オーストラリアンオープン(SUPER300)決勝、3種目で優勝を目指した日本勢の中で、福島由紀・廣田彩花が日本ペアとしてこの大会3年連続となる女子ダブルスのタイトル奪取に成功した
福島・廣田は第1シードで臨んだ3月の全英オープン(SUPER1000)、準決勝で敗れ、優勝も持っていかれた中国のチェン・チンチェン/ジア・イーファンと対峙。厳しい戦いが予想されたが、第1ゲームを中盤から一気に抜け出し21-10で奪うと、第2ゲームは11-7のリードから一度は追いつかれるも、主導権を譲り渡すことなく21-16で取り、ストレート勝ちを収めた

世界ランク2位、日本A代表の福島・廣田は、主戦場とするSUPER500以上より下位に位置するこの大会、日本バドミントン協会派遣ではなく、所属チーム負担による自費参戦
3月29日付の日本スポーツ仲裁機構(JSAA)決定を受け、昨年9月以降(無期限で)認められていなかった日本協会への会員登録が4月2日時点で再び確認された今井彰宏氏がコーチ席で見守る中、1月のマレーシアマスターズ(SUPER500)に次ぐ今シーズン、ワールドツアー2勝目を挙げ、「SUPER300」の優勝ポイント7,000点を得た
日本勢はこの大会、◆2017年:高橋礼華・松友美佐紀◆18年:櫻本絢子・髙畑祐紀子◆19年:福島・廣田――と、女子ダブルスを3年連続で制している
男子ダブルス第1シードの園田啓悟・嘉村健士は、ノーシードながら、初戦の遠藤大由・渡辺勇大(第5シード)を皮切りに、ヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン(第3シード)、リュウ・ユーチェン/リ・ジュンフェイ(第2シード)と、シードペアを次々破って決勝まで駆け上がってきた韓国のベテラン、コ・ソンヒョン/シン・ベクチョルにストレート負け。シドニーで2017年に次ぐ2度目の優勝はならなかった

裁判を経て、韓国バドミントン協会(BKA)からプロとして国際大会へ出場する権利を勝ち取り、昨年8月のベトナムオープン(SUPER100)で本格復帰を果たした32歳コ・ソンヒョン、29歳シン・ベクチョルが組むペアは現在、世界ランク34位。同じくプロのイ・ヨンデ/キム・ギジョン(同32位)に次ぐ韓国2番手だが、今回の優勝で1番手に躍り出る。ただ、出場資格を得ていた8月の世界選手権は、韓国協会が出場辞退と回答している
女子シングルス決勝は、2年前の優勝者で第1シードの奥原希望と第2シードのチェン・ユーフェイ(中国)による頂上対決。奥原は第1ゲーム、前半をリードして折り返すが、後半、じりじりと点差をつけられ15-21で落とす。続く第2ゲームは、出だしから主導権を握られると、そのまま一気に押し切られる形で3-21の大差で敗れた
中国勢は混合ダブルスでも、第1シードに入ったワン・イーリュ/ホワン・ドンピンが、準決勝で渡辺勇大・東野有紗を破ったインドネシアのプラビーン・ジョーダン/メラティ・ダエバ・オクタビアンティを退け優勝。女子シングルスとの2冠を達成した
一方、インドネシアのトップ2人による対戦となった男子シングルス。この大会、準々決勝でリン・ダン(中国)、準決勝でチョウ・ティエンチェン(台湾)と、優勝候補を連破してきた2番手ジョナタン・クリスティが、1番手アンソニー・シニスカ・ギンティンに競り勝ち、ニュージーランドオープン(SUPER300)に次ぐ今シーズン2勝目を挙げた
決勝の結果
【男子シングルス】アンソニー・シニスカ・ギンティン(インドネシア、第2シード)<17-21,21-13,14-21>ジョナタン・クリスティ(インドネシア、第3シード)
【女子シングルス】奥原希望(第1シード)<15-21,3-21>チェン・ユーフェイ(中国、第2シード)
【男子ダブルス】園田啓悟・嘉村健士(第1シード)<11-21,17-21>コ・ソンヒョン/シン・ベクチョル(韓国)
【女子ダブルス】福島由紀・廣田彩花(第2シード)<21-10,21-16>チェン・チンチェン/ジア・イーファン(中国、第3シード)
【混合ダブルス】ワン・イーリュ/ホワン・ドンピン(中国、第1シード)<21-15,21-8>プラビーン・ジョーダン/メラティ・ダエバ・オクタビアンティ(インドネシア、第6シード)