ニュージーランドオープン(SUPER300)決勝、前回土壇場の逆転負けで優勝を逸した櫻本絢子・髙畑祐紀子組、前月の代表復帰初戦で期待に応えられなかった高橋沙也加がそろって勝ち、ともに2月のスイスオープンに次ぐ今シーズン2勝目を挙げた

櫻本・髙畑組は前回、当時の格付けで、上位大会スーパーシリーズ(SS)の1つ下に位置するグランプリ(GP)ゴールドで初めて決勝に進み、第1シードのマレーシアペアをファイナルゲーム19-16まで追い詰めた。しかし、勝利を目前にして、まさかの逆転負け。苦い思いを味わった<https://badpal.net/2017/08/06/japanese-shuttlers-not-succeed-in-winning-gold-in-auckland-for-first-time-since-2009/>
今回は、準々決勝で第1シードのインドネシアペアをフルゲームの末に破ると、続く準決勝と決勝はストレート勝ちで切り抜け、心身ともにひとまわり強くなって戻ってきたことを、オークランドの観客の前で証明してみせた
櫻本・髙畑組は現在、世界ランク37位(日本6番手)。前回の世界45位(日本7番手)からは前進しているが、上位大会(SUPER500=SS同等)への出場機会がないため、世界3~5位につける日本のトップ3との差は埋まっていない。今回の優勝でランキングポイントはわずかに増える(※訂正済み)が、当面は、所属の同じ福万尚子・與猶くるみ組(世界16位)が、追いつき追い越すべき「標的」となる

女子シングルスの高橋は4月2日、ユーバー杯出場をにらみ、異例のタイミングでB代表に引き上げられた。しかし直後に第1シードで出場した下位大会、大阪インターナショナルチャレンジでは期待を裏切る「惨敗」(準々決勝敗退)に終わった。今大会は、真価を問われる代表復帰2戦目だったが、準決勝で同じB代表の三谷美菜津相手に1ゲーム落としただけの優勝で、見事期待に応えてみせた
高橋は、このレベル(SUPER300=GPゴールド同等)の大会で通算4勝目。10日更新の世界ランキングでは、現在の日本6番手から、川上紗恵奈、大堀彩を抜いて4番手に上がる。ただ、その先にいるA代表3人(山口茜、奥原希望、佐藤冴香)に世界ランクと実績の両面で追いつくには、未だ成し遂げていない次のレベル(SUPER500=SS同等)でのタイトル獲得は必須だ
なお、日本の女子はこの大会で、◆2009年(当時の大会格付け=GP):佐藤冴香◆11年(インターナショナルチャレンジに格下げ):佐藤、三木佑里子・米元小春◆13年(GP):山口茜◆14年(GP):奥原希望◆15年(GPゴールド):川上紗恵奈◆16年(GPゴールド):福島由紀・廣田彩花、大堀彩◆17年(GPゴールド):川上、櫻本・髙畑◆18年(SUPER300):高橋、櫻本・髙畑――と、8回連続(※)で決勝に進み、7回優勝者(=太字の選手)を出している(※10年と12年は開催されず)
男子シングルスは、大事なトマス杯を前に中国リン・ダンが、インドネシアのジョナタン・クリスティをストレートで破って優勝。1回戦負けに終わった前週、アジア選手権のうっ憤を晴らした。国際タイトル獲得は、昨年4月のマレーシアオープンSSプレミア以来約1年ぶりで、通算65勝目
残る2種目は、台湾ワン・チリン(23)が2冠を達成した。男子ダブルスでは、ベテランのチェン・フンリン(32)と組んで昨年に続き大会2連覇。一方、混合ダブルスは、4年前のユース五輪・南京大会において女子シングルスで山口茜に準決勝で敗れ4位、混合ダブルスで常山幹太と組んで銀メダルを獲得したリー・チアシン(20)とのペア(世界19位)で、世界バドミントン連盟(BWF)主催大会初優勝となった。なお、昨年台湾で開催された国際大学スポーツ連盟主催の学生競技大会「ユニバーシアード」では金メダルを手にしている
決勝の結果
【男子シングルス】リン・ダン(中国、第1シード)<21-14,21-19>ジョナタン・クリスティ(インドネシア、第2シード)
【女子シングルス】高橋沙也加(第1シード)<21-13,21-14>ツァン・イーマン(中国)
【男子ダブルス】チェン・フンリン/ワン・チリン(台湾、第1シード)<21-17,21-17>ハルディアント/ベリー・アングリアワン(インドネシア、第2シード)
【女子ダブルス】櫻本絢子・髙畑祐紀子<21-9,21-19>ユー・ツェン/ツァオ・トンウェイ(中国)
【混合ダブルス】ワン・チリン/リー・チアシン(台湾、第3シード)<21-19,14-21,21-19>ソ・スンジェ/チェ・ユジョン(韓国、第5シード)