリスティはミスのない良いプレーをした」と勝者を称えた
クリスティは決勝で、準決勝でアンソニー・シニスカ・ギンティン(インドネシア)を抑え込んだ、7連敗中のチェン・ロン(中国)に挑む

女子シングルスは、ディフェンディングチャンピオンの山口にストレート勝ちした韓国の17歳アン・セヨンが、初めて対戦した前週デンマークオープンで僅差で敗れたカロリナ・マリン(スペイン)と再戦する。過去、新たなチャンピオンを生み出してきたフレンチオープンで、五輪と世界選手権を制した元世界1位の牙城を崩し頂点に立てるか、注目される
準決勝の結果
【男子シングルス】
チェン・ロン(中国、第5シード)<21-19,21-18>(インドネシア、第8シード)アンソニー・シニスカ・ギンティン
ジョナタン・クリスティ(インドネシア、第6シード)<7-21,22-20,21-19>(デンマーク、第7シード)ビクター・アクセルセン
【女子シングルス】
(台湾、第1シード)<16-21,9-21>カロリナ・マリン(スペイン)タイ・ツーイン
(第2シード)<17-21,21-23>アン・セヨン(韓国)山口茜
【男子ダブルス】
マルクス・フェルナルディ・ギデオン/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョ(インドネシア、第1シード)<21-18,23-21>(台湾)リャオ・ミンチュン/スー・チンヘン
(第5シード)<11-21,23-25>シラグ・シェッティ/サトウィクサイラジ・ランキレディ(インド)遠藤大由・渡辺勇大
【女子ダブルス】
(第1シード)<15-21,21-16,14-21>キム・ソヨン/コン・ヒヨン(韓国、第8シード)永原和可那・松本麻佑
(第2シード)<17-21,16-21>シン・スンチャン/イ・ソヒ(韓国、第5シード)福島由紀・廣田彩花
【混合ダブルス】
ツェン・シウェイ/ホワン・ヤチオン(中国、第1シード)<21-12,12-21,21-16>(第3シード)渡辺勇大・東野有紗
プラビーン・ジョーダン/メラティ・ダエバ・オクタビアンティ(インドネシア、第6シード)<21-19,21-12>(イングランド)クリス・アドコック/ガブリエル・アドコック
決勝の対戦カード
【男子シングルス】チェン・ロン(中国、第5シード)対ジョナタン・クリスティ(インドネシア、第6シード)
【女子シングルス】カロリナ・マリン(スペイン)対アン・セヨン(韓国)
【男子ダブルス】マルクス・フェルナルディ・ギデオン/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョ(インドネシア、第1シード)対シラグ・シェッティ/サトウィクサイラジ・ランキレディ(インド)
【女子ダブルス】シン・スンチャン/イ・ソヒ(韓国、第5シード)対キム・ソヨン/コン・ヒヨン(韓国、第8シード)
【混合ダブルス】ツェン・シウェイ/ホワン・ヤチオン(中国、第1シード)対プラビーン・ジョーダン/メラティ・ダエバ・オクタビアンティ(インドネシア、第6シード)