世界ジュニア選手権・カザン大会は7日より個人戦がスタート。11日に各種目準々決勝が行われ、日本は男女ダブルスのほか、女子シングルスのメダルを3大会ぶりに確保した。一方、男子シングルスでは15年ぶりにベスト16にひとりも残れなかった

U19(19歳未満)日本代表の女子シングルス陣は世界ジュニアにおいて、2007年から10年間、ベスト8を外さずにきた。しかし17年、18年とここに残れない状況が2年続いていた
今年は、栗原あかりと郡司莉子の2人がベスト8に入り、このうち1つ年下、17歳の郡司が準々決勝にも勝ってベスト4到達。まずはこの種目、16年の大家夏稀以来となるメダルを確定させた
◆世界ジュニア女子シングルスでベスト8以上の成績を残した歴代の日本選手(太字はメダリスト)
【2007年】栗原文音(ベスト8)【08年】佐藤冴香(銀メダル)、高橋礼華(ベスト8)【09年】三谷美菜津(ベスト8)【10年】松友美佐紀(銀メダル)、福万尚子(銅メダル)【11年】奥原希望(銅メダル)、福島由紀(ベスト8)【12年】奥原(金メダル)、山口茜(銀メダル)、大堀彩(銅メダル)【13年】山口(金メダル)、大堀(銀メダル)【14年】山口(金メダル)、大堀(銅メダル)、仁平菜月(ベスト8)【15年】仁平、荒木萌恵(ともに銅メダル)【16年】 大家夏稀(銅メダル)【17年】なし【18年】なし――
これに対し、男子シングルスは今回、4回戦(ベスト32)までで全員敗退。2004年カナダ・リッチモンド大会以来15年ぶり(※)に、誰もベスト16に届かないという結果に終わった(※当初は隔年開催だったため、05年はなし)
◆世界ジュニア男子シングルスでベスト16以上に入った歴代の日本選手(太字はメダリスト)
【2006年】田児賢一、松川直弘(ベスト8)【07年】田児(銀メダル)【08年】佐藤黎(ベスト16)【09年】渡邊達哉(銅メダル)【10年】堀内研人(ベスト16)【11年】桃田賢斗(銅メダル)【12年】桃田(金メダル)、古賀輝(ベスト16)【13年】常山幹太、小林優吾、小野寺裕介(ベスト16)【14年】常山(ベスト8)、下農走(ベスト16)【15年】渡邉航貴(銅メダル)、三橋健也、小倉由嵩(ベスト16)【16年】渡邉航(ベスト8)、小野寺雅之、奈良岡功大(ベスト16)【17年】奈良岡(銅メダル)、大林拓真(ベスト8)、嶺岸洸(ベスト16)【18年】奈良岡(銀メダル)、秦野陸(ベスト16)――

ただ、シングルスで悔しい敗北<9-21,5-21>を喫した川本拓真は、河村翼と組むダブルスで奮起。準々決勝でも中国ペアを寄せ付けず、ここまで4試合、1ゲームも落とさずに勝ち上がっている
準決勝では、世界ジュニア2連覇を狙う第1シード、ディー・ヅ―ジエン/ワン・チャン(中国)に挑む

女子ダブルスは、日本から2ペアが準々決勝に臨み、鈴木陽向・大澤佳歩が今大会第1シードのプトリ・シャイカー/ニタ・ヴィオリナ・マルワ(インドネシア)にストレート勝ち。第2、3、4シードと共に、準決勝へ進んだ
一方、混合ダブルスの熊谷翔・大竹望月は、ノーシードからトップ4の切り崩しを狙い、第4シードのジアン・ツェンバン/リ・イージン(中国)をファイナルゲーム21-20まで追い詰めた。しかしあと一歩届かず、敗退となった
日本選手以外では、男子シングルス第1シードのクンラウット・ウィティサン(タイ)が、団体戦準決勝でチームの敗戦につながる痛い負けを喫していたボビー・セティアブディ(インドネシア)を振り切り、世界ジュニア3連覇へあと2勝に迫った
同じく男子シングルスで、クリスト・ポポフ(フランス)がレン・チェンミン(中国)を逆転で降し準決勝進出。アジア勢優勢の中、ヨーロッパ勢でひとり気を吐いている
また中国勢は、団体戦で6連覇を逃した後、個人戦でもかつての圧倒的な強さは影を潜める。それでも準々決勝を終え、男子シングルス以外の4種目で複数のメダルを確保。図抜けてはいないが、選手層の底堅さを見せている
準々決勝(11日)の結果
【男子シングルス】
クンラウット・ウィティサン(タイ、第1シード)<17-21,21-16,21-14>(インドネシア、第6シード)ボビー・セティアブディ
ヨナサン・ラムリー(インドネシア、第13シード)<21-16,17-21,21-19>(マレーシア)シャフリヤール・シャキーム
リ・ユンヅー(中国、第4シード)<棄権>(マレーシア)ゴー・ワイマン
クリスト・ポポフ(フランス、第10シード)<16-21,21-10,21-13>(中国)レン・チェンミン
【女子シングルス】
ピッタヤポーン・チャイワン(タイ、第1シード)<21-13,21-17>(日本)栗原あかり
(インドネシア、第4シード)<12-21,12-21>郡司莉子(日本、第7シード)プトリ・クスマ・ワルダニ
ダイ・ワン(中国、第11シード)<21-13,21-19>(台湾、第12シード)フン・エンツー
ツォウ・メン(中国、第2シード)<21-7,21-11>(インドネシア、第14シード)ステファニー・ウィジャジャ
【男子ダブルス】
ディー・ヅ―ジエン/ワン・チャン(中国、第1シード)<21-14,21-16>(香港)ルイ・チュンワイ/コウ・シンヘイ
川本拓真・河村翼(日本、第6シード)<21-13,21-15>(中国)ツェン・シュンジン/リュウ・ドゥーウェイ
フェン・ヤンジュー/ダイ・エンイ(中国、第3シード)<21-13,21-15>(マレーシア)ムハンマド・ハイカル/ジュナイディ・アリフ
ダニエル・マーシン/レオ・ロリー・カルナンド(インドネシア、第2シード)<21-13,21-11>(イングランド、第5シード)ロリー・イーストン/イーサン・ヴァン・リューウェン
【女子ダブルス】
(インドネシア、第1シード)<16-21,19-21>鈴木陽向・大澤佳歩(日本、第13シード)プトリ・シャイカー/ニタ・ヴィオリナ・マルワ
リン・ファンリン/ツォウ・シンルー(中国、第4シード)<18-21,21-13,21-15>(デンマーク、第6シード)アメ―リエ・シュルツ/クリスティン・ブッシュ
アマリア・カハヤ・プラティウィ/フェブリアナ・ドゥイプジ・クスマ(インドネシア、第3シード)<24-22,17-21,21-17>(日本)宮崎淳美・内山智尋
ルオ・シューミン/リ・イージン(中国、第2シード)<21-13,21-13>(インドネシア、第7シード)トリョラ・ナディア/メラニ・ママヒット
【混合ダブルス】
レオ・ロリー・カルナンド/インダ・カヒャ・サリ・ジャミル(インドネシア、第1シード)<22-20,21-11>(香港)ルイ・チュンワイ/リョン・ゼーロク
ジアン・ツェンバン/リ・イージン(中国、第4シード)<22-20,18-21,23-21>(日本)熊谷翔・大竹望月
ラッチャポン・マッカサシトーン/ベニャパ・エイムサード(タイ、第3シード)<21-19,21-17>(マレーシア、第6シード)ヤップ・ロイキング/ガン・ジンアール
フェン・ヤンジュ―/リン・ファンリン(中国、第2シード)<22-20,21-14>(香港)コウ・シンヘイ/ヨン・プイラム
準決勝(12日)の対戦カード
【男子シングルス】
クンラウット・ウィティサン(タイ、第1シード)対ヨナサン・ラムリー(インドネシア、第13シード)
リ・ユンヅー(中国、第4シード)対クリスト・ポポフ(フランス、第10シード)
【女子シングルス】
ピッタヤポーン・チャイワン(タイ、第1シード)対郡司莉子(日本、第7シード)
ツォウ・メン(中国、第2シード)対ダイ・ワン(中国、第11シード)
【男子ダブルス】
ディー・ヅ―ジエン/ワン・チャン(中国、第1シード)対川本拓真・河村翼(日本、第6シード)
ダニエル・マーシン/レオ・ロリー・カルナンド(インドネシア、第2シード)対フェン・ヤンジュ―/ダイ・エンイ(中国、第3シード)
【女子ダブルス】
リン・ファンリン/ツォウ・シンルー(中国、第4シード)対鈴木陽向・大澤佳歩(日本、第13シード)
ルオ・シューミン/リ・イージン(中国、第2シード)対アマリア・カハヤ・プラティウィ/フェブリアナ・ドゥイプジ・クスマ(インドネシア、第3シード)
【混合ダブルス】
レオ・ロリー・カルナンド/インダ・カヒャ・サリ・ジャミル(インドネシア、第1シード)対ジアン・ツェンバン/リ・イージン(中国、第4シード)
フェン・ヤンジュ―/リン・ファンリン(中国、第2シード)対ラッチャポン・マッカサシトーン/ベニャパ・エイムサード(タイ、第3シード)