ジャパンオープン準々決勝、日本勢は男子ダブルスを除く4種目で準決勝に残った。女子シングルスが既に決勝枠を確保したのに対し、女子ダブルスは残り1ペアとなり、予想に反し「苦戦」している
男子シングルスは、桃田賢斗が2015年全英オープン以来2度目の顔合わせとなった中国リン・ダンをストレートで破り、初白星を挙げた
敗れたリン・ダンは試合後、桃田のパフォーマンスを評価した上で、「しばらく対戦機会のなかった桃田とここで試合ができてよかった」と述べ、この先も続く対戦に向け、コーチらとこの試合を分析し、ここから桃田対策を練っていく考えを示した
桃田は準決勝で、アジア大会で活躍したアンソニー・シニスカ・ギンティン(インドネシア)をストレートで破った第1シード、ビクター・アクセルセン(デンマーク)と対戦する
もうひとつの山では、中国チェン・ロン、インドのキダンビ・スリカンスというシード勢を破った伏兵2人、タイのコシット・ペトプラダブと韓国イ・ドンクンが勝ち上がった
このうちイ・ドンクンは BadPaL の問いに対し、結婚し子どもが生まれて、安定と責任が生じたことが、プレーにもいい影響を及ぼしていると語った。一方、チェン・ロンは、「リードしていて逆転負けしたことが相当悔しい」とした上で、東京五輪の会場でできるだけ多く試合をしたかったが叶わなかったことに、悔いを示した
女子シングルスでは、山口茜、奥原希望、大堀彩の3人がいずれも中国選手と対戦。奥原と大堀は勝利したが、山口はチェン・ユーフェイに敗れた。男女を通じて中国シングルス陣唯一の勝ち残りとなったチェン・ユーフェイは、アジア大会までの対戦成績3勝8敗と負け越している山口に対しても、「強い自信を持って試合に臨んだ」と述べた
日本勢が出場28ペア中8ペアいて、大会前は上位独占も期待された女子ダブルスだが、実際に準決勝に進めたのは、第1シードに入った福島由紀・廣田彩花組のみ。この日は、世界チャンピオンの永原和可那・松本麻佑組が姿を消した
永原・松本組に、3月全英オープンの準決勝以来初めて土をつけた外国ペアとなった中国リ・インフェイ/ドゥ・ユエ組は今大会、高橋礼華・松友美佐紀組も破っている。21歳のリ・インフェイは BadPaL の質問に対し、経験・実績豊富なベテラン、ツァン・ナンと組む混合ダブルスの経験が女子ダブルスにもいきている、と答えている
男子ダブルスでは、小林優吾・保木卓朗組がベスト4入りを狙ったが、中国3番手のタン・チアン/ホー・ジティン組に逆転負けで果たせず。ただ、5大会続けて1回戦負けが続いていた今シーズン、最高の成績を収め、次戦以降に向けた自信を得た
混合ダブルスでは、保木卓朗・米元小春組との同国対決を制した渡辺勇大・東野有紗組が勝ち上がり、準決勝で3連敗中の中国ワン・イーリュ/ホワン・ドンピン組に挑む
準決勝もうひと試合は、第1シードの中国ツェン・シウェイ/ホワン・ヤチオン組とマレーシアのチャン・ペンスーン/ゴー・リュウイン組の対戦。このうちチャン/ゴー組は BadPaL の質問に答え、リー・チョンウェイの不在でマレーシアバドミントン協会(BAM)の期待がのしかかりプレッシャーになっていることを認めた
準々決勝の結果
【男子シングルス】
ビクター・アクセルセン(デンマーク、第1シード)<21-17,21-15>(インドネシア)アンソニー・シニスカ・ギンティン
桃田賢斗(第3シード)<21-8,21-10>(中国)リン・ダン
(インド、第7シード)<21-19,16-21,18-21>イ・ドンクン(韓国)キダンビ・スリカンス
(中国、第6シード)<19-21,22-24>コシット・ペトプラダブ(タイ)チェン・ロン
【女子シングルス】
奥原希望(第8シード)<21-17,21-16>(中国)チェン・シャオシン
大堀彩<21-14,21-12>(中国)ガオ・ファンジエ
(タイ、第4シード)<18-21,19-21>カロリナ・マリン(スペイン、第6シード)ラッチャノク・インタノン
(第2シード)<13-21,21-15,15-21>チェン・ユーフェイ(中国、第5シード)山口茜
【男子ダブルス】
マルクス・フェルナルディ・ギデオン/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョ(インドネシア、第1シード)<21-10,17-21,21-14>(オランダ)ロビン・タベリング/イエラ・マース
タン・チアン/ホー・ジティン(中国)<18-21,21-19,21-15>小林優吾・保木卓朗
チェン・フンリン/ワン・チリン(台湾)<21-17,21-19>(韓国※リザーブ繰り上がり)ソ・スンジェ/キム・ウォンホ
リュウ・ユーチェン/リ・ジュンフェイ(中国、第2シード)<22-20,18-21,21-14>(インドネシア)ムハンマド・リアン・アルディアント/ファジャル・アルフィアン
【女子ダブルス】
福島由紀・廣田彩花(第1シード)<21-12,21-7>(タイ、第6シード)ラウィンダ・プラジョンジャイ/ジョンコンパン・キッティハラクン
グレイシア・ポリー/アプリヤニ・ラハユ(インドネシア、第4シード)<19-21,21-17,21-12>(ブルガリア)ステファニ・ストエバ/ガブリエラ・ストエバ
チェン・チンチェン/ジア・イーファン(中国、第3シード)<21-11,21-15>(中国)タン・ジンフア/ユー・シャオハン
(第8シード)<16-21,10-21>リ・インフェイ/ドゥ・ユエ(中国)永原和可那・松本麻佑
【混合ダブルス】
ツェン・シウェイ/ホワン・ヤチオン(中国、第1シード)<21-10,21-13>(中国)ツァン・ナン/リ・インフェイ
チャン・ペンスーン/ゴー・リュウイン(マレーシア)<21-19,20-22,21-17>(インドネシア)プラビーン・ジョーダン/メラティ・ダエバ・オクタビアンティ
渡辺勇大・東野有紗<21-9,21-12>保木卓朗・米元小春
ワン・イーリュ/ホワン・ドンピン(中国、第2シード)<21-18,21-6>(マレーシア、第6シード) ゴー・スーンフアト/シェボン・ジェミー・ライ
準決勝の対戦カード
【男子シングルス】
ビクター・アクセルセン(デンマーク、第1シード)対桃田賢斗(第3シード)
イ・ドンクン(韓国)対コシット・ペトプラダブ(タイ)
【女子シングルス】
奥原希望(第8シード)対大堀彩
チェン・ユーフェイ(中国、第5シード)対カロリナ・マリン(スペイン、第6シード)
【男子ダブルス】
マルクス・フェルナルディ・ギデオン/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョ(インドネシア、第1シード)対タン・チアン/ホー・ジティン(中国)
リュウ・ユーチェン/リ・ジュンフェイ(中国、第2シード)対チェン・フンリン/ワン・チリン(台湾)
【女子ダブルス】
福島由紀・廣田彩花(第1シード)対グレイシア・ポリー/アプリヤニ・ラハユ(インドネシア、第4シード)
チェン・チンチェン/ジア・イーファン(中国、第3シード)対リ・インフェイ/ドゥ・ユエ(中国)
【混合ダブルス】
ツェン・シウェイ/ホワン・ヤチオン(中国、第1シード)対チャン・ペンスーン/ゴー・リュウイン(マレーシア)
ワン・イーリュ/ホワン・ドンピン(中国、第2シード)対 渡辺勇大・東野有紗